ナショナリズムの力
多文化共生世界の構想
「多文化共生」というと、国境を取り払ったような世界をイメージするかもしれない。しかし、それは本当に望ましいものだろうか。本書は、近年注目されているリベラル・ナショナリズム論にもとづいて、リベラル・デモクラシーはナショナリティに支えられていることを論じ、「棲み分け型」の新たな多文化共生世界を構想するものである。
まえがき
序章 共生の政治理論としてのリベラリズム――ナショナルなものをめぐる解釈の変容
第1章 いまひとつの多文化共生世界の構想――リベラリズムの新たな解釈
1 はじめに
2 従来のリベラリズム解釈――啓蒙思想やコスモポリタニズムとのかかわり
3 リベラリズムと文化の新たな理解――いまひとつの啓蒙思想の潮流を踏まえて
4 おわりに――「雑居型」から「棲み分け型」へ
第2章 リベラル・ナショナリズム論の理論的布置――「コスモポリタン‐コミュニタリアン論争」を越えて
1 はじめに
2 「コスモポリタンコミュニタリアン論争」
3 コミュニタリアンはアンチ・コスモポリタンか
4 おわりに――「コスモポリタンコミュニタリアン論争」の行方
第3章 民主主義の境界をめぐって――対話的コスモポリタニズムの批判的検討
1 はじめに
2 「普遍的コミュニケーション共同体」の構想
3 「普遍的コミュニケーション共同体」は可能か――対話や熟議における排除の問題
4 おわりに
第4章 社会的連帯の源泉をめぐって――制度の共有か、アイデンティティの共有か
1 はじめに
2 社会国家/福祉国家の揺らぎ
3 ナショナリティ以外の社会的連帯――熟議による統合
4 熟議による統合の問題点
5 社会的連帯の源泉としてのナショナリティ
6 おわりに
第5章 移民の受けいれの是非をめぐって――リベラルな社会における統合と排除
1 はじめに
2 従来のリベラリズムにおける移民
3 リベラル・ナショナリズム論における移民
4 批判的見解への応答
5 おわりに
第6章 ネイションの分離独立をめぐって――「棲み分け」の理論的条件
1 はじめに
2 リベラリズムにおける分離独立――『分離独立』以前
3 アレン・ブキャナンの理論
4 ブキャナンの理論の修正可能性
5 ブキャナンによる批判とその応答
6 おわりに
第7章 「複数ネイション主義構想」の批判的検討――地域機構におけるネイションの文化的自治は可能か
1 はじめに
2 タミールの「複数ネイション主義構想」
3 批判的検討
4 おわりに
終章 「棲み分け型」多文化共生世界の構想
あとがき
本文注
参考文献
事項索引/人名索引
序章 共生の政治理論としてのリベラリズム――ナショナルなものをめぐる解釈の変容
第1章 いまひとつの多文化共生世界の構想――リベラリズムの新たな解釈
1 はじめに
2 従来のリベラリズム解釈――啓蒙思想やコスモポリタニズムとのかかわり
3 リベラリズムと文化の新たな理解――いまひとつの啓蒙思想の潮流を踏まえて
4 おわりに――「雑居型」から「棲み分け型」へ
第2章 リベラル・ナショナリズム論の理論的布置――「コスモポリタン‐コミュニタリアン論争」を越えて
1 はじめに
2 「コスモポリタンコミュニタリアン論争」
3 コミュニタリアンはアンチ・コスモポリタンか
4 おわりに――「コスモポリタンコミュニタリアン論争」の行方
第3章 民主主義の境界をめぐって――対話的コスモポリタニズムの批判的検討
1 はじめに
2 「普遍的コミュニケーション共同体」の構想
3 「普遍的コミュニケーション共同体」は可能か――対話や熟議における排除の問題
4 おわりに
第4章 社会的連帯の源泉をめぐって――制度の共有か、アイデンティティの共有か
1 はじめに
2 社会国家/福祉国家の揺らぎ
3 ナショナリティ以外の社会的連帯――熟議による統合
4 熟議による統合の問題点
5 社会的連帯の源泉としてのナショナリティ
6 おわりに
第5章 移民の受けいれの是非をめぐって――リベラルな社会における統合と排除
1 はじめに
2 従来のリベラリズムにおける移民
3 リベラル・ナショナリズム論における移民
4 批判的見解への応答
5 おわりに
第6章 ネイションの分離独立をめぐって――「棲み分け」の理論的条件
1 はじめに
2 リベラリズムにおける分離独立――『分離独立』以前
3 アレン・ブキャナンの理論
4 ブキャナンの理論の修正可能性
5 ブキャナンによる批判とその応答
6 おわりに
第7章 「複数ネイション主義構想」の批判的検討――地域機構におけるネイションの文化的自治は可能か
1 はじめに
2 タミールの「複数ネイション主義構想」
3 批判的検討
4 おわりに
終章 「棲み分け型」多文化共生世界の構想
あとがき
本文注
参考文献
事項索引/人名索引