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公共知識人ダニエル・ベル

新保守主義とアメリカ社会学

公共知識人ダニエル・ベル

1月に逝去した世紀の巨人、ダニエル・ベル。彼の思想的営為を追い、新たなベル像を描出しながら、改めて新保守主義とは何かを問う。

著者、編者、訳者など 清水晋作
ジャンル 政治
ISBN 978-4-326-30197-3
出版年月 2011年3月
判型・ページ数 A5判・336ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

新保守主義の旗手とみなされてきた社会学者ダニエル・ベル。本書では彼を、単一イデオロギーでなく豊穣な思想的立場の公共知識人として捉え直す。新保守主義はなぜアメリカや世界で強い影響力があるのか? リベラルにも新保守にも行き詰まる日本社会が模索すべき理念とは? ベルの理論的視座が混沌とした現代社会に切り込む。

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目次

まえがき

序章 アメリカ新保守主義とダニエル・ベル
 第一節 新保守主義とは何か?
 第二節 ダニエル・ベルは新保守主義者か?
 第三節 ダニエル・ベルとは何者か?
 第四節 「公共社会学者」ダニエル・ベル
 第五節 ニューヨークのユダヤ系知識人と新保守主義
 第六節 本書の構成

第一章 第二次大戦とマルクス主義者ダニエル・ベル
 第一節 ベルの思想的出発点としてのアメリカ社会党とニューヨーク市立大学
 第二節 ニューディール論(1)ビッグビジネスと政府との連合
 第三節 ニューディール論(2)ビッグビジネスによる軍需生産
 第四節 ニューディール論(3)国際カルテル
 第五節 「独占国家」論とアメリカ労働党結成構想
 第六節 「独占国家」論の挫折

第二章 マルクス主義批判
 第一節 合衆国におけるマルクス社会主義批判
 第二節 「なぜ合衆国に社会主義は存在しないのか?」
 第三節 中西部におけるアメリカ型ユートピアニズム
 第四節 ニューヨークの社会主義
 第五節 中西部の社会主義――ユージン・デブスとノーマン・トーマスの社会主義
 第六節 中西部の社会主義がとったもう一つの道――「ノース・ダコタ・無党派連盟」の利益集団化戦術
 第七節 アメリカ社会主義におけるネイティヴィズム
 第八節 エスニシティ、リージョナリズム、マルクス主義
 第九節 リプセットのアメリカ社会主義論――マルクス主義批判から「イデオロギーの終焉」へ

第三章 『イデオロギーの終焉』の同時代的文脈(1)――アメリカン・デモクラシーとマッカーシズム
 第一節 『イデオロギーの終焉』の構成とその意味
 第二節 マッカーシズムの要因(Ⅰ)道徳主義
 第三節 マッカーシズムの要因(Ⅱ-1)ポピュリズムの平等主義と反主知主義
 第四節 マッカーシズムの要因(Ⅱ-2)ポピュリズムの陰謀史観
 第五節 マッカーシズムの要因(Ⅲ・Ⅳ)アメリカニズムと「地位政治」
 第六節 アメリカン・デモクラシーにおけるアメリカ共産党とマッカーシズム
 第七節 ベルのマッカーシズム論と二一世紀のアメリカン・デモクラシー
 第八節 ニューヨーク知識社会におけるマッカーシズム

第四章 『イデオロギーの終焉』の同時代的文脈(2)――アメリカ・マフィアとエスニック・グループ
 第一節 一九五〇年代アメリカ合衆国における「マフィア」の組織犯罪
 第二節 ニューヨーク港湾労働の実態
 第三節 ILAにおけるギャング支配
 第四節 ILAとマシーン政治
 第五節 エスニシティをめぐるマートン、グレイザー、モイニハンとの理論的応答

第五章 「イデオロギーの終焉」と福祉国家の登場
 第一節 「イデオロギーの終焉」の意味と意義
 第二節 文化自由会議におけるニューヨーク知識人と「イデオロギーの終焉」
 第三節 「イデオロギーの終焉」論争――様々な誤解と批判

第六章 ポスト・マルクス主義としての「脱工業社会」論
 第一節 マルクス主義から「脱工業社会」論へ
 第二節 「脱工業社会」の特質
 第三節 「脱工業社会」の「基軸原理」

第七章 「学生反乱」――コロンビア大学の事例
 第一節 「学生反乱」の三つの争点――ベトナム反戦、人種差別、学生処分問題
 第二節 「学生反乱」に対するダニエル・ベルのイニシアティヴ
 第三節 学生の不満の源泉――「脱工業社会化」に伴う高等教育の危機
 第四節 ニューレフトとダニエル・ベル

第八章 「資本主義の文化的矛盾」論からアメリカ市民社会論へ
 第一節 「資本主義の文化的矛盾」とパーソンズ社会学
 第二節 経済領域における矛盾――『プロ倫』の現代的読解
 第三節 文化領域における矛盾――モダニズムからポスト・モダニズムへ
 第四節 政治領域における矛盾――福祉国家の行き詰まりと「公共世帯」
 第五節 ベル、ベラー、パーソンズと現代アメリカ社会論
 第六節 アメリカ市民社会における「贖いの宗教」
 第七節 「市民宗教」と「贖いの宗教」

第九章 アメリカ新保守主義とダニエル・ベルのトライユニティ論
 第一節 アメリカ新保守主義とは何か?
 第二節 「経済における社会主義」・「政治におけるリベラル」――アファーマティヴ・アクション論争への批判的視座
 第三節 アファーマティヴ・アクションの展開
 第四節 ベルのアファーマティヴ・アクション論――「保守」対「リベラル」を越えて
 第五節 「文化における保守主義」――ベルとバーガーの社会学
 第六節 クリントン政権の福祉制度改革とブッシュ政権の「信仰に基づくイニシアティヴ」政策
 第七節 ベル、バーガーのFBCI政策評価
 第八節 FBCIにおける「社会関係資本」論の位置――ベルのトライユニティ論の理論的可能性
 第九節 ベル、バーガーは、「新保守主義者」か?

終章 ダニエル・ベルの思想的意義――テロリズムに揺れる世界のなかで
 第一節 冷戦の終焉と「イデオロギーの終焉」
 第二節 冷戦の終焉から「第三の道」へ
 第三節 ニューヨーク知識社会における新保守主義思想
 第四節 コミュニタリアニズムとダニエル・ベル
 第五節 公共社会学者から公共知識人へ
 第六節 結語――公共知識人、ダニエル・ベル

あとがき
参考文献
事項索引
人名索引

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