競争入札は合理的か (紙版)

公共事業をめぐる行政運営の検証

競争入札は合理的か
形式・仕様:
紙版 電子版

価格競争をすればいいわけではない。公共事業では品質も重要なのだ。行政の限界を見極め、入札を制限することの効果を明らかにする。

著者 渡邉 有希乃
ジャンル 政治
出版年月 2022年1月
ISBN 978-4-326-30310-6
判型・ページ数 A5・212ページ
定価 4,620円(税込)
在庫 在庫あり

この本への感想・お問い合わせ

公共事業は税金でまかなわれる。なので価格を抑えるために競争入札が行われるが、日本の公共工事調達では入札での競争が制限されている。本書では、このような競争制限によって、行政が低価格・高品質の工事を得るための情報コストを削減し、行政運営上の合理性を高めているのか、理論と実態の両面から実証していく。

◎けいそうビブリオフィルで一部内容を公開中です。
あとがきたちよみ『競争入札は合理的か』
序章 日本の公共工事調達と「競争」

第1章 日本における公共調達制度改革とその背景
 1 日本の公共調達──現行制度の概要
 2 日本の公共工事調達制度の変遷──制度運用の基礎づけから調達制度改革まで
 3 本書の問い

第2章 先行研究の検討──これまでの研究は何をどう論じてきたのか
 1 土木建築部門のレントシーキングと競争制限
 2 市民の全体利益と調達・入札制度の設計
 3 制度をめぐる二つの意思決定過程と三種類の合理性
 4 本書の視角──競争制限的制度の合理性に迫るために

第3章 公共工事調達を分析する枠組み
 1 意思決定活動としての公共工事調達
 2 意思決定の取引費用
 3 分析枠組み──競争入札の万能性を問い直す

第4章 落札価格に対する上下限基準の設定──競争をめぐる「ダブルスタンダード」はどのように説明されるのか
 1 本章の問い──落札価格の制限はなぜ必要なのか
 2 本章の検討視座──「合理性の限界」への着目
 3 理論的な検討──「満足化」による情報コスト削減
 4 実証的な検討──実務担当者の認識を手がかりに
 5 結論──限定合理的戦略としての一貫性

第5章 参入要件設定による応札数の抑制──顕在的競争性の低さは何を意味しているのか
 1 本章の問い──行政はなぜ応札数を抑制するのか
 2 本章の検討視座──調達の取引費用は「単なる事務コスト」なのか
 3 理論的な検討──「問題の逐次的処理」による情報コスト削減
 4 実証的な検討──再度入札と低入札価格調査に着目して
 5 結論──応札数抑制による低価格・高品質の両立的追求

第6章 地方自治体における最低制限価格制の利用──ローアーリミット制はなぜ二種類あるのか
 1 本章の問い──最低制限価格制は必要か
 2 本章の検討視座──制度に内在する機能への着目
 3 理論的な検討──低価格落札か調査負担の回避か
 4 実証的な検討──自治体ごとの制度運用規定を手がかりに
 5 結論──発注者の情報処理能力に応じた二制度の使い分け

終章 競争制限の「合理性」とは何なのか
 1 実証分析のまとめ
 2 本書の結論──競争の制限と低価格・高品質の両立的追求
 3 示唆──競争制限をめぐる「三種類の合理性」
 4 本書の限界と今後の課題

付録 「公共調達制度の運用・意義・業務量に関する調査」調査票および回答の集計結果
あとがき
参照文献リスト
索引 

関連書籍

ご注文

4,620円(税込)

個人情報の取扱いについて

このサイトでの購入手続きにおける個人情報の取扱いについて下記リンク先にてご案内しております。
『商品購入における個人情報の取扱いについて』

商品をご購入いただく際はこちらに同意をしたうえでお支払方法(クレジットカードまたは代金引換)をお選びください。

ネット書店で購入する

  • 楽天ブックス
  • Amazon
  • 紀伊國屋書店
  • ヨドバシ.com
  • bookfanプレミアム
  • セブンネットショッピング
  • Honya Club.com
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • HMV&BOOKS online
  • TSUTAYA online

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加