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子どもの発達と脳科学

カリキュラム開発のために

子どもの発達と脳科学

近年の脳科学における知見は、教育場面で活かすことができるのだろうか。脳科学・教育学・心理学との連関の中で、多角的に検討する。

著者、編者、訳者など 安彦忠彦 編著
ジャンル 教育・心理
ISBN 978-4-326-25075-2
出版年月 2012年8月
判型・ページ数 A5判・224ページ
定価 本体3,100円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

発達障害をもつ子どもの教育に対する脳科学上の知見が有効であることは、以前から認められてきた。本書では、特別支援教育と普通教育それぞれにおけるカリキュラムのあり方と作り方について、脳科学・心理学と関連づけつつ分析する。これまでの脳科学の成果が、具体的にどのような形で「教育」と結び付けられるのかを検討していく。

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目次

はしがき

Ⅰ 私の研究史──脳科学研究に辿り着くまで

第1章 脳科学とカリキュラム開発の関係前史[安彦忠彦]
 1.「教育学」を実証的な学問へ
 2.大脳生理学の登場
 3.心理学への期待と不信──ピアジェ心理学者のブレ,心理学の過大な一般化・単純化

第2章 脳科学との出会いと私の研究史[中垣啓]
 1.人間性論と大脳生理学への関心
 2.ピアジェ発達心理学との出会い

第3章 高次脳機能研究への道[坂爪一幸]
 1.「心」の捉え方の変遷
 2.「行動」の基盤への関心
 3.成熟後の「心」の障害とリハビリテーション
 4.成熟前の「心」の障害と療育
 5.神経心理学,発達神経心理学,そして教育神経心理学

Ⅱ 脳科学研究の現在とカリキュラム開発

第4章 認知発達と第二の誕生[中垣啓]
 1.脳(大脳皮質)の構造的発達
 2.認知発達と様相分化
 3.「10歳の壁」と第二の誕生

第5章 特別支援教育における障害の究明とカリキュラム開発[坂爪一幸]
 1.脳科学とカリキュラム開発の関係前史
 2.障害心理学と脳科学の関係づけの可能性──困難さと有望さ
 3.高次脳機能と発達障害
 4.発達の「壁」と高次脳機能
 5.発達障害のアセスメント
 6.特別支援教育に必要なアセスメント
 7.特別支援教育に必要なカリキュラム開発

第6章 普通教育のカリキュラム開発と脳科学[安彦忠彦]
 1.脳科学への接近──早稲田大学脳科学研究グループ・脳科学者へのインタヴュー
 2.脳科学と教育との関係づけ
 3.心理学説の階層的分類の試み
 4.成長・発達に関する脳科学的知見──発達と発達段階
 5.6─3制学校体系の再検討と小中一貫カリキュラムの構築へ

Ⅲ 脳科学研究への期待と課題

第7章 カリキュラム開発のための今後の研究課題[安彦忠彦]
 1.「成長・発達」の時間軸を追った研究
 2.意図的・組織的・計画的な「働きかけ」との対応を前提にした研究
 3.大脳とそれ以外の小脳等との関連を解明する研究
 4.ロボット工学等の研究との結合に関わる研究──倫理綱領の重要性
 5.脳科学と医学・生理学・心理学等と教育学との結合のあり方についての研究

第8章 特別支援教育における今後の研究課題[坂爪一幸]
 1.神経心理学的な視点の導入と活用
 2.アセスメントの理解と活用
 3.「5W1H」を明確にした教育
 4.「教育行程」の明示と開示,そして協働
 5.「根拠に基づく教育」の実践

第9章 脳科学への期待と認知発達研究[中垣啓]
 1.脳科学的説明が待たれる認知発達上の諸概念
 2.脳科学における発達的研究の必要性
 3.脳と認知の共発達理論の探究に向けて

あとがき
人名索引
事項索引



執筆者紹介

安彦忠彦(あびこ ただひこ) 編著者 第1章,第6章,第7章
1942年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。博士(教育学 名古屋大学)
現在 名古屋大学名誉教授,神奈川大学特別招聘教授
主著『最新教育原理』(編著,勁草書房,2010),『「教育」の常識・非常識──公教育と私教育をめぐって』(学文社,2010),『改訂版 教育課程編成論──学校は何を学ぶところか』(放送大学教育振興会,2006),『新版カリキュラム研究入門』(編著,勁草書房,1999)

中垣 啓(なかがき あきら) 第2章,第4章,第9章
1946年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学 早稲田大学)
現在 早稲田大学教育・総合科学学術院教授
主著『命題的推論の理論──論理的推論の一般理論に向けて』(早稲田大学出版部,2010),『ピアジェに学ぶ認知発達の科学』(Piaget's Theoryの訳・解説)(北大路書房,2007)

坂爪一幸(さかつめ かずゆき) 第3章,第5章,第8章
1957年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(医学 浜松医科大学)
現在 早稲田大学教育・総合科学学術院教授
主著『特別支援教育に力を発揮する神経心理学入門──子どもたちにエビデンスに基づいた教育を!』(学研教育出版,2011),『特別支援教育に活かせる発達障害のアセスメントとケーススタディ──発達神経心理学的な理解と対応:言語機能編』(編著,学文社,2008),『高次脳機能の障害心理学──神経心理学的症状とリハビリテーション・アプローチ』(学文社,2007),『高次脳機能障害のリハビリテーション──社会復帰支援ケーススタディ』(共編著,真興交易(株)医書出版部,2006)

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