戸坂潤全集 3
著者 | 戸坂潤 著 |
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シリーズ | 全集・シリーズ・その他 > 戸坂潤全集 |
出版年月 | 2007年4月 |
ISBN | 978-4-326-14802-8 |
判型・ページ数 | A5・524ページ |
定価 | 5,940円(税込) |
在庫 | 品切れ・重版未定 |
〔内容〕
現代哲学講話
現代唯物論講話
認識論とは何か
〔推薦の言葉〕
万能の百科全書家、戦闘的唯物論者―古在由重
戦争中だったか、あるとき戸坂潤はいつもの快活な笑いをうかべていったこと
がある―「おれはH・G・ウェルズだよ」と。たしかそのとき戸坂はなにか探検
物語みたいなものの解説をかいていた。「そんなものまでやるのかね」という私
の問いへの、それは返事だった。かってウェルズが「タイム・マシン」を書き、
世界史をかき、生物大系をあらわしたように、戸坂もまた万能の百科全書家だっ
たといえる。かれの全集をみれば、そこに哲学、科学とともに文芸、政治そして
文化全般にわたる多彩な思想の景観がその全貌をあらわすだろう。
しかしその本来の面目は、かれがファシズムの戦争との暗黒の時代にあっぱれ
な戦闘的唯物論者として説をまげず、ほれぼれとする男らしさで不屈の闘争をつ
らぬきとうしたところにある。獄死の知らせをきいて、私はおもった―もし唯物
論というものを一個のなまみの肉体にきざみあげるなら、それはやっぱり戸坂潤
のような一つの立像になるほかあるまいな、と。
その頑丈な理性。あくない探究欲。人民の自由のための献身と戦闘性。かれの
全集は近代日本の思想史のほこるべき記念碑である。
現代哲学講話
現代唯物論講話
認識論とは何か
〔推薦の言葉〕
万能の百科全書家、戦闘的唯物論者―古在由重
戦争中だったか、あるとき戸坂潤はいつもの快活な笑いをうかべていったこと
がある―「おれはH・G・ウェルズだよ」と。たしかそのとき戸坂はなにか探検
物語みたいなものの解説をかいていた。「そんなものまでやるのかね」という私
の問いへの、それは返事だった。かってウェルズが「タイム・マシン」を書き、
世界史をかき、生物大系をあらわしたように、戸坂もまた万能の百科全書家だっ
たといえる。かれの全集をみれば、そこに哲学、科学とともに文芸、政治そして
文化全般にわたる多彩な思想の景観がその全貌をあらわすだろう。
しかしその本来の面目は、かれがファシズムの戦争との暗黒の時代にあっぱれ
な戦闘的唯物論者として説をまげず、ほれぼれとする男らしさで不屈の闘争をつ
らぬきとうしたところにある。獄死の知らせをきいて、私はおもった―もし唯物
論というものを一個のなまみの肉体にきざみあげるなら、それはやっぱり戸坂潤
のような一つの立像になるほかあるまいな、と。
その頑丈な理性。あくない探究欲。人民の自由のための献身と戦闘性。かれの
全集は近代日本の思想史のほこるべき記念碑である。