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学校選択のパラドックス

フランス学区制と教育の公正

学校選択のパラドックス

フランスの学校選択制は、何が問題点とされているのか。社会学的統計手法による分析を行い、階層や都市社会学の視点から考察する。

著者、編者、訳者など 園山 大祐 編著
ジャンル 教育・心理
ISBN 978-4-326-25073-8
出版年月 2012年2月
判型・ページ数 A5判・256ページ
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

フランスでは以前より、階層間・居住地域間の不平等が存在していたが、近年、学校間格差がさらに拡大した。サルコジ政権は、学区制を廃止し学校移動を自由化して、学校における階層混合を目指す政策を掲げているが、本書はその政策の問題点を指摘する。学校選択制の導入が進む日本でも、フランスの現実は先行事例として注目される。

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目次

はじめに

第1章 戦後教育の「民主化」と「隔離化」[園山大祐]
 はじめに
 1.教育の大衆化と社会階層間格差の維持
 2.教育の隔離とは
 3.家庭の教育戦略にみる進路指導への影響と学業達成の拡大
 4.進路指導と学校の教育効果
 おわりに

第2章 フランスにおける学校選択行動の社会階層的類型――学区制廃止は教育の社会的不平等の解消に貢献するか?[荒井文雄]
 はじめに
 1.上流階層の多面的教育投資戦略
 2.妥協としての学校選択
 3.学区制度と庶民階層

第3章 私学の役割機能変遷にみる世俗化現象――私学選択にみる学歴志向の浸透を視点として[園山大祐]
 はじめに
 1.私立学校と公立学校に違いはあるのか
 2.パネル調査にみるザッピング状況の意味するところ
 3.おわりに

第4章 「選択」の形成――ケースからの思考[小林純子]
 はじめに
 1.一般的傾向
 2.納得型の選択――自明の選択/ブラン氏のケース
 3.経験型の選択――「道徳的考慮」を求めて/ボネ婦人
 4.躊躇型の選択――「卓越性」を求めて/パスカル婦人のケース
 5.欠如型の選択
 おわりに

第5章 他者を選ぶ――判断,戦略と学校のセグレガシオン[アニエス・ヴァンザンタン 小林純子訳]
 はじめに
 1.選択の基準と足かせとしての「自分たちとは違う」他者という認識
 2.選択の形成と,判断の手段,行動に資するものとしての「自分たちのような」他者の重要性

第6章 就学実践の社会空間的決定因――パリの中学校に適用される統計的モデル化の試み[ジャン=クリストフ・フランソワ/フランク・プポー 京免徹雄・小林純子訳]
 はじめに
 1.理論的仮説と調査対象地域の選定
 2.就学実践の社会空間的モデル化
 3.方法論的手段とデータの構築
 4.学校の近隣状況の競合空間
 5.生徒の移動と就学実践の社会空間的差異に関連する結果の総括
 6.社会的変数と空間的変数

第7章 居住地域の社会的・教育的差異化――不平等と地域状況の研究[マルコ・オベルティ 荒井文雄訳]
 はじめに
 1.方法の選択と研究対象フィールド
 2.教育供給と自治体の社会階層的特徴
 3.自治体の教育的・社会階層的特徴と学校移動
 4.ナンテール市とリュエイユ・マルメゾン市――教育行動の原動力が自治体の階層的特徴と教育供給に密接に結びついていること
 5.社会的・教育的混成に向けていったい何が可能か?

第8章 学区制に関する研究と論争[フランソワーズ・ウヴラール 園山大祐訳]
 はじめに
 1.生徒の学力による中学校の序列化の強調
 2.学力成績優秀者と低学力層の格差は拡大している
 3.最後の文脈:都市問題における隔離の悪化状況
 4.暫定的な結論は?

終章 対談:日仏の学区制度と学校選択[嶺井正也×フランソワーズ・ウヴラール 聞き手/園山大祐 翻訳/小林純子]

おわりに
巻末資料(フランス学校系統図,パリ市周辺地図)
人名索引
事項索引
略語表記

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