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社会のブックガイド ルーマンからはじめる書棚散策

春に紀伊國屋書店新宿本店で好評だった<社会のブックガイド ルーマンからはじめる書棚散策>が
この夏大阪と福岡に帰ってきました!

紀伊國屋書店福岡本店と紀伊國屋書店グランフロント大阪店にて
プロデューサーの酒井泰斗さんがブックガイドの中から20点~30点を厳選しました。
店頭ではもちろんブックガイドを無料で配布しております。

開催店および開催期間
紀伊國屋書店福岡本店 2015年7月15日(水)~9月上旬(終了しました)
紀伊國屋書店グランフロント大阪店 2015年7月16日(木)~2015年9月30日(水)(終了しました)

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

紀伊國屋書店福岡本店
社会のブックガイド 紀伊國屋書店福岡本店

紀伊國屋書店グランフロント大阪店
社会のブックガイド 紀伊國屋書店グランフロント大阪店


【酒井泰斗さんによるフェア趣旨文】

 社会学者ニクラス・ルーマンは「我々はどんな特徴を持つ社会に暮らしているのか」という問いを30年以上にわたって追求し続けました。これまでの社会理論の多くが、何らかの基本的で重要な契機──たとえば聖なるもの、法、契約、所有、生産、交換、権力、性などなど──から出発するものであったのに対して、ルーマンは〈互いに還元できない固有の形式をもった無数の局所的秩序の集積からなる社会〉というヴィジョンを提出しました。
 ルーマンの研究プロジェクトは最終的に『社会の理論』と『社会構造とゼマンティク』という二つの著作シリーズに結実しましたが、そこには現代社会の主要な機能領域──経済、科学、法、芸術、政治、宗教、教育──に関するモノグラフが含まれています。 『社会の理論』シリーズの第三部にあたるこれらの著作は、一冊だけを取り出して独立に読んでしまうと、「当該領域ではよく知られている事柄をすこし変わった仕方で再配置しただけのもの」のように見えるかもしれません。実際のところ そう述べてもそれほど間違いではないのですが、しかし、ここで行われているのが、

 •当該領域に関する定番の基本文献を系統だった仕方でたどり直すことにより「諸領域の間の似ていないもの同士の構造的な比較」を可能にし、
 •それによって拡大された視野のもとで当該領域の特徴を描く
という作業であることは、シリーズを通覧してみないと気づかないかもしれません。

 このブックフェアは、こうした寄食的な性格を持つルーマンの著作を、ジャンルに拘らずに日々面白い書籍を探索している書籍遊猟者たちにも利用していただくために企画したものです。ここには主として、

 •ルーマンが参照している特定領域の専門家にとっては定番だが一般にはそれほど知られていないかもしれない良書と
 •ルーマンが参照してもよかったはずの定番の良書

を集めました。その多くは各領域における現代の古典と呼べるものです。言い方を変えるとこれらには、分野を超えて広く読者を獲得するほどのポピュラリティはないかもしれません。そしてまたここで取り上げた領域に満遍なく通暁した読書人も そうはいないでしょう。ですから、これら諸領域に見通しを与えてくれるルーマンの著作をガイドに領域間を行き来してみることは、楽しい探書散策となるに違いありません。
 リストのどこかから出発してある書棚へと出かけ、ルーマンの著作に戻り、また他の書棚へと出かける。 ──そんな風に、書棚を「似ていないものの比較」の相において観るために このリストを利用していただけたら幸いです。


【選者プロフィール】(パンフレット掲載順)

酒井泰斗(さかい たいと)
会社員。ルーマン・フォーラム管理人(http://socio-logic.jp)。社会科学の前史としての道徳哲学・道徳科学の歴史を関心の中心に置きつつ、このブックガイドの趣旨通りにエスノメソドロジーを利用しながら日々書棚を散策しています。ここ10年ほどは、自分が読みたい社会学書を ひとさまに書いていただく簡単なお仕事などもしています。共著に『ワードマップ エスノメソドロジー』(2007年、新曜社)、『概念分析の社会学』(2009年、ナカニシヤ出版)。論文に「社会システムの経験的記述とはいかなることか──意味秩序としての相互行為を例に」(2007年、小宮友根との共著)。

関谷 翔(せきや しょう)
東邦大学理学部非常勤講師。(独)科学技術振興機構科学コミュニケーションセンター・アソシエイトフェロー。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学中。専門は科学技術社会論。特に、リスク論や行政に対する科学的助言に関心があります。論文: 「認知科学・脳神経科学がリスク論に与えるインパクト――個人的選択から社会的論争への変換」『脳科学時代の倫理と社会』189–213、2010年。 

毛利康俊(もうり やすとし)
西南学院大学法学部教授。京都大学法学研究科博士後期課程単位取得退学。今まではルーマンの理論を使って法概念論を膨らませるという仕事をしてきました。最近は法的思考論へ研究の重点を移しつつあります。著書 『社会の音響学:ルーマン派システム論から法現象を見る』(単著、勁草書房、2014年) 論文:「法的コミュニケーション ― ルーマン派システム論から見た現代分析法理学」(平野仁彦・亀本洋・川濱昇編『現代法の変容』有斐閣2013年所収)など。

北田暁大(きただ あきひろ)
東京大学情報学環准教授。東京大学人文社会系研究科博士課程退学。博士(社会情報学)。ルーマンには近寄りすぎず遠ざけすぎず、という距離を心がけてきましたが、何の研究をしても結局ルーマンの思考にどこか頼っています。現在はアメリカ社会学の歴史を調べています。アートにも少しだけ関心が…。著書に『広告の誕生』『責任と正義』『嗤う日本のナショナリズム』など。

小山 裕(こやま ゆたか)
東京大学文学部助教。2012年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。社会理論と歴史社会学。近年はルーマンの社会理論を比較歴史社会学へと展開させていくという課題に取り組んでいる。論文: 「ニクラス・ルーマンの政治思想」『思想』1089-1091、2014年

坂井晃介(さかい こうすけ)
東京大学総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程。専門は社会理論、福祉国家論です。現在はルーマンのゼマンティク分析を19世紀ドイツにおける社会国家の成立問題に応用し、近代化の理論として再構成することに関心があります。論文:「福祉国家の意味論分析に向けて――N.ルーマンの理論構成を手がかりに――」『年報社会学論集』(27), 73-84, 2014

山田哲也(やまだ てつや)
一橋大学大学院社会学研究科准教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は教育社会学です。最近は、教育システムからの排除に関する諸問題と、教育改革が学校現場に与える影響に関心があります。著書: 『ペダゴジーの社会学』(久冨善之ほかとの共編著)、学文社、2013年 論文: 「不登校現象は学校に何を問いかけているのか」(教育科学研究会編『学力と学校を問い直す』かもがわ出版、2014年所収)など。

高橋 徹(たかはし とおる)
中央大学法学部教授、2001年東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門領域は、社会学・コミュニケーション論。現代社会に対する大局的な視座を提供してくれる社会理論の可能性に関心を持ち続けております。特に現在は、現代のメディア環境において「政治的危機」を構築する観察図式の分析に関心を持っております。著書: 『意味の歴史社会学―ルーマンの近代ゼマンティク論』(2002年)、『滲透するルーマン理論―機能分化論からの展望』(共著、2013年)など。訳書: N.ルーマン『社会の社会1・2』(共訳、2009年)、N.ルーマン『社会構造とゼマンティク3』(共訳,2013年)など


以下は終了しました紀伊國屋書店新宿本店のフェアの告知です。

3月20日(金)より紀伊國屋書店「じんぶんや」の企画として新宿本店にて酒井泰斗さんプロデュースのフェア
「社会のブックガイド ルーマンからはじめる書棚散策」(企画協力:朝日カルチャーセンター新宿 勁草書房)がはじまります。

フェアでは酒井泰斗さんほか、関谷翔さん、毛利康俊さん、北田暁大さん、
小山裕さん、坂井晃介さん、山田哲也さん、高橋徹さんの合計8人で約150点を選書しました。
フェア台ではそれぞれの選者のコメントを掲載した20頁を超えるパンフレットを無料で配布いたします。

また、当フェアにあわせて4月6日(月)にイベント
北田暁大×酒井泰斗「マイナー社会学の愉しみ方 ルーマン、エスノメソドロジー、『概念分析の社会学』」を
同じく紀伊國屋書店新宿本店にて開催いたします。詳細はこちら
さらに、4月20日(月)より朝日カルチャーセンター新宿にて
酒井泰斗さんの講義で「ニクラス・ルーマン解読Ⅰ」を開講いたします。詳細はこちら
どちらも是非ご参加ください。

【フェア概要】
開催店:紀伊國屋書店新宿本店 3階人文書フェア台
開催期間:2015年3月20日(金)~2015年5月6日(水)
当フェアは終了しました。たくさんのご来店ありがとうございました。

酒井泰斗さんの特設ページはこちら
紀伊國屋書店の特設ページはこちら

紀伊國屋書店新宿本店フェアの様子フェア「社会のブックガイド」紀伊國屋書店新宿本店

フェア「社会のブックガイド」紀伊國屋書店新宿本店

フェア「社会のブックガイド」 ルーマン『社会の道徳』 紀伊國屋書店新宿本店

みなさまのご来店をお待ちしております。

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