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歴史の哲学 [双書エニグマ]

歴史の哲学

物語論の限界を確定し、そこで見落とされてきた歴史の構造を浮き彫りにすることによって物語論にかわる新たな歴史の哲学を素描する。

著者、編者、訳者など 貫成人
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-19918-1
出版年月 2010年8月
判型・ページ数 四六判・276ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

20世紀の歴史の哲学を主導した、ダントーやリクールによる歴史の物語論。しかし、アナール派の手法や世界システム論、フーコーの考古学など、物語論とは異なる歴史像をもつ歴史記述は多数存在する。本書では物語論を検討してその限界を確定し、そこでは捉えきれない歴史のメカニズムを複雑系として把握する新たな歴史の哲学を提示する。

現段階における、歴史についての哲学的考察のまとめとして、また今後の読書に向けての手引きとして大いに役に立ちました。(男性 36才 教員)
なんという重厚な哲学的作品であろうか。論点、目的、構成、考察対象の多様性等々を著者の複雑系モデルに論じきる、そのさばき方は見事という他はない。圧巻である。(男性 65才 自由業)

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目次

はしがき

第一章 なぜ物語論なのか
 1 歴史記述に特有の表現
 2 「歴史神学」と「歴史哲学」
 3 歴史学の哲学へ──二十世紀
 4 物語論の登場

第二章 物語の基本構造
 1 筋とはどんなものか
 2 物語の役割──物語的理解

第三章 哲学としての物語論
 1 歴史家はなにをしなければならないか
 2 読者への作用──物語的自己同一性
 3 物語的歴史記述の“全体構造”
 4 過去は実在するか
 5 過去を組織化する
 6 物語論の概要とその問題点

第四章 物語の限界
 1 過去の隠蔽
 2 語りえないもの

第五章 国民国家と歴史
 1 国民形成装置としての歴史学
 2 世界システムの変動
 3 構築された主体と歴史

第六章 物語的ではない歴史記述の可能性
 1 非連続的な歴史記述
 2 ブローデル『地中海』

第七章 歴史の基底
 1 権力形成のメカニズム
 2 世界システムの流動メカニズム

第八章 複雑系としての歴史システム
 1 散逸構造
 2 カオス系

第九章 歴史哲学の書き換え
 1 地域の混淆性
 2 起源の神話
 3 通約不可能性
 4 「普遍」の政治性と反‐本質主義
 5 「主体」という幻想
 6 歴史のさまざまな相


あとがき
主要引用文献
事項索引
人名索引

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