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「国語」教育の思想

声と文字の諸相

「国語」教育の思想

均質な音声をもつ規範としての日本語の形成期、1930-50年代の「国語」教育の歴史を分析し、言語と教育の根本的問題に迫る。

著者、編者、訳者など 渡辺哲男
ジャンル 教育・心理
ISBN 978-4-326-25065-3
出版年月 2010年9月
判型・ページ数 A5判・324ページ
定価 本体4,900円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

「国語」における文字と音声の関係は、戦中戦後の言語学者・国語学者・国語教育者たちの複雑に入り組んだ影響関係の中で、いかに形成・共有されていったのか。その議論とプロセスを歴史に位置づけ、ソシュール言語学やその後継学派の影響にも着目しながら解明する。今日なお生成する「国語」にわれわれが対峙するための丹念な考察。

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目次

はしがき

序章 「国語」教育における声と文字への視線―ー課題と方法
 1 なぜ、声と文字に注目するのか?――研究課題の「発見」
 2 歴史叙述のスタイルをめぐって――先行研究の限界とその克服のために
 3 1930-50年代の国語学/言語学と「国語」教育――本書の特色
 4 戦前戦後を一括りの時代と捉えて考察する意味――本書の構成

第1章 「言語活動」概念の誕生――小林英夫によるソシュール言語学の導入と1930年代におけるその影響
 1 小林英夫とその時代
 2 小林英夫による「言語活動」概念の創出
 3 1930年代における「言語活動」概念の国語学界への流通
 4 「言語活動」概念の国語教育界への流通
 5 「言語活動」の流通が意味するもの

第2章 規範としての日本語の音を創出する戦略――1930年代におけるローマ字論争と時枝言語過程説
 1 文字による声の統制の正当化
 2 菊沢季生における「音韻論」の受容
 3 規範的な日本語の音を創出する戦略――文字による声の統制とその限界
 4 1930年代における文字の位置――「正字法(正書法)」・「表音符号」をてがかりに
 5 まとめと戦後の議論への伏線

第3章 植民地/占領地における音声言語の諸相――1930-40年代における外国語としての「日本語」教授理論をてがかりとして
 1 二つの「日本語」教授法と時代状況
 2 山口喜一郎の経歴
 3 直接法――対訳法論争にみる音声言語と事物主義
 4 言語教育における物事と言葉をめぐって

第4章 西尾実における言語活動主義の誕生とその展開
 1 なぜ、西尾実を読みなおすのか?
 2 西尾実における言語活動主義の誕生
 3 山口喜一郎との邂逅と言語活動主義の変容
 4 西尾実における「文字」

第5章 「国民科国語」の成立と1940年代の「国語」教育
 1 「国民科国語」に流れこんだ諸潮流への着目
 2 「国民科国語」に導入された思想
 3 「国民科国語」の受容――1940年前後における「生活」「言語生活」概念の諸相
 4 そして戦後の「言語生活」へ

第6章 戦後「国語」教育における声と文字――戦前と戦後の連続と断絶
 1 戦後「国語」教育を読みなおすために
 2 西尾・時枝論争における音声言語・文字言語・「言語生活」
 3 論争の参照枠としての奥田靖雄と1950年代の「国語」教育
 4 「国語」教育における文字の役割

終章 「国語」の「伝統」と「革新」をめぐって
 1 本書の成果――みえなくなった、文字による声の統制
 2 各章の総括
 3 本書の成果によって示唆される今日的問題
 4 今後の課題と展望

引用・参考文献
あとがき
人名索引
事項索引

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