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『教育思想事典 増補改訂版』刊行記念フェア 「現代を解きほぐす教育思想」
2017.10.01
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2015.07.21
システムとしての教育を探る
自己創出する人間と社会
従来、国民国家とその市民の形成を担ってきた教育システムは、脱皮を迫られている。本書は、システム論と教育学理論・社会理論とを結び、子どもの心理システム、学校システム、教育システムと社会システム、世界システムの中の教育システム等を具体的に解説する。ミクロ・マクロ的視座を得るための、教職を目ざす学生向けテキスト。
まえがき
序章 「教育システム」という森に分け入るにあたって[石戸教嗣]
1 教育システムの成立
2 近代教育の2つの側面
3 教育の自律化と教育学
4 近代教育の隘路
5 教育の方向──「再帰型」教育と「自己準拠型」教育
6 世界市民の形成と学校の公共性
Ⅰ 子ども/大人・教師
1章 教育される存在としての子ども[野平慎二]
1 はじめに
2 「発達する存在」としての子ども観の歴史性
3 近代的な発達概念と教育概念の問題点
4 発達から自己創出へ
5 おわりに──「教育可能性」から「教育の可能性」へ
2章 教育する存在としての教師[紅林伸幸]
1 教師とは誰のことか──教えることは難しい
2 教師と授業コミュニケーション──「総合的な学習の時間」が拒絶された理由
3 学習のために教師が行なう100の仕事──教職のシャドーワーク化を考える
4 格闘する教師文化──子どものための教育は教師がつくる
5 自律的な教師となるために──教師のプロフェッションと組織,そして第三の道
3章 教育関係[児島功和]
1 はじめに
2 教育関係の歴史的・社会的背景
3 伝達としての教育とその問題構成
4 「人間形成」としての教育とコミュニケーション
5 まとめ
Ⅱ 学校システムを構成するもの
4章 教育システムとカリキュラム──「ゆとり教育」へのシステム論的アプローチ[保田卓]
1 はじめに
2 「ゆとり教育」政策の変遷
3 教育システムのコミュニケーション・メディア
4 教育システムにおけるインフレ/デフレ
5 おわりに
5章 授業──どのようにして可能になっているのか[牛田伸一]
1 問いの変換
2 「介入」としての授業
3 「相互浸透」としての授業
4 社会的合意としての授業
5 おわりに
6章 評価・選抜[山田哲也]
1 教育と評価の関係
2 教育のための評価,選抜のための評価
3 指導要録の改訂にみる評価のまなざしの変化
4 評価の変化が意味するもの
5 おわりに
7章 生徒指導と社会化[早坂淳]
1 「教育の失敗」を乗り越えるために
2 「教師が児童生徒をコントロールできる」という迷信
3 生徒指導の分類
4 「複雑性」──子どもの可能性を消すための教育?
5 「コミュニケーション」──共通の理解をもたらす暗号解読機の否定
6 制御不可能で無意図的な「社会化」
7 制御可能で意図的な「教育」
Ⅲ 組織としての学校
8章 行政組織と学校[水本徳明]
1 行政─学校関係の理論とその問題点
2 組織としての学校
3 学校経営制度改革の課題
9章 組織としての学級[木村浩則]
1 学級とは何か
2 学級制度の起源
3 「学級」問題解決の処方箋
4 授業システムとしての学級
5 相互行為システムとしての学級
6 学級集団のシステム論──学級崩壊をめぐって
10章 教員組織[井本佳宏]
1 教育不信の焦点としての教員組織
2 プロフェッションと組織
3 組織構造の階層化によるプロフェッション性の代替
4 組織構造の階層化の副作用
5 おわりに
Ⅳ 社会の中の教育・学校
11章 家庭と学校[木村浩則]
1 文科省における「家庭教育」政策
2 「家庭教育」論に対する批判
3 家族システムとは何か
4 家族システムと教育システム
5 「家庭教育」をどうとらえるか?
12章 地域と学校[小林伸行]
1 学校を通して「地域」を見る時代
2 多様化する個人と地域
3 身近な地域や家庭から遊離する「学校知」
4 “脱学校化”する「学校知」──教育システムの「インフレ」
5 “学校化”する地域・家庭──教育システムの「デフレ」
6 「インフレ/デフレ」を通じて多様な地域に関わる学校
13章 政治システムと教育[鈴木弘輝]
1 「ポスト福祉国家時代」としての現代
2 「新自由主義」的な教育政策と学校現場との関係
3 「平等化」をめぐる政治状況の世界的な変化
4 ルーマンの政治システム論
5 「不安のグローバル化」に対応するための「教育政治」
6 「ルーマンの教育システム論」の可能性
7 ルーマンの教育システム論が明示する「教育政治」のイメージ
14章 〈学校から仕事へ〉の移行と教育システム[児島功和]
1 はじめに
2 近代教育システムと「移行」の成立
3 教育システムと移行問題
4 高度経済成長期以降の移行の特徴
5 教育システムと〈職業教育〉の再定位
6 まとめ
15章 福祉と教育──子どもの幸せをめぐって[石戸教嗣]
1 教育と福祉の関係の変化
2 教育システムと福祉システムの関係の再編
3 子どもに対する教師の関わり方
4 福祉社会における個別のニーズとセーフティネット
5 途上国の子どもたち──グローバル化した世界における福祉
16章 メディアと教育[小林伸行]
1 「メディア化した教師」という透明な存在
2 メディアによる出会い「を」補う時代
3 メディアの発達と社会の近代化
4 メディアの発達と対面状況の現代的位相
5 「マルチ・リアリティ」化への対応を迫られる教育システム
Ⅴ 日本の教育/世界の教育/人類の教育
17章 グローバル化と学校教育──学校の「世界社会」論はどこまで有効か[山名淳]
1 「世界社会」──グローバル化を論じるためのシステム理論的手がかり
2 「世界社会」時代の学校論
3 グローバル化時代の学校をとらえる──システム理論の可能性と課題
18章 世界から見た日本の教育[今井重孝]
1 はじめに
2 日本の教育システムの特徴について
3 ホリスティック教育の観点から,世界と日本を比較する
19章 地球社会と教育[今井重孝]
1 ガイア仮説について
2 ルーマンの「世界社会」論
3 シュタイナーの社会の三分節化論
4 精神の自由・政治の平等・経済の友愛と「自由への教育」
キーワード
人名索引
事項索引
序章 「教育システム」という森に分け入るにあたって[石戸教嗣]
1 教育システムの成立
2 近代教育の2つの側面
3 教育の自律化と教育学
4 近代教育の隘路
5 教育の方向──「再帰型」教育と「自己準拠型」教育
6 世界市民の形成と学校の公共性
Ⅰ 子ども/大人・教師
1章 教育される存在としての子ども[野平慎二]
1 はじめに
2 「発達する存在」としての子ども観の歴史性
3 近代的な発達概念と教育概念の問題点
4 発達から自己創出へ
5 おわりに──「教育可能性」から「教育の可能性」へ
2章 教育する存在としての教師[紅林伸幸]
1 教師とは誰のことか──教えることは難しい
2 教師と授業コミュニケーション──「総合的な学習の時間」が拒絶された理由
3 学習のために教師が行なう100の仕事──教職のシャドーワーク化を考える
4 格闘する教師文化──子どものための教育は教師がつくる
5 自律的な教師となるために──教師のプロフェッションと組織,そして第三の道
3章 教育関係[児島功和]
1 はじめに
2 教育関係の歴史的・社会的背景
3 伝達としての教育とその問題構成
4 「人間形成」としての教育とコミュニケーション
5 まとめ
Ⅱ 学校システムを構成するもの
4章 教育システムとカリキュラム──「ゆとり教育」へのシステム論的アプローチ[保田卓]
1 はじめに
2 「ゆとり教育」政策の変遷
3 教育システムのコミュニケーション・メディア
4 教育システムにおけるインフレ/デフレ
5 おわりに
5章 授業──どのようにして可能になっているのか[牛田伸一]
1 問いの変換
2 「介入」としての授業
3 「相互浸透」としての授業
4 社会的合意としての授業
5 おわりに
6章 評価・選抜[山田哲也]
1 教育と評価の関係
2 教育のための評価,選抜のための評価
3 指導要録の改訂にみる評価のまなざしの変化
4 評価の変化が意味するもの
5 おわりに
7章 生徒指導と社会化[早坂淳]
1 「教育の失敗」を乗り越えるために
2 「教師が児童生徒をコントロールできる」という迷信
3 生徒指導の分類
4 「複雑性」──子どもの可能性を消すための教育?
5 「コミュニケーション」──共通の理解をもたらす暗号解読機の否定
6 制御不可能で無意図的な「社会化」
7 制御可能で意図的な「教育」
Ⅲ 組織としての学校
8章 行政組織と学校[水本徳明]
1 行政─学校関係の理論とその問題点
2 組織としての学校
3 学校経営制度改革の課題
9章 組織としての学級[木村浩則]
1 学級とは何か
2 学級制度の起源
3 「学級」問題解決の処方箋
4 授業システムとしての学級
5 相互行為システムとしての学級
6 学級集団のシステム論──学級崩壊をめぐって
10章 教員組織[井本佳宏]
1 教育不信の焦点としての教員組織
2 プロフェッションと組織
3 組織構造の階層化によるプロフェッション性の代替
4 組織構造の階層化の副作用
5 おわりに
Ⅳ 社会の中の教育・学校
11章 家庭と学校[木村浩則]
1 文科省における「家庭教育」政策
2 「家庭教育」論に対する批判
3 家族システムとは何か
4 家族システムと教育システム
5 「家庭教育」をどうとらえるか?
12章 地域と学校[小林伸行]
1 学校を通して「地域」を見る時代
2 多様化する個人と地域
3 身近な地域や家庭から遊離する「学校知」
4 “脱学校化”する「学校知」──教育システムの「インフレ」
5 “学校化”する地域・家庭──教育システムの「デフレ」
6 「インフレ/デフレ」を通じて多様な地域に関わる学校
13章 政治システムと教育[鈴木弘輝]
1 「ポスト福祉国家時代」としての現代
2 「新自由主義」的な教育政策と学校現場との関係
3 「平等化」をめぐる政治状況の世界的な変化
4 ルーマンの政治システム論
5 「不安のグローバル化」に対応するための「教育政治」
6 「ルーマンの教育システム論」の可能性
7 ルーマンの教育システム論が明示する「教育政治」のイメージ
14章 〈学校から仕事へ〉の移行と教育システム[児島功和]
1 はじめに
2 近代教育システムと「移行」の成立
3 教育システムと移行問題
4 高度経済成長期以降の移行の特徴
5 教育システムと〈職業教育〉の再定位
6 まとめ
15章 福祉と教育──子どもの幸せをめぐって[石戸教嗣]
1 教育と福祉の関係の変化
2 教育システムと福祉システムの関係の再編
3 子どもに対する教師の関わり方
4 福祉社会における個別のニーズとセーフティネット
5 途上国の子どもたち──グローバル化した世界における福祉
16章 メディアと教育[小林伸行]
1 「メディア化した教師」という透明な存在
2 メディアによる出会い「を」補う時代
3 メディアの発達と社会の近代化
4 メディアの発達と対面状況の現代的位相
5 「マルチ・リアリティ」化への対応を迫られる教育システム
Ⅴ 日本の教育/世界の教育/人類の教育
17章 グローバル化と学校教育──学校の「世界社会」論はどこまで有効か[山名淳]
1 「世界社会」──グローバル化を論じるためのシステム理論的手がかり
2 「世界社会」時代の学校論
3 グローバル化時代の学校をとらえる──システム理論の可能性と課題
18章 世界から見た日本の教育[今井重孝]
1 はじめに
2 日本の教育システムの特徴について
3 ホリスティック教育の観点から,世界と日本を比較する
19章 地球社会と教育[今井重孝]
1 ガイア仮説について
2 ルーマンの「世界社会」論
3 シュタイナーの社会の三分節化論
4 精神の自由・政治の平等・経済の友愛と「自由への教育」
キーワード
人名索引
事項索引
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