フッサールの他者論から倫理学へ (紙版)

フッサールの他者論から倫理学へ
形式・仕様:
紙版 電子版

草稿などの分析を通じて従来周縁的と見られてきた「伝達」概念に着目し、フッサールの他者論の全体像を再構成。倫理学へと架橋する。

著者 鈴木 崇志
ジャンル 哲学・思想・倫理
出版年月 2021年2月
ISBN 978-4-326-10293-8
判型・ページ数 A5・352ページ
定価 6,050円(税込)
在庫 在庫あり

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フッサールの他者論と倫理学には一見断絶があるように見えるが、それは『論理学研究』において、「伝達」が考察の枠外に置かれたことに端を発する。本書では草稿の分析から、『論研』の改版計画を境として「伝達」概念が重視されるようになったことを析出。両者の断絶の原因を探り、他者論をつきつめることでそれを埋める方途を探る。

◎けいそうビブリオフィルで本書の一部内容を公開しています。
あとがきたちよみ『フッサールの他者論から倫理学へ』
はしがき

序 章 間主観性の現象学への新たなアプローチ
 1 間主観性の問題はどう論じられてきたか
 2 「伝達」という概念の重要性
 3 伝達の場面での他者経験から倫理学へ

Ⅰ フッサールの他者論と倫理学の断絶の原因

第一章 『論理学研究』第一版における「独白」概念
 本章の課題
 1 『プロレゴーメナ』における論理学の構想
 2 言語と意味と対象のあいだの鏡映関係
 3 独白的表現への注目──告知機能と非客観化作用の度外視
 4 伝達における告知と非客観化作用
 本章のまとめ

第二章 『論理学研究』の書き換え以前の倫理学の構想
 本章の課題
 1 『論理学研究』第一版における価値判断についての考察
 2 非客観化作用についての立場の変化
 3 形式的価値論と形式的実践論
 本章のまとめ

第三章 『論理学研究』の書き換え以前の他者論の構想
 本章の課題
 1 『論理学研究』第一版における告知の受容についての考察
 2 ブレンターノ学派における「告知」概念
 3 告知の受容と感情移入
 4 超越論的現象学における感情移入論の位置づけ
 本章のまとめ

Ⅱ フッサールの他者論の展開とその到達点

第四章 『論理学研究』の書き換え計画における「伝達」概念
 本章の課題
 1 独白する主観から伝達し合う諸主観へ
 2 新たな記号の分類
 3 表現の受け手の持つ志向
 4 相互理解の諸相
 5 告知の受容としての他者経験
 本章のまとめ

第五章 他者経験の理論の展開
 本章の課題
 1 他者経験の可能性の条件
 2 共存するモナドの他者経験──感情移入
 3 交流するモナドの他者経験──語りかけの受容と思考移入
 本章のまとめ

第六章 他者経験の理論の到達点
 本章の課題
 1 『デカルト的省察』に至るまで
 2 『デカルト的省察』第五省察の読解
 3 「伝達の共同体の現象学」草稿の読解
 4 「応答」と「欺く知覚」
 本章のまとめ

終 章 フッサールの他者論と倫理学を架橋する
 1 何が明らかになったのか
 2 語りかけの受容における当為と実践
 3 語りかけの受容の理論によるフッサールの倫理学の補完
 4 語りかけの受容の理論とレヴィナスの倫理学の比較
 5 社会性への遡行的な問い
 おわりに


あとがき
要約(英文)
参考文献
事項索引
人名索引

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