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金融危機と対峙する「最後の貸し手」中央銀行

破綻処理を促す新たな発動原則の提言:バジョットを超えて

金融危機と対峙する「最後の貸し手」中央銀行

なぜ「最後の貸し手」機能は効くのか、どういう場合にどれだけの効果があるのか、その効果波及経路は何なのか。

著者、編者、訳者など 木下 智博
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-50447-3
出版年月 2018年8月
判型・ページ数 A5判・496ページ
定価 本体5,500円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

金融システム安定を目的とする中央銀行の「最後の貸し手」機能について、理論と具体的事例の双方の裏付けを伴なって体系的に解説する。また「最後の貸し手」機能の制度設計や発動原則のあるべき姿を論じる。

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目次

はじめに

第1章 中央銀行のLLR機能の概観
 第1節 金融システムの安定と中央銀行の機能
 第2節 中央銀行LLRの効果,効果波及経路および費用
 第3節 市場流動性収縮と中央銀行LLR
 第4節 中央銀行LLRの発動原則と本書の問題意識

第2章 バジョットによるLLR原則の定式化とこれをめぐる論争
 第1節 LLR機能を生んだ時代背景
 第2節 ソーントンの議論
 第3節 バジョットの議論
 第4節 バジョット原則をめぐる近年の論争

第3章 日本銀行特融の経験と教訓
 第1節 日本銀行のLLRとその特徴
 第2節 日本銀行の一時貸付け
 第3節 日本銀行の特融
 第4節 特融等に関する4原則
 第5節 日銀特融等の損失
 第6節 日本銀行の預金保険機構貸付金
 第7節 預金定額保護時代の日銀特融
 第8節 日銀特融の現代的な意義
 章末資料1 日銀の金融システム面への対応と最後の貸し手機能の発揮
 章末資料2 日銀特融以外の信用秩序維持業務

第4章 米国FRBにおけるLLRの経験と教訓
 第1節 FRBによる通常の連銀貸出
 第2節 1980年代までの米国におけるLLRの歴史
 第3節 破綻金融機関向け連銀貸出と1991年FDICIA法以降のLLR
 第4節 グローバル金融危機時におけるFRBのLLR
 第5節 グローバル金融危機時におけるFRBのLLRに対する評価と課題
 第6節 FRBのLLRに対する規制
 第7節 FRBの経験・教訓が示唆する検討課題
 章末資料3 FRBの特設した流動性供給ファシリティに対する研究者の評価

第5章 英国の中央銀行LLRの経験と教訓
 第1節 グローバル金融危機前のBOEのLLR
 第2節 グローバル金融危機以降におけるBOEのLLR
 第3節 BOEの経験・教訓が示唆する検討課題

第6章 欧州大陸諸国の中央銀行LLRの経験と教訓
 第1節 欧州中央銀行制度発足前の中央銀行LLR
 第2節 グローバル金融危機以降のECBによる大規模流動性供給
 第3節 ユーロシステムにおける緊急流動性支援ELA
 第4節 ECBの経験・教訓が示唆する検討課題

第7章 LLR発動原則の再検討
 第1節 バジョット原則の限界と問題点
 第2節 金融機関破綻処理の促進
 第3節 破綻損失の負担と財政民主主義
 第4節 中央銀行からの借りやすさと借りにくさ
 第5節 あるべき原則
 章末資料4 実効的な金融機関破綻処理手続の制度設計に関する議論
 章末資料5 金融機関の流動性規制をめぐる国際的な議論

結びに代えて 日本のLLRはどこに向かうべきか
参考文献
索引

BOX 1 Greenspan Put信仰
BOX 2 中央銀行LLRの手段は公開市場操作に限定すべきか
BOX 3 中央銀行LLR研究の歴史と市場流動性収縮
BOX 4 「通貨学派」対「銀行学派」の論争
BOX 5 ロンドン割引市場の発達小史
BOX 6 ペイオフ凍結,預金全額保護の時代
BOX 7 昭和40年証券不況時の日銀特融
BOX 8 時間を要したわが国のセーフティネットの整備
BOX 9 ニューヨーク手形交換所による貸付証書の臨時発行
BOX 10 FRBのLLR機能の転機となった1991年FDICIA法
BOX 11 中銀間の流動性スワップの取引
BOX 12 中央銀行LLRに付きまとう汚名問題の原因と対策
BOX 13 英国の金融機関規制監督体制の再編と破綻処理
BOX 14 国際通貨危機に対応する国際的なLLR
BOX 15 欧州ソブリン債務危機は金融危機
BOX 16 DIPファイナンス
BOX 17 中央銀行の債務超過は問題なのか

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