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会社情報(沿革)

(設立から自立まで)

 敗戦を境とする激動と混乱がいくらか落着きを取り戻した1948412日、勁草書房は金沢に本社を置く百貨店、株式会社大和の出版部として東京・銀座7丁目に誕生しました。メインストリートにはまだ闇市が露天をひろげ、進駐軍兵士が闊歩していた占領下の頃のことです。多くの人々が価値観をどこに置くべきか戸惑いを感じている時代であり、読書によりその価値観を確立しようとする欲求にはすさまじいものがありました。この欲求に応え、ともに〈真理と自由のために〉(PRO VERITATE ET LIBERTATE突き進もうとする青年の情熱が創業者を出版へと駆り立てました。そして創業から22年後の1970年には、株式会社勁草書房として自立いたしました。

 「勁草」とは「勁(つよい)草」のことであり、中国の古典『後漢書・王覇伝』の「疾風知勁草」(疾風に勁草を知る)に由来しています。常に時流に流されることなく、信念を持って“良書の出版・普及に”との願いを込め、学習院院長であった安倍能成先生がご命名くださったものです。

 

(出版活動)

 1949年、画期的なものとして学問、特に法律学を象牙の塔から解放しようと、「法学普及講座」を刊行いたしました。そのうち我妻栄『民法』、尾高朝雄『法学入門』、宮沢俊義『憲法入門』は当時「勁草文庫」として高い評価を得ました。

 57年には『やさしい経済学』、『近代経済学教室』、68年には専門書としては空前のベストセラーとなった羽仁五郎『都市の論理』、さらに83年には、ニューアカデミズムを代表する気鋭の浅田彰『構造と力』が今日の知的フロンティアを確立する試みとして青年層を魅了しました。

 この20年余りは、毎年100点強の新刊を刊行しています。専門書出版を大きな軸に、常に第一級の成果を提示することを心がけてまいりました。

 社会科学・人文科学系を両輪としつつ、社会科学系の法律学の分野においては、『講座・憲法学の基礎』全6巻、『事例式演習教室』シリーズなど、法学の基礎を築くシリーズを手がけております。

 経済学では『サミュエルソン経済学体系』全10巻をはじめとする基本書のほか、政策分析・環境問題などの応用・実証経済学から、アジア経済・発展途上国問題まで幅広く充実した陣容を誇っております。2000年3月からは、『東アジア長期経済統計』全15巻の刊行がはじまり、さらに一層の進展を期しているところです。

 人文科学系のうち哲学思想の分野では、従来紹介されることの少なかった現代英米哲学の古典を『双書プロブレーマタ』、『フレーゲ著作集』全6巻などとして系統的に翻訳し、日本の哲学の枠組みを作り変える一助となったと自負しております。 

 『女という快楽』、『フェミニズムの主張』シリーズなど女性学・フェミニズム関係書は、斬新な問題提起によって議論をリードし、活性化する役割を果たしてきました。

 美学・芸術学関係では、『芸術学フォーラム』全8巻を中心として、日本と世界の動きを紹介する数多くの話題書を揃えております。

 さらに、この分野を時代に先駆けて開拓した、と定評のある東南アジア関係書は、政治・社会・歴史から地誌を含めて、さまざまな視覚からのアプローチによる研究の宝庫といってよいでしょう。

 90年代に入ってからは、映画・音楽・スポーツなどの一般普及書も厚みをまし、『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』、『クイア・ジャパン』のシリーズは新しい旋風を巻き起こす力となりました。

 また、『書物としての新約聖書』、『私的所有論』などは本格的な学術専門書で、かつ高価で大部なものであったにもかかわらず、ユニークなベストセラーとして大きな注目を集めました。

 

  今日、インターネット等の普及によりグローバル化、ボーダレス化が急速に広がり、身のまわりにはさまざまな情報があふれています。その結果、創業当時とは別の意味で人々には個々の事象に関し、何が真理であるかを真剣に考え、正しい選択をする必要性が求められています。小社は今後とも〈真理と自由のために〉をモットーに、常に新しい感覚で正しい理論を追求する姿勢を持ち、人文科学・社会科学等の総合専門出版社として、良書の刊行を行っていきたいと考えております。 

 
 さらに詳細な沿革については、「勁草書房60年のあゆみ」(PDF)をご覧下さい。

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