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アダム・ファーガスンの国家と市民社会

共和主義・愛国心・保守主義

アダム・ファーガスンの国家と市民社会

経済的人間は政治的人間たりうるか。人々を社会に結びつけるものは何か。ファーガスンが出したスミスやヒュームとも異なる答えとは。

著者、編者、訳者など 青木裕子
ジャンル 政治
ISBN 978-4-326-30193-5
出版年月 2010年12月
判型・ページ数 A5判・272ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

市民社会と国家の関係が変容してきた中で、その重要な契機にアダム・ファーガスンが携わっていたことは間違いない。ブリテンに統合されて間もない18世紀スコットランド特有の事情と、スコットランド啓蒙を担った人々が背負った使命を背景に、ファーガスンが市民社会概念に込めた多様な意味をひもとき、現代社会への示唆を探る。

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目次

凡例

はじめに:ファーガスンと現代市民社会論
 第一節 アダム・ファーガスンとは
 第二節 スコットランド啓蒙思想家としてのファーガスン
 第三節 「市民社会論のルネッサンス」とファーガスンの復活
 第四節 ファーガスンの市民社会論の思想史における位置づけ
 第五節 ファーガスンの古典的共和主義に着目した研究の増大

序 章 スコットランド長老派教会における穏健派の台頭:スコットランド啓蒙へ
 第一節 長老制度と主教制度
 第二節 盟約派とウェストミンスター信仰告白
 第三節 王政復古から名誉革命までのスコットランド長老派教会
 第四節 「新生」長老派教会と穏健派の台頭
 第五節 穏健派とは
 第六節 穏健派に対する批判
 第七節 保守的な共和主義者としての穏健派

第一章 ファーガスンの歴史編纂と社会契約論の否定:「未開人の徳」の意義
 第一節 人間と社会の関係性としての歴史把握
 第二節 ファーガスンの歴史編纂の独自性
 第三節 野生状態の特徴
 第四節 野蛮状態の特徴
 第五節 「古代」文明社会の状態について:文明社会とは
 第六節 未開人の活力,英雄的徳に見る人間本性

第二章 近代文明社会:未開社会から何が「進歩」してきたか
 第一節 近代文明社会と18世紀グレイト・ブリテン
 第二節 近代文明社会の自由
 第三節 商業社会としての近代文明社会
 第四節 近代文明社会の長所:雛型としてのグレイト・ブリテン
 第五節 未開社会と古代文明社会からの改善点
 第六節 近代文明社会における利己心の肯定の不可避性
 第七節 意図せざる結果と歴史の生成
 第八節 経済的自由主義者としてのファーガスン

第三章 近代文明社会の危機
 第一節 ファーガスンの立場の表明
 第二節 ファーガスンの課題
 第三節 問題の所在
 第四節 公共精神の喪失
 第五節 「政治社会」としての近代文明社会は可能か
 第六節 人間本性が示すこと
 第七節 古典的共和主義者としてのファーガスン

第四章 「多数による専制」と自由の限界
 第一節 「専制」,特に「多数による専制」はどのようにして生まれるのか
 第二節 民主政への不信
 第三節 自由(liberty)を維持するためには
 第四節 法の脆弱性と自由(freedom)の重要性

第五章 活動的精神と対立の重要性
 第一節 活動的精神,愛国心,政治的徳
 第二節 不和と対立から生まれる自由
 第三節 マキアヴェッリの「対立による調和」との親和性
 第四節 対立と調和の均衡

第六章 アメリカ独立問題に見るファーガスンの政治的保守主義
 第一節 ファーガスンとカーライル委員会
 第二節 「カーライル委員会」とは何か
 第三節 『プライスへの反論』(1776年)までの見解
 第四節 『プライスへの反論』出版後から渡米(1778年)まで
 第五節 カーライル委員会の秘書官として(1779年末まで)
 第六節 「カーライル委員会」後
 第七節 ファーガスンの政治的保守主義と愛国心

総 括:政治社会と商業社会をつなぐもの
 第一節 “Civil Society”の意味
 第二節 市民社会と統治の問題
 第三節 人々を社会に結びつけるもの
 第四節 衆愚政治という多数による専制を防ぐには
 第五節 ファーガスンの構想する市民社会
 第六節 ファーガスンが提起した問題

参考文献
索引
あとがき

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