「教育」としての職業指導の成立

戦前日本の学校と移行問題

「教育」としての職業指導の成立

生徒への職業指導を学校が行うようになったのは、いつの時期、いかなる論理によってだったのか。史料を紐解き、その過程を分析する。

著者 石岡学
ジャンル 教育・心理
出版年月 2011年1月
ISBN 978-4-326-25068-4
判型・ページ数 A5・264ページ
定価 3,850円(税込)
在庫 在庫あり

この本への感想・お問い合わせ

日本社会においては、「学校から職業への間断なき移行」と、そのための「学校による生徒への指導・教育」という暗黙の前提が存在する。移行への関与を「教育的営為」として捉える認識枠組みがいかにして歴史的・社会的に構築されてきたのかを、1920─40年代における学校の職業指導を分析して明らかにし、その認識枠組みを根本的に問い直す。

古くて新しい課題について、史的に検討され、分かりやすく論述されている。論述の構成、その内容も簡にして要を得ている。(男性 75才 大学教授)

はしがき

序章 なぜ「学校から職業への移行」が問題となるのか
 1 「教育的営為としての移行への関与」という認識枠組み
 2 先行研究は何を明らかにしてきたか
 3 本書の課題

第一章 学校教育に対する職業指導の導入― 一九二七年一一月文部省訓令第二〇号の発令まで
 1 学校―職業の関係性が問われるようになった時代
 2 職業指導の導入を求める動き
 3 教育雑誌における職業指導の教育的意味づけ
 4 職業指導の「進路問題」としての位置づけ
 5 職業指導と「本来の教育」

第二章 職業指導のアポリアと方法論の分岐
 1 本章の課題
 2 学校における職業指導の「問題」―全国職業指導協議会での議論から
 3 職業指導の本質的アポリア
 4 職業指導の方法論的分岐―「就職斡旋」か「職業精神の涵養」か
 5 二つの方法論の共通点

第三章 職業指導における「職業精神」
 1 職業指導教授用の教科書・図書
 2 語られた「職業精神」の特徴とその背景
 3 「職業精神」を教えることの意味・機能
 4 職業指導におけるジェンダー ―「義務」としての職業、「修養」としての職業
 5 本章のまとめ

第四章 選職・就職先決定プロセスにおける「教育的まなざし」
 1 本章の課題
 2 選職プロセスにおける「教育的まなざし」とその機能
 3 就職先決定プロセスにおける「教育的まなざし」とその機能
 4 職業指導の「教育的」実践

第五章 学校での職業指導を支えたもの―「愛」というマジックワード
 1 本章の課題
 2 輔導の必要性とその方法
 3 輔導の困難
 4 学校における職業指導を支えた「愛」とその内実
 5 本章のまとめ

第六章 戦時期における職業指導の変容と連続性
 1 本章の課題
 2 労務統制への組み込みと学校による就職斡旋の不可能化
 3 職業指導の変容と連続性
 4 戦時体制の強化がもたらした「悲願」の成就
 5 一九四三年から敗戦までの職業指導
 6 戦時体制が剥がした職業指導のメッキ

終章 学校と職業との関係性を改めて問い直す
 1 戦前期の学校における職業指導の展開―その歴史的意味
 2 「移行への関与」は「教育的営為」として行われるべきか
 3 「学校」「職業」を改めて問い直すこと

あとがき
参考文献
事項索引
人名索引

ご注文

3,850円(税込)

個人情報の取扱いについて

このサイトでの購入手続きにおける個人情報の取扱いについて下記リンク先にてご案内しております。
『商品購入における個人情報の取扱いについて』

商品をご購入いただく際はこちらに同意をしたうえでお支払方法(クレジットカードまたは代金引換)をお選びください。

ネット書店で購入する

  • 楽天ブックス
  • Amazon
  • 紀伊國屋書店
  • honto
  • ヨドバシ.com
  • bookfanプレミアム
  • セブンネットショッピング
  • Honya Club.com
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • HMV&BOOKS online
  • TSUTAYA online

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加