ホーム > 生命学に何ができるか

生命学に何ができるか

脳死・フェミニズム・優生思想

生命学に何ができるか
著者、編者、訳者など 森岡正博
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-65261-7
出版年月 2001年11月
判型・ページ数 四六判・506ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

生と死の問題を全く新しい角度から考え直す。その営みを著者は生命学と呼ぶ。主なテーマは副題にある三つ。まず脳死について。最新の医学情報を織り込みつつ、「脳死の人」以来の思想が深められる。次に日本の生命倫理の出発点である1970年代のウーマン・リブおよび障害者運動のロジックを取り出す。中絶をめぐる女性・胎児・障害者の現実と権利が丁寧にフォローされる。そこにはまた優生思想の問題が色濃く貼りついている。国家によって民族の優秀性を保持するといった類の考え方はさすがに後退したが、個々人の選択に委ねられる優生思想は残った。それをどう考えるか。1996年以来の久々の単著。

このページのトップへ

目次

はじめに

序 脳死との出会い

第一章 いま脳死を再考する
 1 脳死の真実
 2 脳死論の系譜
 3 脳死の存在論

第二章 生命と他者──〈揺らぐ私〉のリアリティ
 1 脳還元主義の生命観
 2 パーソン論のリアリティ
 3 パーソン論との対決
 4 他者論のリアリティ

第三章 ウーマン・リブと生命倫理
 1 ウーマン・リブとの出会い
 2 優生保護法改正とは何だったのか
 3 一九七二年の改正案とウーマン・リブの対応
 4 性と生殖に関する三つの主張
 5 七〇年代日本のフェミニズム生命倫理が提起したもの

第四章 田中美津論──とり乱しと出会いの生命思想
 1 便所からの解放
 2 否定される女
 3 どん底からの自己肯定
 4 エロスと生命
 5 「とり乱し」と「出会い」
 6 男のものの見方
 7 田中美津との出会い
 8 田中美津の生命思想

第五章 「暴力としての中絶」と男たち
 1 中絶と自己決定権
 2 可能性の殺人
 3 暴力としての中絶
 4 「責め」を引き受けること
 5 「男たちの生命倫理」の提唱

第六章 障害者と「内なる優生思想」
 1 優生思想とは何か
 2 「青い芝の会」と「健全者幻想」
 3 障害者と女性はなぜ対立したか
 4 「内なる優生思想」は克服できるのか
 5 予防福祉論と障害者共生論
 6 選択的中絶のほんとうの問題点とは
 7 女性には障害胎児を殺す権利があるのか
 8 優生思想と闘うこと
 9 いくつかの論点
 10 優生学の新展開をどう考えればよいのか
 11 「内なる優生思想」と生命学の可能性

最終章 生命学に何ができるか
 1 生命学とは何か
 2 悔いのない人生を生き切るために
 3 生命世界の探求
 4 生命学の方法論


あとがき
初出一覧
文献一覧

このページのトップへ