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東アジアの新しい地域主義と市民社会 新刊

ヘゲモニーと規範の批判的地域主義アプローチ

東アジアの新しい地域主義と市民社会

市民社会アクターはいかなる理念と目標を掲げて活動を展開し、東アジアの地域秩序に影響を与えているのか。理論的・実証的に分析。

著者、編者、訳者など 五十嵐 誠一
ジャンル 政治
ISBN 978-4-326-30264-2
出版年月 2018年1月
判型・ページ数 A5判・424ページ
定価 本体5,200円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

国家と市場(資本)が牽引する地域形成は、権力配置において「上」からの地域主義と位置づけられよう。従来の研究はこの政府(国家)あるいは市場に注目して東アジアの地域形成を分析するのに対して、本書は、成長著しい東アジアの市民社会アクターによる「下」からの地域形成力(地域主義)に光を当てる。

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目次

略語一覧

序章 本書の課題と分析視角
 1. 研究の背景
   東アジアの地域主義と共同体構想の胎動
   覚醒する市民社会
 2. 先行研究
   現実主義, 新自由主義制度論, 社会構成主義――競合と折衷
   「下」からの市民社会による地域主義――理論と実証の欠如
 3. 新たな理論アプローチ――批判的地域主義アプローチ
   既存の理論アプローチと市民社会
   批判的地域主義アプローチ
   地域的ヘゲモニー
   規範の「地域適合化」
 4. 本書の構成

第1章 批判的地域主義アプローチに向けて
 はじめに
 第1節 市民社会の多様な位相
  1-1 市民社会の領域設定――三項モデル
  1-2 補完, 協調, 対抗, 変革
  1-3 ヘゲモニーとレギュラシオン
 第2節 地域に関わる諸概念
  2-1 地域とは
  2-2 地域統合, 地域主義, 地域化
  2-3 「下」からの市民社会による地域主義の台頭
 第3節 既存の理論アプローチの分析的課題
  3-1 合理主義アプローチ
  3-2 省察主義アプローチ
  3-3 社会構成主義アプローチ
 第4節 批判的地域主義アプローチ
  4-1 地域的ヘゲモニー
  4-2 規範の「地域適合化」
 小括

第2章 ASEAN共同体と市民社会
 はじめに
 第1節 「古い地域主義」から「新しい地域主義」へ
  1-1 ASEANの成立と展開
  1-2 ASEANと「新しい地域主義」
 第2節 ASEAN共同体構想
  2-1  ASEAN共同体構想の背景
  2-2  ASEAN共同体構想の概要
 第3節 成長する市民社会ネットワーク
  3-1  ASEAN-ISISからAPAへ
  3-2  ACSCからSAPAへ
 第4節 ASEAN憲章と市民社会
  4-1 EPGへの関与
  4-2 HLTFへの関与とASEAN 憲章
 小括

第3章 人権と市民社会
 はじめに
 第1節 東アジアと人権規範
  1-1 人権の保障水準
  1-2 人権レジームの採択状況
 第2節 「上」からの地域主義と人権規範
  2-1 「アジア的価値」
  2-2 人権規範の相対化 
 第3節 「下」からの地域主義と人権規範
  3-1 人権NGOの登場と成長
  3-2 人権に関するバンコクNGO宣言
  3-3 アジア人権憲章
 第4節 ASEAN政府間人権委員会と市民社会
  4-1 ASEAN-ISIS/WG-AHRMからSAPA/TFAHRへ
  4-2 人権機関の権限条項
  4-3 ASEAN政府間人権委員会の特徴
  4-4 ASEAN政府間人権委員会のパフォーマンス
 第5節 ASEAN人権宣言と市民社会
  5-1 SEANF, WG-AHRM, TFAHRの関与
  5-2 ASEAN人権宣言の特徴
 第6節 国内人権機関と市民社会
  6-1 ANNIの登場
  6-2 東アジアの国内人権機関の有効性
  6-3 ANNIの政策提言活動
 小括

第4章 移民労働と市民社会
 はじめに
 第1節 移民労働と国家, 市場, 市民社会
  1-1 政治経済システムの介在
  1-2 移民労働と市民社会
 第2節 東アジアの移民政策と移民労働レジーム
  2-1 労働基準法と労働基本権
  2-2 移民労働に関わる国際レジーム
 第3節 受入国の市民社会
  3-1 香港の市民社会
  3-2 台湾の市民社会
  3-3 シンガポールの市民社会
  3-4 タイの市民社会
 第4節 移民労働規範をめぐる争い
  4-1 成長する市民社会ネットワーク
  4-2 セブ宣言とTFAMW
  4-3 市民社会によるオルタナティブ国際文書とACMW
  4-4 ASEAN移民労働フォーラム
 小括

第5章 持続可能な発展と市民社会
 はじめに
 第1節 日本における環境NGOと環境運動の展開
  1-1 反公害運動から生活系・自然保護系NGO
  1-2 実践的な地縁型運動の成長
 第2節 韓国における環境NGOと環境運動の展開
  2-1 反公害運動を通じたネットワークの拡大
  2-2 首都圏中心の政策提言運動の成長
 第3節 中国における環境NGOと環境運動の展開
  3-1 環境啓蒙運動から政策提言運動へ
  3-2 半官組織の急増と草根組織の台頭
 第4節 「上」からの環境地域主義と「弱い制度主義」
  4-1 東北アジアの越境的環境問題と持続可能な発展
  4-2 急増するトラックⅠ
  4-3 「認識共同体」としてのトラックⅡ
  4-4 「上」からの環境地域主義の特徴と課題
 第5節 「下」からの環境地域主義と市民社会
  5-1 東アジア大気行動ネットワーク
  5-2 環日本海政策提言フォーラム
  5-3 東アジア環境市民会議
  5-4 東アジア気候ネットワーク
  5-5 東アジア環境権利擁護ネットワーク
  5-6 黄海エコリージョン支援プロジェクト
  5-7 日韓NGO湿地フォーラムと水田決議
 小括

第6章 紛争予防と市民社会
 はじめに
 第1節 国際社会における紛争予防規範
  1-1 先行する予防外交規範
  1-2 紛争予防規範の拡大
 第2節 東北アジアの安全保障の現代的位相
  2-1 停滞するトラックⅠとノン・レジーム
  2-2 「上」からの地域主義における紛争予防規範
  2-3 トラックⅡ
 第3節 市民社会ネットワークの拡大とGPPAC NEAの登場
  3-1 東北アジアの平和構築ネットワークの沿革
  3-2 GPPAC NEAの誕生
 第4節 GPPAC NEAの活動の展開
  4-1 地域提言の作成
  4-2 世界提言と世界会議
  4-3 地域行動計画の策定
 第5節 GPPAC NEAによるオルタナティブな実践
  5-1 東北アジア非核地帯構想
  5-2 グローバル9条キャンペーン
  5-3 平和教育と平和文化
 小括

 終章 東アジアにおける共同体の隘路と活路
  1. 本書のまとめ
  2. 本書の課題と今後の研究
  3. オルタナティブな東南アジア・東北アジア・東アジアに向けて

参考文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引

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