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食農倫理学の長い旅 (電子版)

〈食べる〉のどこに倫理はあるのか

食農倫理学の長い旅
形式・仕様:
電子版 紙版

皆が食べ続けることができる食べ方とはどのようなものか。生産の効率性に重きを置く市場原理主義的なフードシステムのあり方を問う。

著者 ポール・B・トンプソン
太田 和彦
ジャンル 哲学・思想・倫理
出版年月 2021年9月
ISBN 978-4-326-99991-0
判型・ページ数 4-6・416ページ
定価 3,520円(税込)
在庫 在庫あり

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生産者や流通業者、消費者それぞれの立場から望ましいフードシステムと食事のあり方とは。トピック間のつながりを明らかにしながら市場原理主義的なフードシステムを問う。30年超に亘りfood studiesをけん引してきた著者の集大成であり、北米社会哲学協会による2015年「今年の1冊」に選出された書を待望の訳出。
謝 辞
日本語版序文

はじめに──倫理学についての概略を添えて
 食農倫理学の旅の始まり
 倫理学とは何か
 哲学者の方法について──権利論、美徳理論、功利主義
 私の方法について──探究と学習サイクル

1 あなたはあなたの食べる物では決まらない
 食べものに対する考察はなぜ長い間なされてこなかったのか
 食農倫理学と社会的公正
 食農倫理学と環境問題
 食農倫理学とリスク
 食農倫理学と文化的アイデンティティ
 食農倫理学と自由主義社会
 自由主義が食農倫理学にもたらす課題
 結 論

2 食農倫理学と社会的不公正
 フードシステムにおける不公正
 哲学的問題としての不公正
 人種、ジェンダー、民族性と不公正
 食料運動
 食料安全保障と食料主権
 結 論

3 食生活の倫理と肥満
 古代と中世の飲食論
 現代の飲食論
 飲食論の新しい展開
 個々の因果関係と個人の道徳的責任
 社会・文化的な因果関係と責任追及
 医学的な因果関係とその道徳的意味
 結 論

4 食農倫理学の根本問題
 道徳的問題としての飢餓
 アマルティア・センの貧困と飢饉
 帰ってきた道徳的問題としての飢餓
 貧しい農業従事者のための食料安全保障
 倫理学的観点からの分析
 なぜ農家が道徳的に重要なのか
 小規模農家のために、あと少し言いたいこと
 結 論

5 家畜福祉と食肉生産の倫理
 動物倫理の復活
 家畜生産の倫理
 動物福祉の三つの領域
 家畜福祉の向上──いくつかの思考実験
 少しでもましな答えは何か?
 制約のある選択の倫理
 結 論

6 フードシステムと環境への影響──地場産の魅惑
 農業の持続可能性
 持続可能な開発とは何か──哲学的な幕間
 資源充足性の倫理
 アグラリアン哲学とは何か──哲学的な幕間
 機能的統合性の倫理
 現代の論争
 結 論

7 緑の革命型の食品技術とその満たされなさ
 ひも解かれた道徳問題
 飢餓の倫理と緑の革命型開発
 農業バイオテクノロジーに対する反論①──予防
 農業バイオテクノロジーに対する反論②──社会的公正
 農業バイオテクノロジーに対する反論③──自然性と「選択」
 農業バイオテクノロジーに対する反論④──徳倫理
 点をつなぐ
 農業バイオテクノロジーに対する反論⑤──美徳の倫理と成功の可能性
 倫理的に肝心なこと
 結 論

8 再考、今度は想いを添えて──倫理、リスク、そして食の未来
 倫理、専門知識、リスク
 新しい食料技術は十分にテストされたか
 食品安全性の倫理
 哲学的論争としてのバイオテクノロジー論議
 二人のトンプソンの相違点──合理性と倫理
 二人のトンプソンの相違点──農業科学の哲学
 結 論

原 注
訳 注
訳者解説
参考文献一覧
人名索引
事項索引

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