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台湾の言語と文字

「国語」・「方言」・「文字改革」

台湾の言語と文字

日本語・中国語・台湾語をめぐり、時代の中で変容を遂げた戦後台湾の言語政策と「国語」問題。その実態と方針転換の契機を明らかに。

著者、編者、訳者など 菅野 敦志
ジャンル 政治
ISBN 978-4-326-30206-2
出版年月 2012年2月
判型・ページ数 A5判・356ページ
定価 本体5,700円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

日本語から中国語に置き換えられた「国語」と、重視から排除へと位置づけが変化した「方言」である台湾語。この中国化の流れは、やがて母語教育による本土化へと進展する。日本からの解放、中華民国への「光復」によって始まった戦後台湾の言語・文字政策を、新たに発掘したものを含む豊富な一次史料をもとに、多角的・実証的に検証。

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目次

序章 「脱日本化」・「中国化」・「本土化」と戦後台湾の言語・文字政策
 第一節 研究の目的と問題提起
 第二節 先行研究と本研究の方法・特徴

第一章 「光復」と脱植民地化の現実──国語、方言、そして日本語
 第一節 はじめに
 第二節 中国の国語運動理念の提唱と現実
 第三節 台湾省国語推行委員会の成立と「方言の復元」
 第四節 新聞雑誌の日本語欄をめぐる摩擦
 第五節 日本語欄廃止に対する台湾人の反応
 第六節 日本語欄廃止と「上からの民族主義」
 第七節 おわりに

第二章 過渡期における国語と方言──「台湾語を媒介とした国語教育」をめぐって
 第一節 はじめに
 第二節 学校教育にみる方針転換の所在
 第三節 民衆教育にみる方針転換の所在
 第四節 兵役男性教育にみる方針転換の所在
 第五節 おわりに

第三章 台湾に消えたもう一つの「国語」運動──朱兆祥と「語文乙刊」
 第一節 はじめに
 第二節 朱兆祥と「語文乙刊」──「方言から国語へ」の提唱
 第三節 国語改革の方針──「方言消滅」の否定と方音符号の擁護
 第四節 キリスト教の宣教問題とローマ字使用の制限化
 第五節 「工具」の提唱から漢字の「進化」へ──文字改革問題と挫折
 第六節 「師範生は台湾語を学ぶべきか?」──一九五三年の論争と直接法の拡大
 第七節 おわりに

第四章 台湾における「簡体字論争」──五四精神の再推進と羅家倫
 第一節 はじめに──文字改革問題の再浮上と「簡体字研究委員会」の成立
 第二節 新文化運動の再推進としての文字改革と羅家倫
 第三節 「文字制定程序法」制定要求と羅家倫による反駁
 第四節 民衆と政府からみた簡体字問題
 第五節 論争の高まりへ──立法院とメディアを中心に
 第六節 論争の鎮静化と簡体字禁止令
 第七節 二度目の簡体字論争──何応欽による「簡筆字」
 第八節 簡体字論争の終結──陳立夫による標準行書の制定・公布
 第九節 おわりに

第五章 中華文化復興運動と言語的一元化──マスメディアの方言番組制限
 第一節 はじめに
 第二節 方言番組と文化復興委員会の言語観
 第三節 「加強推行国語辯法」の施行と方言番組の削減
 第四節 方言番組の是非と立法委員による圧力
 第五節 蔡培火による方言擁護──「中華文化復興運動補助言語化」の提唱
 第六節 「広播電視法」の制定へ──「方言番組削減」の規定化
 第七節 おわりに

第六章 台湾人と「方言」──蔡培火の文化・言語観
 第一節 はじめに
 第二節 白話ローマ字から閩南語注音符号へ
 第三節 蔡培火の「閩南語注音符号」と朱兆祥の「方音符号」
 第四節 中華文化復興運動と蔡培火の文化観──言語で隔てられた「二つの社会」
 第五節 「国語」推進と民族団結
 第六節 おわりに

第七章 言語問題の政治化へ──「統一」の教条化と「国語─方言」関係
 第一節 はじめに
 第二節 「広播電視法」制定後の言語状況──シンガポールの華語運動とその影響
 第三節 「国家」と「郷土」──マスメディア・映画にみる「国語─方言」
 第四節 「語文法」草案の誕生と消失にみる国民党の言語観
 第五節 「言語統一」の光と影──言語問題の政治化へ
 第六節 方言番組枠の拡大、台湾語の文字化、言語復権運動の開始
 第七節 おわりに

第八章 「本土化」と「母語」教育──単一言語主義から郷土言語教育へ
 第一節 はじめに
 第二節 「本土化」の進展と母語教育の開始
 第三節 母語教育から郷土言語教育へ
 第四節 教育行政側の意図とメッセージ──郷土言語教育用教科書から
 第五節 郷土言語教育の内実
 第六節 郷土言語教育の課題
 第七節 おわりに

終章 台湾言語政策史像の再構築
 第一節 本研究を通じて得られた新たな知見・成果
 第二節 まとめと今後の課題


主要参考文献
あとがき
人名索引
事項索引

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