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『教育思想事典 増補改訂版』刊行記念フェア 「現代を解きほぐす教育思想」
2017.10.01
ライシテ、道徳、宗教学
もうひとつの一九世紀フランス宗教史
フランスのライシテは、宗教を公的領域から私的領域に追放するものだが、それだけではない。本書が試みる「世俗の宗教学」は、19世紀の世俗的道徳と科学的宗教学の成立を再構成し、宗教概念の歴史的変遷を辿り、宗教に還元されない宗教性の行方を追う。フランスでも高く評価された、本格派の若手による、ライシテの系譜学的人類学!
序論
一 本書の課題
二 用語の説明
三 先行研究と本書の位置、本書の用いるテクスト・史料と方法
四 本書の構成
第Ⅰ部 胚胎期のライシテの道徳と宗教の科学的研究──二重の脱宗教化
第1章 一九世紀前半の宗教状況
一 一八世紀から一九世紀の認識の地平へ
二 「宗教」概念の変化
三 宗教批判の諸潮流
第2章 オーギュスト・コントの宗教史と実証主義的道徳
一 コントの二重の挑戦
二 宗教史としての実証哲学、科学と政治のあいだの実証主義的道徳
三 人類教における教育の位置、国家と宗教の関係
四 コントの弟子たち
第3章 一九世紀半ばの宗教状況──科学と政治の分化、宗教の内面化
一 転換点としての二月革命
二 反教権主義の形成と「独立した道徳」
三 宗教研究の科学的発展と脱政治化
第4章 エルネスト・ルナンの宗教史と政治的発言
一 時代のなかの宗教史家
二 ルナンの宗教史の基本構造
三 科学的研究と政治的提言の関係
第Ⅰ部の結論 コントとルナンを隔てるもの──実証主義の変質
第Ⅱ部 ライシテの道徳の確立と伝播
第5章 政治の場における「道徳」と「宗教
一 ジュール・フェリーにおける道徳と宗教
二 一九〇五年法とライシテの基本構造
三 フェルディナン・ビュイッソンによる「宗教的なライシテの道徳」
第6章 小学校におけるライシテの道徳
一 ライシテの推進と一般的な地域差
二 ライシテの道徳の諸相
三 道徳装置としての学校文化
第Ⅱ部の結論 ライシテの道徳はいかなる意味で宗教的か
第Ⅲ部 宗教学の制度化と展開──宗教学の「宗教」概念
第7章 宗教学の制度化
一 一九世紀後半における宗教の科学的研究
二 カトリック神学部と高等研究院第五部門
三 「神に対する義務」と「宗教学」
第8章 宗教学の展開──高等研究院第五部門の場合
一 方法論をめぐる論争
二 ライシテの道徳の位置
第Ⅲ部の結論 宗教学の認識論的限界?
第Ⅳ部 道徳と宗教の新たな合流点──「宗教のあとの宗教性」
第9章 デュルケムの宗教社会学とライシテの道徳
一 社会学の成立
二 宗教社会学へ
三 宗教社会学的なライシテの道徳
四 近代における「宗教性」の三つの側面
第10章 ベルクソン哲学における道徳性と宗教性
一 ベルクソン哲学の新しさ
二 道徳と宗教の二つの型、あるいはベルクソンのデュルケム批判
三 心理学的・存在論的「宗教性」の三つの側面
四 道徳性と道徳的生活
五 心理学的存在論から宇宙論へ
六 神秘主義、歴史、政治
第Ⅳ部の結論 デュルケムにおける宗教性とベルクソンにおける宗教性の関係
結論
一 ライシテの道徳と宗教学の歴史的条件
二 キリスト教的な、あまりにキリスト教的な?
三 近代における宗教と宗教性
四 私たちの眼差しの歴史的条件
あとがき
年表
引用資料・文献
図版一覧
人名索引・事項索引
一 本書の課題
二 用語の説明
三 先行研究と本書の位置、本書の用いるテクスト・史料と方法
四 本書の構成
第Ⅰ部 胚胎期のライシテの道徳と宗教の科学的研究──二重の脱宗教化
第1章 一九世紀前半の宗教状況
一 一八世紀から一九世紀の認識の地平へ
二 「宗教」概念の変化
三 宗教批判の諸潮流
第2章 オーギュスト・コントの宗教史と実証主義的道徳
一 コントの二重の挑戦
二 宗教史としての実証哲学、科学と政治のあいだの実証主義的道徳
三 人類教における教育の位置、国家と宗教の関係
四 コントの弟子たち
第3章 一九世紀半ばの宗教状況──科学と政治の分化、宗教の内面化
一 転換点としての二月革命
二 反教権主義の形成と「独立した道徳」
三 宗教研究の科学的発展と脱政治化
第4章 エルネスト・ルナンの宗教史と政治的発言
一 時代のなかの宗教史家
二 ルナンの宗教史の基本構造
三 科学的研究と政治的提言の関係
第Ⅰ部の結論 コントとルナンを隔てるもの──実証主義の変質
第Ⅱ部 ライシテの道徳の確立と伝播
第5章 政治の場における「道徳」と「宗教
一 ジュール・フェリーにおける道徳と宗教
二 一九〇五年法とライシテの基本構造
三 フェルディナン・ビュイッソンによる「宗教的なライシテの道徳」
第6章 小学校におけるライシテの道徳
一 ライシテの推進と一般的な地域差
二 ライシテの道徳の諸相
三 道徳装置としての学校文化
第Ⅱ部の結論 ライシテの道徳はいかなる意味で宗教的か
第Ⅲ部 宗教学の制度化と展開──宗教学の「宗教」概念
第7章 宗教学の制度化
一 一九世紀後半における宗教の科学的研究
二 カトリック神学部と高等研究院第五部門
三 「神に対する義務」と「宗教学」
第8章 宗教学の展開──高等研究院第五部門の場合
一 方法論をめぐる論争
二 ライシテの道徳の位置
第Ⅲ部の結論 宗教学の認識論的限界?
第Ⅳ部 道徳と宗教の新たな合流点──「宗教のあとの宗教性」
第9章 デュルケムの宗教社会学とライシテの道徳
一 社会学の成立
二 宗教社会学へ
三 宗教社会学的なライシテの道徳
四 近代における「宗教性」の三つの側面
第10章 ベルクソン哲学における道徳性と宗教性
一 ベルクソン哲学の新しさ
二 道徳と宗教の二つの型、あるいはベルクソンのデュルケム批判
三 心理学的・存在論的「宗教性」の三つの側面
四 道徳性と道徳的生活
五 心理学的存在論から宇宙論へ
六 神秘主義、歴史、政治
第Ⅳ部の結論 デュルケムにおける宗教性とベルクソンにおける宗教性の関係
結論
一 ライシテの道徳と宗教学の歴史的条件
二 キリスト教的な、あまりにキリスト教的な?
三 近代における宗教と宗教性
四 私たちの眼差しの歴史的条件
あとがき
年表
引用資料・文献
図版一覧
人名索引・事項索引
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