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昭和前期の科学思想史

昭和前期の科学思想史

1920年代から1960年代初頭までの物理学史、化学史、人類学史、薬理学史、そしてより哲学に近い一種の生命論等をカバーする。

著者、編者、訳者など 金森 修 編著
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-10210-5
出版年月 2011年10月
判型・ページ数 A5判・432ページ
定価 本体5,400円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

内容説明

本書は、序章で〈科学思想史・史〉の歴史的背景を押さえた上で、各論の本格的な歴史研究に入っていく。読者は、「歴史を語る」、「その歴史の歴史を語る」、という二重の構図の中に知らないうちに身を置いた自分を発見し、それがそのまま、〈歴史的認識〉なるものがもつ複雑な存在位相の一端に触れる経験になっているはずである。

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目次

序章 〈科学思想史〉の来歴と肖像[金森修]
 第一節 〈科学思想史〉の歴史に向けて
 第二節 戦前の動向
 第三節 科学史学の〈自立〉
 第四節 〈科学政治学〉の浸潤と抗争

第一章 原子核・素粒子物理学と競争的科学観の帰趨[岡本拓司]
 第一節 量子力学の受容から湯川秀樹のノーベル賞受賞まで
 第二節 競争的科学観の成立──長岡半太郎の煩悶
 第三節 競争の展開と競争的科学観の消長──土星型原子模型から反相対論まで
 第四節 量子力学の登場
 第五節 中間子論、サイクロトロン、新型兵器
 第六節 敗戦下の原子核・素粒子研究
 第七節 「純粋科学」を支えたもの

第二章 眞島利行と日本の有機化学研究伝統の形成[梶雅範]
 第一節 はじめに──二〇世紀日本化学思想史の可能性
 第二節 日本化学史の流れ
 第三節 眞島利行の化学者への道
 第四節 眞島利行のドイツ留学
 第五節 眞島利行の東北帝国大学着任とウルシオール研究の完成
 第六節 眞島の弟子たちによる日本の有機化学研究における天然物化学の伝統の展開──到達点と限界
 第七節 その後の眞島利行の研究と業績──日記に見るその思想的軌跡
 第八節 おわりに──日本化学思想史の課題

第三章 日本人起源論と皇国史観──科学と神話のあいだ[坂野徹]
 第一節 はじめに──日本人種論とは何か
 第二節 前史──コロボックル論争と人種交替パラダイムの成立
 第三節 人種交替パラダイムの超克
 第四節 人類起源論と日本人種論
 第五節 肇国の日本人種論──皇国史観と日本人起源論
 第六節 結び──日本人種論の「戦後」

第四章 日本漢方医学における自画像の形成と展開──「昭和」漢方と科学の関係[愼蒼健]
 第一節 はじめに──問題の所在
 第二節 「昭和」漢方医学の歴史的基盤
 第三節 「東亜医学」運動の成立と自画像形成
 第四節 新東洋医学における朝鮮の排除
 第五節 おわりに

第五章 生物学と歴史哲学──京都学派における〈生物学の哲学〉[板橋勇仁]
 第一節 はじめに
 第二節 戸坂潤の「生物学論」と「歴史的決定」の論理
 第三節 西田幾多郎の生命論と「歴史的必然」の論理
 第四節 田邊元の「種の論理」と生物学──「生物学主義」批判と「懺悔道としての哲学」
 第五節 おわりに

あとがき
文献
事項索引
人名索引
執筆者紹介

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