生物学者のための科学哲学 (紙版)

生物学者のための科学哲学
形式・仕様:
紙版 電子版

生物学の現場に、最前線の科学哲学を! よりよい科学の実践にとって、哲学は贅沢品でなく必需品なのだ。

著者 コスタス・カンプラーキス
トビアス・ウレル
鈴木 大地
森元 良太
三中 信宏
大久保 祐作
吉田 善哉
ジャンル 哲学・思想・倫理
出版年月 2023年2月
ISBN 978-4-326-10319-5
判型・ページ数 A5・376ページ
定価 4,950円(税込)
在庫 在庫あり

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科学哲学は生物学者にとって役に立つのか?答えはイエスだ。生物学からも刺激を受け、クーンやポパー以降飛躍的に発展してきた科学哲学はいま、生物学者にもっと役立てられるのを待っている。さらに本書は「生物学者のための」と銘打ちつつも、物理学者や心理学者も目を向けるべき科学哲学の主なトピックを展開。最新の実践的入門書!
【原著】Kostas Kampourakis and Tobias Uller, Philosophy of Science for Biologists(Cambridge University Press, 2020)

◎けいそうビブリオフィルで本書の一部内容を公開しています。
あとがきたちよみ『生物学者のための科学哲学』
はじめに[コスタス・カンプラーキス、トビアス・ウレル(鈴木大地 訳)]

第1章 なぜ生物学者は科学哲学に目を向けるべきなのか?[トビアス・ウレル、コスタス・カンプラーキス(鈴木大地 訳)]
 1.1 導入
 1.2 科学と科学哲学
 1.3 戯画化されたクーンとポパー
 1.4 科学の目的
 1.5 科学の方法
 1.6 科学的概念
 1.7 結語

第2章 生物学における説明は何から構成されているのか?[アンジェラ・ポトチュニック(大久保祐作 訳)]
 2.1 導入
 2.2 原因、パターン、因果パターン
 2.3 メカニズムから広範囲におよぶ原因へ
 2.4 対立しないさまざまな説明
 2.5 結論

第3章 生物学的知識とは何か?[ケヴィン・マケイン(大久保祐作 訳)]
 3.1 生物学的知識を含む属
 3.2 種々の命題的な生物学的知識
 3.3 理論的知識と、最善の説明への推論
 3.4 生物学的知識に関する誤解
 3.5 結論

第4章 生物学における理論とモデルとは何か?[エミリー・C・パーク、アーニャ・プルティンスキー(大久保祐作 訳)]
 4.1 導入
 4.2 科学理論と科学的モデル
 4.3 レンスキーによる長期の進化実験
 4.4 実験とモデルの違いは何か
 4.5 結論

第5章 生物学の概念はどのように使用され、どのように変容するのか?[インゴ・ブリガント(森元良太 訳)]
 5.1 導入
 5.2 研究アジェンダを設定する──概念の前向きな機能
 5.3 概念の変化と変容
 5.4 多元主義と概念の多様性
 5.5 結語

第6章 なぜ多くの生物学の概念がメタファーであることが問題になるのか?[コスタス・カンプラーキス(森元良太 訳)]
 6.1 生物学の概念にまつわるメタファーとは何か
 6.2 メタファーの相互作用説
 6.3 「生物は機械である」というメタファー
 6.4 「自然選択」というメタファー
 6.5 結論

第7章 概念はいかにして科学を前進させるのか?──進化生物学を例として[ディヴィッド・J・デピュー(三中信宏 訳)]
 7.1 導入
 7.2 科学理論におけるメタファーの役割──ダーウィンの漸進主義的な自然選択概念を例として
 7.3 科学的問題解決としての概念の明瞭化──ネオダーウィニズムを例として
7.4 対立する概念的枠組みと科学論争──遺伝学的ダーウィニズム、分子革命、そして概念が担うもうひとつの大事な役割
7.5 結論──新たな科学教育学に向けて

第8章 概念分析は科学の実践にとっていかなる貢献があるのか?──文化進化学を例として[ティム・レーウェンス(三中信宏 訳)]
 8.1 概念分析
 8.2 文化進化──その基盤
 8.3 背景──文化進化論の目標
 8.4 遺伝子と文化
 8.5 個体学習と社会的学習
 8.6 生態的遺伝と文化蓄積
 8.7 結論

第9章 生命科学者はどのような方法を用いるのか?──略史と哲学的含意[エリク・L・ピーターソン(吉田善哉 訳)]
 9.1 導入
 9.2 アミロイドβの事例
 9.3 ただひとつの科学の方法か、人それぞれのさまざまな方法か
 9.4 生命科学の方法を求めて
 9.5 生命科学ははじめベーコン主義的だった
 9.6 ベーコン主義的方法の改定(1)──「介入」と機械のアナロジー
 9.7 ベーコン主義的方法の改定(2)──ガラス器のなかの死せる生物
 9.8 理論的対象の研究には異なる方法が求められる
 9.9 ダーウィンは何をしたのか
 9.10 生物学の新しい理論的対象と新たな仮説演繹法
 9.11 方法の分類
 9.12 結論──アミロイドβの事例、再訪

第10章 地球上の生命の歴史を科学的に復元することは可能なのか?──生物科学と太古の歴史[キャロル・E・クレランド(三中信宏 訳)]
 10.1 導入
 10.2 実験科学と科学的方法
 10.3 歴史科学、実験科学、そして過大決定の非対称性
 10.4 白亜紀末期の大量絶滅
 10.5 最終普遍共通祖先と生命の系統樹
 10.6 リボザイムの発見
 10.7 結論

第11章 生物分類の基盤は何か?──自然の体系の探索[トーマス・A・C・レイドン(三中信宏 訳)]
 11.1 多様性の議論には多様性の分類が前提となる
 11.2 自然分類体系と人為分類体系
 11.3 事物の自然の秩序に関するアリストテレスとリンネの思想
 11.4 ダーウィンの対立理論と種の疑問
 11.5 遺伝子の分類と分類の理論依存性
 11.6 生物分類はなぜ難しいのか

第12章 生物科学における科学論争とはいったいどのようなものなのか?[マイケル・R・ディートリック(吉田善哉 訳)]
 12.1 導入
 12.2 論争とその始まり
 12.3 なぜ論争は続くのか
 12.4 論争はどのようにして終わるか
 12.5 相対的重要性に関する論争
 12.6 結論

第13章 生物科学において事実と価値はどのような関係にあるのか?──社会のなかの生物学[キャリー・フリース、バーバラ・プレインサック(吉田善哉 訳)]
 13.1 事実と価値
 13.2 社会のなかの生物科学──歴史的事例
 13.3 社会のなかの生物科学──現代の事例
 13.4 よい科学とは何か?──価値、倫理、知識
 13.5 結論

第14章 創造論の時代の哲学者──生物学の哲学に携わった50年で学んだこと、生物学者に伝えたいこと[マイケル・ルース(鈴木大地・森元良太 訳)]
 14.1 創造論
 14.2 生物学の哲学の創始
 14.3 生物学史
 14.4 アーカンソー州反進化論裁判
 14.5 妥協
 14.6 目的論
 14.7 進歩
 14.8 〈進歩〉と〈摂理〉の対立
 14.9 まとめ
 14.10 結句(アンヴォワ)

第15章 生物学者に科学哲学を教えるにはどうすればよいか?[コスタス・カンプラーキス、トビアス・ウレル(鈴木大地 訳)]
 15.1 導入
 15.2 生物学者に科学哲学を教えるときにしてはならないこと
 15.3 科学哲学を教えるときにしたほうがよいこと
 15.4 結論

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