フェミニズム正義論

ケアの絆をつむぐために

フェミニズム正義論

人は皆、ケアを必要とする存在である。リベラリズムの普遍主義を問い直し、依存する他者に対し柔軟に応じうる規範理論を構想する。

著者 有賀美和子
ジャンル 社会・女性
出版年月 2011年8月
ISBN 978-4-326-65364-5
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 2,970円(税込)
在庫 在庫あり

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現代フェミニズムが発する「正義論」は、近代の社会秩序における「ケアの私事化」を超えようとするものである。リベラリズムに基づく従来の主流的正義論の普遍主義的諸原則をフェミニズム/ジェンダーの視点から問い直し、依存する具体的な他者のニーズに対応しうるケアの絆をつむぎ出す、新たな「フェミニズム正義論」を提示する。

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はしがき

序章 フェミニズム正義論の意味するもの──ケアワークの再分配を軸として
 1 現代フェミニズムによるリベラリズム批判の意義
 2 現代「正義論」の意味するもの──「権利」をめぐる非介入の原則
 3 主流的正義論の論理構造
 4 リベラリズムの基本テーゼをめぐって
 5 現代フェミニズムの問題構制──ケアの私事化という視点
 6 「ケア」という活動の特殊性をめぐって
 7 リベラルな「ケア権」の構築に向けて 
 8 依存をめぐる関係性のユニット──「親密圈」の再定義

第一章 フェミニズムによる正義論の射程──家族内の正義をめぐって
 1 リベラリズムの公私二元論をめぐって
 2 「近代家族」の問題性──女性の「経済的依存性」を軸として
 3 公私区分の再設定──プライバシー保障の視点から
 4 家族内における正義の検討──性別役割分業の解消に向けて
 5 「多様な善の特殊構想」から導かれるもの
 6 「個人の自律」と性別役割分業の解消をめぐって

第二章 家族内の正義を考える──契約に基づくアプローチを軸として
 1 「正義の基底性」から導かれるもの
 2 家族の再構築に関するアプローチの検討
 3 権利アプローチの妥当性をめぐって
 4 性別役割分業強化のメカニズム
 5 契約アプローチの可能性をめぐって
 6 個人の自律と多様な善の構想

第三章 家族の多元化と親子関係──契約概念導入の可能性
 1 ジェンダー秩序の解体──「近代家族」へのアンチテーゼ
 2 「ジェンダー論」が問い直すもの
 3 ジェンダーの衡平を考える──男女役割の相互乗り入れ
 4 ポスト近代家族のゆくえ──諸個人の多様な善の尊重をめぐって
 5 家族形成の契約化──子育てに関する「信託原理」を媒介に
 6 「家族の共同性」の相対化

第四章 普遍主義的シティズンシップ論批判の展開──ジェンダー論の視点から
 1 シティズンシップ再論の潮流
 2 リベラル・シティズンシップの「普遍性」とその限界
 3 「相互依存的関係」と「異なるニーズ」を含む考察
 4 フェミニスト・シティズンシップ論の構想
 5 公私二分論の境界を超えて

終章 フェミニスト・シティズンシップ論の新展開──市民社会における「ケア権」の構築に向けて
 1 ケアに関する「権利」をめぐって
 2 現代正義論とフェミニズム──ケアをめぐる問題の所在
 3 「依存」と「ケア」の私事化をめぐって
 4 市民権としての「ケア権」の構築
 5 依存にまつわる関係性のユニット──近代家族を超えて
 6 相互に応答しあうシティズンシップ論の可能性
 7 「ケア権」の構築とウェルビーイング──人格的平等の実現に向けて

あとがき
参考文献
索引
初出一覧

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