ホーム > お知らせ > 『信頼を考える』刊行記念フェア 「リヴァイアサンから人工知能まで」

『信頼を考える』刊行記念フェア 「リヴァイアサンから人工知能まで」

2018年8月10日(金)より紀伊國屋書店新宿本店3階の人文書フロアにて『信頼を考える』刊行記念フェア・酒井泰斗プロデュース「リヴァイアサンから人工知能まで ―信頼からはじめる書棚散策」が始まりました。フェア台では総勢15名が選書し解説した約150点の書籍を集めて展開しております。
またフェア台では当フェアのブックガイドを無料で配布しております。4部構成で12章に及ぶ30ページ超のブックガイドは大変読み応えがございます。さらに選書された書籍の中から選者以外の15名がそれぞれ1点づつ選んでコメントをいただいており、フェア台にてPOPで公開しております。

場所:紀伊國屋書店新宿本店 3階人文書フェア台
期間:2018年8月10日(金)~9月中旬
酒井泰斗さん当フェア特設ページ:http://socio-logic.jp/events/201808_trust.php

ブックガイドをはじめ当フェアについてのお問い合わせは勁草書房営業部(TEL:03-3814-6861)までご連絡下さい。


はじめに(ブックガイドより)

信頼は様々に語られます。「ビジネスでは信頼が命綱だ」と言われたり、「専門家に対する信頼を取り戻す必要性」が語られたり、自動車ブランドの「信頼性ランキング」が発表されたりもします。言葉のうえでも──英単語で記せば── trust, trustfulness, trustworthiness, belief, faith, confidence, credit, credibility, reliance, reliability などなど、そもそも一つに まとめられる事柄なのかどうかも あやしいくらいに たくさんの語彙が用意され、使い分けられています。こうした幅の広さと多様性に応じて、信頼にかかわる研究も、産業、医療、教育など様々な領域で、また哲学・倫理学、工学、心理学、経済学、政治学、社会学など様々な学科で展開してきました。論文集『信頼を考える』は、そうした多領域の研究を概観するために、哲学者の呼びかけで集まった複数分野の研究者が、思想史からロボット・人工知能研究にいたる諸分野における研究状況のレビューをおこなったものです。
 このブックフェアは、「信頼」というこの大きな広がりと多様性を持つテーマを書籍遊猟者たちにも利用していただこうという趣旨のもと、諸分野の良書を読書人に紹介することを狙いとして企画したものです。この趣旨に沿って、『信頼を考える』執筆者有志の皆さんに、
・各章で紹介した信頼研究
・そうした研究の背景をなすもの
・狭義の信頼研究ではないが、そうした研究と関わるもの
などを紹介していただきました。
 いつも立ち寄る書棚の中で書籍の広がりを確かめたり、ふだんは立ち寄らない本棚の前で立ち止まってみたり。そんなふうに、書棚をいつもと違った眼で眺めるために このブックリストを利用していただけたら幸いです。(酒井泰斗)


ブックガイド内容

はじめに (酒井泰斗)

第I部 信頼研究の始まり
 01 ホッブズ (稲岡大志)
 02 ヒュームとカント (永守伸年)
 03 エスノメソドロジー (秋谷直矩)

第II部 秩序問題から行動科学へ
 04 ルーマン (酒井泰斗)
 05 政治学 (西山真司)
 06 社会心理学と行動科学 (酒井泰斗・高 史明・西山真司)

第III部 信頼研究の多様化
 07 ビジネス (杉本俊介)
 08 ロボット (笠木雅史)

第IV部 信頼研究の明日
 09 障害者福祉 (永守伸年)
 10 ヘイト・スピーチ (和泉悠・朱喜哲・仲宗根勝仁)
 11 高等教育 (成瀬尚志)
 12 人工物・安心安全 (大澤博隆・小山虎・上出寛子)

※書籍の在庫の有無よりも各テーマでの書籍の関連性を重視するためブックガイドのリストには品切書籍が含まれております。その点ご了承ください。


選者&解説者紹介

酒井泰斗(さかい たいと)
会社員。ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp)。社会科学の前史としての道徳哲学・道徳科学の歴史を関心の中心に置きつつ日々書棚を散策しています。ここ15年ほどは、自分が読みたい本を ひとさまに書いていただく簡単なお仕事などもしています。
共著に『概念分析の社会学2:実践の社会的論理』(2016年、ナカニシヤ出版)など。論文に「〈法と科学〉の比較行政法政策論:シーラ・ジャサノフ『法廷に立つ科学』の射程」(吉良貴之・定松淳・寺田麻佑・佐野亘との共著、『科学・技術・社会』26、2017年)など。

稲岡大志(いなおか ひろゆき)
神戸大学大学院人文学研究科研究員。神戸大学、関西大学など非常勤講師。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門はヨーロッパ初期近代の哲学(主にライプニッツの数理哲学)、数学の哲学、ポピュラーカルチャーの哲学。
著書に『ライプニッツの数理哲学―空間・幾何学・実体をめぐって』(昭和堂、近刊)。訳書に『ライプニッツ著作集 第II期 第3巻 技術・医学・社会システム』(共訳、工作舎、2018年)。論文「ライプニッツ的空間はいかにして構成されるか?――クラーク宛第5書簡104節における「抽象的空間」をめぐって」(『日本カント研究』18、2017年)など。

永守伸年(ながもり のぶとし)
京都市立芸術大学美術学部講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は、カント哲学、現代倫理学。
著書に『モラル・サイコロジー:心と行動から探る倫理学』(共著、2016年、春秋社)。論文に「カントの批判哲学における構想力の研究」(京都大学文学研究科博士学位論文)、「知的障害者の自律と介助者との信頼」(『倫理学研究』46、2016年)。

秋谷直矩(あきや なおのり)
山口大学国際総合科学部講師。埼玉大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は社会学、エスノメソドロジー。
著書に『ワークプレイス・スタディーズ:働くことのエスノメソドロジー』(共編著、2017年、ハーベスト社)など。論文に「人びとの実践における『行為の理解可能性の公的な基準』の探求」(『看護研究』50(4)、2017年)「社会的行為としての歩行:歩行訓練における環境構造化実践のエスノメソドロジー研究」(『認知科学』21(2)、2014年)など。

西山真司(にしやま しんじ)
名古屋大学男女共同参画センター研究員。名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。博士(法学)。専門は、政治学、政治理論、エスノメソドロジー、ジェンダー論。
著書に『政治理論とは何か』(共著、2014年、風行社)、『Qからはじめる法学入門』(共著、2017年、みらい)。論文に「巨人の肩の上に」(『法政論集』269号、2017年)「政治学におけるエスノメソドロジーの寄与」(『法政論集』268号、2016年)、「政治文化論の問題構成と理論的基礎の再検討(一)~(三)」(『法政論集』236~8号、2010~2011年)など。

高 史明(たか ふみあき)
神奈川大学 非常勤講師。東京大学大学院情報学環 特任講師。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(心理学)。専門は、社会心理学。
著書に『レイシズムを解剖する:在日コリアンへの偏見とインターネット』(2015年、勁草書房)。論文に「在日コリアンに対する古典的/現代的レイシズムについての基礎的検討」(雨宮有里との共著、『社会心理学研究』28、2013年)、「Organizational climate with gender equity and burnout among university academics in Japan」(野村恭子らとの共著、Industrial Health 54、2016年)など。

杉本俊介(すぎもと しゅんすけ)
大阪経済大学経営学部講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は、現代倫理学、ビジネス倫理学。
著書(分担執筆)に『ビジネス倫理学読本』(第6章担当、2012年、晃洋書房)。論文に"Philippa Foot's Theory of Practical Rationality without Natural Goodness"(CHUL HAK SA SANG - Journal of Philosophical Ideas, CCPEA2016 Special Issue, 2017)、「内部告発問題に対する徳倫理学的アプローチ―ハーストハウスによる道徳的ジレンマの分析を応用する―」(『日本経営倫理学会誌』24、2017年)など。

笠木雅史(かさき まさし)
名古屋大学教養教育院特任准教授。University of Calgary哲学科博士課程修了。PhD (Philosophy)。専門は、分析哲学、実験哲学。
編書にCognitive Neuroscience Robotics A: Synthetic Approaches to Human Understanding(共編、2016年、Springer)。Cognitive Neuroscience Robotics B:Analytic Approaches to Human Understanding(共編、2016年、Springer)。論文に"Problems of Translation for Cross-Cultural Experimental Philosophy", Special Issue on Experimental Philosophy (ed. by J. Knobe, E. Machery, & S. P. Stich), Journal of Indian Council of Philosophical Research 34 (3): 481-500, 2018 など。

和泉 悠(いず みゆう)
南山大学人文学部人類文化学科准教授。University of Maryland, College Park 哲学科博士課程修了。Ph.D (Philosophy)。専門は言語哲学、意味論。
著書に『名前と対象 固有名と裸名詞の意味論』(2016年、勁草書房)。論文に "Definite descriptions and the alleged east–west variation in judgments about reference," Philosophical Studies 175 (5):1183-1205, May 2018 (with Masashi Kasaki, Yan Zhou, and Sobei Oda) など。

朱 喜哲(ちゅ ひちょる)
会社員。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。専門はネオプラグマティズム、言語哲学。
論文に「奈落の際で踊る哲学―ネオ・プラグマティズム第三世代による「表象」概念回復の試み」, 『メタフュシカ : the journal of philosophy and ethics (47)』, pp. 23-34, 2016-12, 大阪大学大学院文学研究科哲学講座、「ジェノサイドに抗するための、R.ローティ「感情教育」論再考」, 『待兼山論叢 第51号 哲学篇』, pp. 53-68, 2017-12, 大阪大学大学院文学研究科

仲宗根勝仁(なかそね かつひと)
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。専門は言語哲学、意味論。
論文に「意味論的内在主義の擁護に向けて―指示の概念の検討」、『メタフュシカ:the Journal of Philosophy and Ethiccs』、47号、pp. 35-48、2016年12月。「二次元意味論にもとづくチャーマーズのフレーゲ的意味論について」、『哲学の探求』、41号、pp. 137-150、2014年4月。

成瀬尚志(なるせ たかし)
長崎大学大学教育イノベーションセンター准教授。専門は哲学、高等教育。神戸大学大学院文化学研究科単位取得退学。博士(学術)。
著書に『学生を思考にいざなうレポート課題』(編、共著、ひつじ書房、2016年)、『アクティブラーニングとしてのPBLと探求的な学習』(共著、東信堂、2016年)。訳書にシュレーダー=フレチェット『環境リスクと合理的意思決定――市民参加の哲学』(共訳、昭和堂、2007年)、ドナルド・デイヴィドソン『真理・言語・歴史』(共訳、春秋社、2010年)。論文に「クワインはなぜ物理主義を採用したのか」(単著、『モラリア』、2012年)など。

大澤博隆(おおさわ ひろたか)
慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻博士課程修了。博士(工学)。筑波大学人工知能科学センター人工知能基盤研究部門 ヒューマンテクノロジー分野研究員。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能(特に社会的知能)の研究に従事。
共著として「人狼知能:だます・見破る・説得する人工知能」「人とロボットの〈間〉をデザインする」「AIと人類は共存できるか」など。マンガトリガー連載の『アイとアイザワ(作:かっぴー、漫画:うめ)』技術監修。

小山 虎(こやま とら)
山口大学時間学研究所講師。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。専門は分析哲学、形而上学、応用哲学、ロボット哲学。
訳書にデイヴィッド・ルイス『世界の複数性について』(共訳、名古屋大学出版会、2016年)、セオドア・サイダー、アール・コニー『形而上学レッスン』(春秋社、2009年)など。論文に“Ethical Issues for Social Robots and the Trust-based Approach”, Proceedings of the 2016 IEEE International Workshop on Advanced Robotics and Its Social Impacts, 2016 など。

上出寛子(かみでひろこ:12 選書)
名古屋大学未来社会創造機構 特任准教授。博士(人間科学)。
著書に『ロボット工学と仏教』(共著、2018年、佼成出版社)。論文に H. Kamide, and T. Arai, Perceived Comfortableness of Anthropomorphized Robots in U.S. and Japan, International Journal of Social Robotics, 2017. H. Kamide, K. Kawabe, S. Shigemi, and T. Arai, Anshin as a concept of subjective well-being between humans and robots in Japan, Advanced Robotics, 29(24), pp.1-13, 2015.


推薦文寄稿者と推薦書籍 フェア台にてPOPを掲載しております

戸田山和久(哲学) 小山 虎編著『信頼を考える』(勁草書房)
上野 修(哲学) スピノザ『神学・政治論』(光文社)
伊勢俊彦(哲学) デイヴィッド・ヒューム『人間本性論 第3巻:道徳について』(法政大学出版局)
西阪 仰(エスノメソドロジー) 上野直樹・西阪 仰『インタラクション』(大修館書店)
高尾義明(経営学) ハーバート・A・サイモン『経営行動』(ダイヤモンド社)
数土直紀(社会学) 数土直紀『信頼にいたらない世界』(勁草書房)
松尾 匡(経済学) 山岸俊男『信頼の構造』(東京大学出版会)
北田暁大(社会学) カート・ダンジガー『心を名づけること』(勁草書房)
奥田太郎(倫理学) 中谷常二編『ビジネス倫理学読本』(晃洋書房)
浅田 稔(ロボット学) 苧阪直行編『ロボットと共生する社会脳』(新曜社)
隠岐さや香(科学史) ダナ・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』(青土社)
大野更紗(医療社会学) 安積純子・岡原正幸・尾中文哉・立岩真也『生の技法 第3版』(生活書院)
明戸隆浩(社会学) ジェレミー・ウォルドロン『ヘイト・スピーチという危害』(みすず書房)
崎山直樹(アイルランド近代史) メルリン・ワイマー『学習者中心の教育』(勁草書房)
青山拓央(哲学)推薦 山口大学時間学研究所監修『防災と時間』(恒星社厚生閣)



フェアの様子






皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

このページのトップへ