歴史の中の中国政治

1978年以来、中国経済は目覚ましい発展をとげた。発展は自由な競争原理が機能する市場メカニズムの導入をめざした体制改革とともに、先進的な技術と豊富な資金の導入による国内経済の活性化をめざした対外開放によって促進された。経済・社会の構造変容は、当然のことながら中国政治にも影響をあたえることになる。本書では、長い歴史的風土の中で培われてきた中国の政治構造が、経済・社会の変容によりどのような対応を示すのか、中国政治における重層的な歴史的連続性という視点から、中国政治の近代と現代を考察する。

― 目 次 ―
第1部 近代中国の政治的文脈
近代中国知識人における文化近代化思想の論理
陳炯明支配下の新文化運動
戴季陶の初期日本認識について
北一輝と辛亥革命
南京国民政府の中央権力機構の変遷と蒋介石
李立三路線と地方党組織
第2部 現代中国の政治的文脈
中国の朝鮮戦争第三～五次戦役
映画『苦恋』批判について
脱左傾化時期中国の幹部管理に関する分析
戦後初期台湾における文化再構築（1945～1947）
中国国民の地方統制試論
改革期の中国における中央＝地方関係
中国の政策決定モデル試論
日中関係の変容