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法倫理学探究 新刊

道徳的実在論/個別主義/汎心論/自由意志論のトポス

法倫理学探究

昨今の脳神経科学的知見からは、刑法的な責任も再検討を迫られる。現代的な視点から法哲学と法理論の融合を試みる「法倫理学」へ。

著者、編者、訳者など 増田 豊
ジャンル 法律
ISBN 978-4-326-40337-0
出版年月 2017年8月
判型・ページ数 A5判・416ページ
定価 本体7,400円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

「規範倫理学」も「メタ倫理学」も視野に入れる法倫理学アプローチの重要性が高まり始めた。法と道徳との関係を批判的に捉え直すことによって正義論や人権論などの基礎理論の再検討が意識的に対象化される。法律学方法論と刑事法基礎理論に関する批判三部作の著者が、脳神経倫理学など新たな諸問題にも対応できる通路の構築をめざす。

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目次

まえがき

第一章 法倫理学的問題としての道徳的実在論とその問題性
 はじめに
 一 道徳と倫理(学)の意味
 二 道徳的実在論とは何か
 三 メタ倫理学における道徳的実在論をめぐる理論状況

第二章 道徳的実在論における動機づけ/理由に関する内在主義と外在主義
 はじめに
 一 内在主義
 二 外在主義
 三 シャーバーの道徳的実在論と二分説
 おわりに

第三章 法倫理学的問題としての道徳的制度主義の構想
 はじめに
 一 サールの制度的事実の理論と事実の規範負荷性
 二 フェルバーのメタ倫理学的制度主義
 三 フェルバーの規範倫理学的構想とメタ制度としての普遍化原則

第四章 法と道徳の接点としての人権の哲学
 はじめに
 一 最小道徳と最大道徳
 二 最小道徳としてのいわゆる人権と法的権利としての基本権

第五章 道徳的個別主義の構想とその問題性
 はじめに
 一 道徳的個別主義とフロネーシス/アイステーシス
 二 ラディカルな道徳的個別主義の展開とガダマーの解釈学的個別主義
 三 フェルバーの穏健な道徳的個別主義
 四 ラディカルな道徳的個別主義に対するゲーザンクの批判と穏健な道徳的個別主義
 おわりに

第六章 認識論的自由意志と批判的責任の言語ゲーム
 はじめに
 一 シュリヒトのカント解釈と認識論的二元論――哲学における認識論的転回と心脳問題
 二 ハバーマスの認識論的二元論と自由意志/責任の言語ゲーム
 三 自由意志/責任の言語ゲームに対するニューロン決定論者(グリューン、G・メルケル/ロート)の反撃
 おわりに

第七章 洗練された非決定論的自由意志論の可能性
 はじめに
 一 リバタリスムスとは何か――非決定論の可能性
 二 リバタリスムスにまつわる四つの神話
 三 リバタリスムスに反対する論拠としての偶然論拠
 四 プロクルステスの寝台としての科学主義的自然主義の貧困と限界――第二の自然主義の可能性
 おわりに

第八章 洗練された汎心論は心身問題解決の最後の切札となり得るか
 はじめに――ポスト物理主義のストラテジー
 一 唯物論/物理主義の世界像と心的因果作用
 二 非還元的物理主義の問題性とラディカルな(強い)創発論
 三 素朴な汎心論の問題性と段階的汎心論の増幅器モデル
 四 洗練された汎心論における集合体/多者と単一体/一者との区別
 五 汎心論による心的因果作用の可能性とライプとしての身体
 六 因果的閉包性の原理と汎心論
 七 トノーニの意識の情報統合理論と段階的汎心論
 おわりに――洗練された成層的創発現象としての自由意志

第九章 自由意志は「かのようにの存在」か
 はじめに
 一 「あるという存在」の意味と「かのようにの存在」の意味
 二 意志は身体運動の原因か――リベットの神経科学的実験とヴィットゲンシュタイン
 三 ディスポジション実在論と行為者因果性論の復権
 四 三次元/耐続主義(日常的存在論)か四次元/延続主義(科学主義的存在論)か
 おわりに――脱神秘化された自由意志

初出一覧
索引

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