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「豹変する心」の現象学

精神科臨床の現場から

「豹変する心」の現象学

無差別殺傷事件や突然の自殺など、近年相次ぐ「ふつうの人」の豹変や逸脱。その根底にある現代日本人の心の質的変化を解き明かす。 

著者、編者、訳者など 大饗 広之
ジャンル 教育・心理
ISBN 978-4-326-29895-2
出版年月 2009年9月
判型・ページ数 四六判・260ページ
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

統合失調症やアスペルガーは特殊で危険な病態なのか。日常の些細な出来事がトラウマ化するケースが増えたのはなぜなのか。ふつうと異常の境目が揺らぎ始めたことによって、「私」という物語の一貫性が失われつつあることを指摘しつつ、「心の科学」という言葉では扱いきれない側面を、実際の「豹変」症例に触れながら解説する。

2011年度北海道大学の前期入試(国語)の問題に採用されました。
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目次

はしがき

第一章 心、このみえないもの
 1 若者たちの風景
 2 心、そして/あるいは「私」

第二章 豹変する心
 1 恐るべき事件
 2 ふつうと異常のあいだ
 3 疾患は犯行を説明しない
 4 それは予兆かもしれない

第三章 カオスの反転模様
 1 三つの体験領域
 2 アソビからカオスへ
 3 反転としてのカオス
 4 カオスの極北、裏返された世界
 5 カオスはすぐそこにある

第四章 「内なる他者」の反乱
 1 「豹変する心」に悩む人たち
 2 手がかりとしての「解離」
 3 理念型としての「ジキルとハイド」
 4 現代のジキルたち
 5 解離は危険なメカニズムなのか?
 6 「物語の屈曲」から「人格の解離」へ
 7 フライングする解離

第五章 精神科のカルテより
 1 「臨床等価例」の多様性
 2 代表症例
 補遺 攻撃に向かう要因──一般青年の調査から

第六章 時代背景と精神疾患
 1 理論によるバイアス
 2 三つの体験領域と精神疾患
 3 変容する疾患図式
 4 秩序の崩壊と反転のはじまり

第七章 疾患概念を再考する
 1 アノレキシア──垂直方向への上昇
 2 PTSD──水平方向へのスライド
 3 人格の解離──多元化する主体
 4 アスペルガー──中心の喪失
 5 現実感喪失──希薄化したリアリティー

第八章 自明性なき時代
 1 「中心の喪失」から「世界の多元化」へ
 2 「物語の解体」から「自己の多元化」へ
 3 「正しさ」への懐疑

第九章 科学主義という幻想
 1 科学的思考の罠
 2 アスペルガーのような世界

終 章 「心の豹変」から「漂流する心」へ

あとがき
索 引

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