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2017.02.24
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『現代の経済思想』刊行記念フェア「キーワードで読む現代の経済思想」
2015.02.04
なぜ女性はケア労働をするのか (紙版)
性別分業の再生産を超えて
「ケアの社会化」は、家庭の性別分業と結びつきながら、ケア労働市場のジェンダー構造を再生産している。なぜ、家庭の性別分業は再生産されるのか。なぜ、低賃金のケア労働に女性は従事するのか。本書は、家庭から労働市場への性別分業の拡大、再生産メカニズムを明らかにするとともに、女性の能動的実践と、社会変動の可能性を探る。
はしがき
序 章 性別分業論に今何が必要とされているか
1 ケアの社会化と変動──家庭から労働市場への性別分業の拡大と再編
2 なぜ女性はケア労働をするのか──「物質構造決定論」と「主体選択論」
3 近年のジェンダー研究の二つの潮流──「言説」と「資源配分」
4 本書の枠組──エージェンシーと性別分業の再生産・変動
第一章 性別分業の再生産論の到達点と課題──「能動的実践」とは何か
1 ギデンズとブルデューの「構造」と「実践」
2 言説による実践の構造化─江原のジェンダー秩序論
3 再生産論の乗りこえ──「構造」「実践」「権力」「カテゴリー還元的説明」
第二章 性別分業再生産におけるエージェンシー──なぜ女性は家庭に入るのか
1 マルクス主義フェミニズムにおける「家父長制」と「唯物論」
2 家庭における家父長制──デルフィの家内制生産様式
3 労働市場における家父長制──ハートマンの「労働力の支配」
4 家父長制概念への批判──性別分業再生産における男性と女性の実践
5 家父長制から「ジェンダー」へ──労働市場の性別職域分離
6 性別分業を選択する女性の利益──世帯単位の合理的選択
第三章 言説に対する批判的解釈実践──なぜ女性はケア責任を重視するのか
1 無意識におけるケアの価値──チョドロウの母親業の再生産論
2 女性の発達とケアの価値──ギリガンの「ケアの倫理」
3 「ケアの倫理」への批判──女性の声の多様性と排除された声
4 母親の経験とケアの価値──ケア倫理学における女性の価値
5 ケア責任を構成する構造的条件──資源配分と他者の言説実践
6 批判的解釈実践と変動の契機
第四章 家庭における交渉実践と変動──ケア労働の配分をめぐる交渉と権力
1 男女間の「権力」をめぐる理論的対立──経済資源と言説
2 権力資源と権力作用の多様性
3 交渉実践のバリエーション──育児をめぐる交渉実践1
4 交渉実践における意識と利益の変容──育児をめぐる交渉実践2
5 介護責任をめぐる「見えない交渉」
6 交渉実践による性別分業の変動と構造的限界
第五章 女性ケアワーカーの交渉実践
1 ケア労働市場のジェンダー構造の再生産メカニズム
2 介護労働市場におけるワーカーズコレクティブの位置
3 ワーカーズコレクティブの交渉実践──自律的な労働を求めて
4 ワーカーズコレクティブの実践の効果
第六章 男性ヘルパーの交渉実践と性別職域分離
1 女性職における男性ヘルパーの位置
2 男性ヘルパーの生存戦略──同化戦略、差異化戦略
3 ケアワーカーの交渉実践の変動力と構造的限界
終章 性別分業の再生産を超えて
1 エージェンシー概念の意義と貢献──構造決定論の乗りこえ
2 性別分業の性支配性と解消策──結果の不平等と交渉力の格差
3 今後の課題──「女性間の多様性」と「女性間の格差」
あとがき
参考文献
人名索引・事項索引
序 章 性別分業論に今何が必要とされているか
1 ケアの社会化と変動──家庭から労働市場への性別分業の拡大と再編
2 なぜ女性はケア労働をするのか──「物質構造決定論」と「主体選択論」
3 近年のジェンダー研究の二つの潮流──「言説」と「資源配分」
4 本書の枠組──エージェンシーと性別分業の再生産・変動
第一章 性別分業の再生産論の到達点と課題──「能動的実践」とは何か
1 ギデンズとブルデューの「構造」と「実践」
2 言説による実践の構造化─江原のジェンダー秩序論
3 再生産論の乗りこえ──「構造」「実践」「権力」「カテゴリー還元的説明」
第二章 性別分業再生産におけるエージェンシー──なぜ女性は家庭に入るのか
1 マルクス主義フェミニズムにおける「家父長制」と「唯物論」
2 家庭における家父長制──デルフィの家内制生産様式
3 労働市場における家父長制──ハートマンの「労働力の支配」
4 家父長制概念への批判──性別分業再生産における男性と女性の実践
5 家父長制から「ジェンダー」へ──労働市場の性別職域分離
6 性別分業を選択する女性の利益──世帯単位の合理的選択
第三章 言説に対する批判的解釈実践──なぜ女性はケア責任を重視するのか
1 無意識におけるケアの価値──チョドロウの母親業の再生産論
2 女性の発達とケアの価値──ギリガンの「ケアの倫理」
3 「ケアの倫理」への批判──女性の声の多様性と排除された声
4 母親の経験とケアの価値──ケア倫理学における女性の価値
5 ケア責任を構成する構造的条件──資源配分と他者の言説実践
6 批判的解釈実践と変動の契機
第四章 家庭における交渉実践と変動──ケア労働の配分をめぐる交渉と権力
1 男女間の「権力」をめぐる理論的対立──経済資源と言説
2 権力資源と権力作用の多様性
3 交渉実践のバリエーション──育児をめぐる交渉実践1
4 交渉実践における意識と利益の変容──育児をめぐる交渉実践2
5 介護責任をめぐる「見えない交渉」
6 交渉実践による性別分業の変動と構造的限界
第五章 女性ケアワーカーの交渉実践
1 ケア労働市場のジェンダー構造の再生産メカニズム
2 介護労働市場におけるワーカーズコレクティブの位置
3 ワーカーズコレクティブの交渉実践──自律的な労働を求めて
4 ワーカーズコレクティブの実践の効果
第六章 男性ヘルパーの交渉実践と性別職域分離
1 女性職における男性ヘルパーの位置
2 男性ヘルパーの生存戦略──同化戦略、差異化戦略
3 ケアワーカーの交渉実践の変動力と構造的限界
終章 性別分業の再生産を超えて
1 エージェンシー概念の意義と貢献──構造決定論の乗りこえ
2 性別分業の性支配性と解消策──結果の不平等と交渉力の格差
3 今後の課題──「女性間の多様性」と「女性間の格差」
あとがき
参考文献
人名索引・事項索引
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