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理由と人格

非人格性の倫理へ

理由と人格
著者、編者、訳者など D.パーフィット
森村 進
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-10120-7
出版年月 1998年6月
判型・ページ数 A5判・800ページ
定価 本体10,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

人格の同一性、道徳性、合理性などにまつわる私たちの奥深い信念を揺るがす、現代倫理学からの挑戦。20世紀後半の最も重要な哲学書。

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目次


謝辞
凡例

I 自己破壊的諸理論

第一章 間接的に自己破壊的な諸理論
 1 自己利益説
 2 〈自己利益説〉はいかにして間接的に自己破壊的でありうるのか
 3 〈自己利益説〉はわれわれに対して、決して自己否定的であってはならないと命ずるか?
 4 〈自己利益説〉はなぜそれ自体の尺度において失敗しないのか
 5 自らを不合理に行動させることは合理的でありうるか?
 6 われわれは不合理に行動するのを避けられないということを〈自己利益説〉が意味するのはいかにしてか
 7 〈自己利益説〉が道徳と衝突するときに〈自己利益説〉を斥ける議論
 8 この議論はなぜ失敗するのか
 9 〈自己利益説〉はいかにして自己抹消的かもしれないのか
 10 〈帰結主義〉はいかにして間接的に自己破壊的なのか
 11 〈帰結主義〉はなぜそれ自体の尺度において失敗しないのか
 12 幻想の倫理
 13 集団的帰結主義
 14 責められない不正行為
 15 不正に行動するのを避けることは不可能か?
 16 自らを不正に行動させることは正当でありうるか?
 17 〈帰結主義〉はいかにして自己抹消的かもしれないのか
 18 硬直性を想定する反論
 19 合理的であることや道徳的であることは単なる手段でありうるか?
 20 いくつかの結論

第二章 実践的ディレンマ
 21 なぜ〈帰結主義〉は直接的に自己破壊的ではありえないのか
 22 理論はいかにして自己破壊的でありうるのか
 23 〈因人のディレンマ〉と公共財
 24 実践的問題とその諸解決

第三章 道徳数学における五つの誤り
 25 全体のシェア説
 26 行為の集合の影響の無視
 27 小さなチャンスの無視
 28 小さな、あるいは気がつかないほどの影響の無視
 29 気がつかないほどの害や利益はありうるか?
 30 多元的決定
 31 合理的利他主義

第四章 直接的に自己破壊的な諸理論
 32 〈因人のディレンマ〉において、〈自己利益説〉はそれ自体の尺度で失敗するか?
 33 道徳の別の悪い弁護
 34 時刻間ディレンマ
 35 〈自己利益説〉の悪い弁護
 36 〈常識道徳〉はいかにして直接的に自己破壊的か
 37 道徳理論の五つの部分
 38 われわれはいかにして〈常識道徳〉を、それが自己破壊的にならないように改訂できるか
 39 われわれはなぜ〈常識道徳〉を改訂すべきなのか
 40 もっと単純な改訂

第五章 二つの可能性
 41 〈常識道徳〉と〈帰結主義〉との間隔を縮小する
 42 第一の可能性
 43 なされるべき仕事
 44 第二の可能性

II 合理性と時間

第六章 〈自己利益説〉に対する最善の反論
 45 現在目的説
 46 欲求が内在的に不合理だとか、合理的に要求されるということがありうるか?
 47 三つの競合する説
 48 心理的エゴイズム
 49 〈自己利益説〉と道徳
 50 私の第一の議論
 51 〈自己利益説論者〉の第一の回答
 52 時間的中立性はなぜ〈自己利益説〉と〈現在目的説〉の間の争点ではないのか

第七章 完全な相対性への訴え
 53 〈自己利益説論者〉の第二の回答
 54 シジウィックの示唆
 55 〈自己利益説〉はどうして不完全にしか相対的でないのか
 56 シジウィックはいかにして道に迷ったのか
 57 形式的レベルに適用されたこの訴え
 58 他の主張に適用されたこの訴え

第八章 時間への異なる態度
 59 自己の過去の欲求に何の重みも与えないのは不合理か?
 60 価値判断あるいは理想に依存する欲求
 61 ただの過去の欲求
 62 自分の遠い未来を気にかける程度が小さくなるのは不合理か?
 63 自殺的な議論
 64 過去あるいは未来の苦しみ
 65 因果関係の方向
 66 時間的中立性
 67 なぜわれわれは未来へのバイアスを持つべきでないのか
 68 時間の経過
 69 非対称性
 70 いくつかの結論

第九章 われわれはなぜ〈自己利益説〉を斥けるべきなのか
 71 将来の後悔への訴え
 72 プロクシムスの敗北はなぜ〈自己利益説〉の勝利にならないのか
 73 首尾一貫性の欠如への訴え
 74 いくつかの結論

III 人格の同一性

第十章 われわれは自分自身を何であると信じているのか
 75 〈単純な遠隔輸送〉と〈分岐線ケース〉
 76 性質的同一性と個数的同一性
 77 人格の同一性の物理的基準
 78 心理的基準
 79 他の諸見解

第十一章 われわれは自分たちが信じているものではない。それはいかにしてか
 80 心理的継続性は人格の同一性を前提とするか?
 81 経験の主体
 82 〈非還元主義的見解〉はいかにして真でありうるか
 83 〈心理的基準〉に反対するウィリアムズの議論
 84 心理的スペクトラム
 85 物理的スペクトラム
 86 混合的スペクトラム

第十二章 われわれの同一性は重要なことではない。それはなぜか
 87 分割された心
 88 何が意識の統一性を説明するのか?
 89 私が分裂するとき何が起きるのか?
 90 私が分裂するとき何が重要なのか?
 91 二つの説得的な要求を満たしうる同一性基準が存在しないのはなぜか
 92 ヴィトゲンシュタインとブッダ
 93 私は本質的には私の脳か?
 94 真実の見解は信じられるか?

第十三章 重要なこと
 95 自我からの解放
 96 身体の継続性
 97 分岐線ケース
 98 シリーズ―人格
 99 私はタイプかトークンか?
 100 部分的生存
 101 引き続く自我

第十四章 人格の同一性と合理性
 102 極端な主張
 103 〈自己利益説〉に反対するよりよい議論
 104 〈自己利益説論者〉の反論
 105 〈古典的自己利益説〉の敗北
 106 無分別の非道徳性

第十五章 人格の同一性と道徳
 107 自律とパターナリズム
 108 生の二つの境界
 109 功績
 110 コミットメント
 111 人格の別個性と配分的正義
 112 功利主義見解の三つの説明
 113 原理の適用範囲を変える
 114 原理の重みを変える
 115 誰か別の者に利益を与えるだけのために誰かに不利益を負わせるのは正当でありうるか?
 116 〈平等原理〉に与える重みを小さくする議論
 117 もっと極端な議論
 118 いくつかの結論

IV 未来の世代

第十六章 非同一性問題
 119 実際にはわれわれの同一性は、われわれがいつ受胎されたかに依存している。それはいかにしてか
 120 三種類の選択
 121 われわれは未来の人々の利益にどれだけの重みを与えるべきか?
 122 ある少女の子供
 123 生の質を低下させることが誰にとっても悪化にならないかもしれない。それはいかにしてか
 124 権利への訴えかけはなぜこの問題を解決できないのか
 125 非同一性の事実は道徳上の相違をもたらすか?
 126 遠い未来において予言できる破局を引き起こすこと
 127 いくつかの結論

第十七章 いとわしい結論
 128 もっと多くの人々がいる方がよいか?
 129 現存する人々に及ぼす人口増加の影響
 130 人口過剰
 131 いとわしい結論

第十八章 ばかげた結論
 132 いわゆる〈非対称性〉
 133 理想的契約の方法はなぜ解決を提供しないのか
 134 狭い人格影響的原理
 135 われわれはなぜこの原理に訴えられないのか
 136 二つの広い人格影響的原理
 137 可能な諸説
 138 受苦の総計
 139 〈無価値レベル〉への訴え
 140 辞書的見解
 141 いくつかの結論

第十九章 単純追加パラドックス
 142 単純追加
 143 われわれはなぜ〈平均原理〉を斥けるべきなのか
 144 われわれはなぜ不平等への訴えを斥けるべきなのか
 145 〈パラドックス〉の第一ヴァージョン
 146 われわれはまだ〈いとわしい結論〉を受容するように強いられていない。それはなぜか
 147 〈悪いレベル〉への訴え
 148 〈パラドックス〉の第二ヴァージョン
 149 〈パラドックス〉の第三ヴァージョン

最終章
 150 非人格性
 151 議論の別々の種類
 152 われわれは私の結論を歓迎すべきか、それとも嘆くべきか?
 153 道徳的懐疑論
 154 人類史も倫理学史も始まったばかりかもしれない。それはどうしてか

補 論
 A ごまかしのない世界
 B わたしの弱い結論がいかにして〈自己利益説〉を実際上打ち破るのか
 C 自己利益に関する諸説と合理性
 D ネーゲルの脳
 E 最近接継続者図式
 F 社会的割引率
 G ある人を存在させることはこの人に利益を与えることでありうるか
 H ロールズ的諸原理
 I ある者の生を最もうまく行かせるもの
 J ブッダの見解


訳者解説 倫理学も進歩する
文献表
人名索引

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