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ヒュームの一般的観点

人間に固有の自然と道徳

ヒュームの一般的観点

ヒュームの認識論と道徳論を別々の主張として捉えてきた従来の通例に抗し、ヒュームの主著を一貫した道徳理論として精緻に解釈する。

著者、編者、訳者など 矢嶋直規
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-10214-3
出版年月 2012年2月
判型・ページ数 A5判・416ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

習慣に基づいて個物を他の個物との自然な連関で捉える自然の原理を指すヒュームの「一般的観点」。本書ではこの概念を軸として、『人性論』『人間本性論』として知られるヒュームの主著が、人間の知覚を基礎として、自然と道徳のすべての領域を人間的自然という一貫した原理に基づいて理解しようとするものであることを明らかにする。

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目次

はしがき

序章 「人間に固有の自然」と道徳
 1 「人間本性」と「人間に固有の自然」
 2 英国哲学の背景
 3 自然と道徳
 4 「一般的観点」
 5 第三巻「道徳論」の概要

Ⅰ 人間に固有の自然

第一章 抽象観念と習慣――「一般的観点」の認識論的基礎
 1 ロックの抽象観念論とその解釈
 2 抽象観念と習慣
 3 理性の区別について
 4 抽象観念と一般的観点
 5 結び

第二章 空間・時間論の意義
 1 空間・時間概念の人間科学化
 2 知覚の「仕方」としての空間・時間
 3 空間・時間と一般的観点
 4 真空論批判
 5 公共的秩序の基礎としての空間・時間
 6 結び

第三章 因果論と規範の生成
 1 信念論と自然主義
 2 「信念」の定義
 3 ロックの「力能」概念とヒュームの規範論
 4 「必然的結合」
 5 因果の定義と一般的観点
 6 「ニュー・ヒューム論争」
 7 結び

第四章 「外的物体論」の道徳哲学的意義
 1 知覚と存在
 2 「私たちの知覚」としての物体
 3 外的物体の虚構
 4 観念と対象の二重存在批判
 5 一次性質と二次性質の区別の批判
 6 物体論の道徳哲学的意義
 7 結び

Ⅱ 公共的秩序と道徳

第五章 シンパシーと情念の公共的知覚
 1 誇り・卑下論と所有の成立
 2 情念の公共的知覚
 3 「社会の接着剤」
 4 結び

第六章 一般的観点とスミスの公平な観察者
 1 スミスのシンパシー論
 2 「公平な観察者」と「胸中の半神」
 3 スミスのヒューム批判
 4 一般的観点と公平な観察者
 5 結び

第七章 ホッブズとロックにおける正義の認識論的基礎
 1 本人の観点としてのホッブズの道徳的観点
 2 ロックの正義論と理性的観点
 3 結び

第八章 正義と一般的観点
 1 人為的徳としての正義
 2 正義の先行条件
 3 正義の最初の動機と所有の安定
 4 相互性と一般的観点
 5 権利の成立
 6 所有権を決定する規則
 7 結び

第九章 「道徳の理由」――「狡猾な悪人」をめぐって
 1 「狡猾な悪人」と正義論
 2 「狡猾な悪人」への反論
 3 正義の自然主義的基礎づけ
 4 「狡猾な悪人」とは誰のことか?
 5 結び

第一〇章 契約と政府への忠誠
 1 「原始契約について」
 2 「合意による所有の移転」
 3 正義の法の最終段階としての約束
 4 正義の完成としての政府の起源
 5 政府への忠誠
 6 抵抗権について
 7 結び

結語
あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

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