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人間科学の哲学 [双書エニグマ]

自由と創造性はどこへいくのか

人間科学の哲学

科学的な決定論と人間の自由の対立は、脳科学等の台頭によって、現代においてこそいっそう先鋭な問題になっている。

著者、編者、訳者など 山口裕之
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-19912-9
出版年月 2005年12月
判型・ページ数 四六判・264ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

本書は人間科学としてソシュールとチョムスキーの言語学、認知心理学、脳科学等をとりあげ、哲学的に吟味するものである。著者は18世紀のフランスの哲学者コンディヤックおよび経験論の研究をべ一スに、現代の人間科学を再検討する視座をとり出し、刺激に満ちた議論を展開している。

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目次

序論 科学と哲学
 1 哲学者の仕事
 2 我々はいつでも「途中」から始める
 3 他者との理解の共有
 4 この本の目的と組み立て

第一章 「人間」をめぐる哲学と科学の歴史
 1 科学は哲学から派生してきた
 2 知覚の成立についての理論
 3 「心の働き」についての理論
 4 他者の心を科学的に研究すること
 5 コンディヤックが主張する言語のさまざまな働き
 6 ソシュールと記号の恣意性
 7 チョムスキーの言語生得説
 8 生得性と創造性

第二章 チョムスキーと言語の普遍主義
 1 言語生得説の根拠
 2 言語生得説に対する既存の批判
 3 幼児は、自ら世界を秩序づけ意味づけつつ生きている動物である
 4 脳の機能局在説と観察者の視点の問題
 5 脳の構造と機能
 6 ニューラルネットと脳の違い
 7 機能局在説が一見するとうまくいくわけと、その限界
 8 ニューラルネットのロボット

第三章 ソシュールと言語相対主義
 1 言語が世界に「輪郭」を設定する
 2 ソシュール理論の問題点
 3 バーリンとケイの『色彩基本語』
 4 色の分類は恣意的ではないのか
 5 気づかれないものは見えないのか
 6 マークマンの「生得的制約説」
 7 ロッシュらの「概念の基本レベル」
 8 なぜ、事実を記述しただけではいけないのか
 9 個体の輪郭の設定
 10 知覚的世界の秩序化と新たな意味の発見
 11 この章のまとめと次章への展開

第四章 知覚と意味
 1 デカルトにおける「知覚の成立」の問題点
 2 経験論哲学による「知覚の成立」の議論
 3 知覚の成立の議論の二つの側面
 4 経験論哲学における知覚と意味との混同
 5 現代の認知心理学における基本的な知覚観
 6 脳の電気生理学の場合
 7 認知心理学における知覚観の問題点
 8 知覚は一般的特徴の組み合わせによって構成されているのか
 9 特徴の再統合の問題
 10 知覚的世界を構成する質
 11 質の類似性
 12 知覚と実在
 13 神経細胞の機能に対する外在的な視点からの解釈の問題
 14 動物の「センサー―運動装置モデル」
 15 神経細胞の機能についての外在的意味づけ
 16 脳の中に小人はいるか
 17 物質とモデル

第五章 意味の共有
 1 意味の共有の議論の進め方
 2 意識を分類する
 3 意識を定義する
 4 他者の発見
 5 行動の秩序化
 6 他者の行動の理解と意味の共有
 7 他者の身体運動が意志的行動であることの理解
 8 行動の動機や関心の理解
 9 理解を確認する行動の動機
 10 共同作業を喜ぶ感性
 11 動物における「伝達行動」
 12 理解を確認する行動
 13 伝達行動へ
 14 音声言語の場合
 15 言語を可能にする人間的な感性

第六章 チンパンジーに言語を教える
 1 ここで取り上げる実験
 2 チンパンジーは、対象から切り離された記号を理解できない
 3 記号を用いて好みの餌を要求する
 4 対象を命名する
 5 記号を見て不在の対象を想起する
 6 人為的な条件下での共同作業
 7 食を分かち合う
 8 チンパンジー同士の共同作業
 9 チンパンジーに言語を教える実験から分かること
 10 記号使用と思考

結語 意味の創造と共有

あとがき
引用文献一覧
事項索引
人名索引

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