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東アジアの良妻賢母論 [双書ジェンダー分析]

創られた伝統

東アジアの良妻賢母論

日本の良妻賢母、中国の賢妻良母、韓国の賢母良妻という女性像は、儒教文化に基づく伝統ではなく近代の生み出したものと位置づける。

著者、編者、訳者など ジンジョンウォン
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-64873-3
出版年月 2006年11月
判型・ページ数 A5判・308ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

良妻賢母(日本)、賢妻良母(中国)、賢母良妻(韓国)は儒教文化に基づく伝統的女性像ではなく、近代になって約100年ほど前に生みだされたものだったと詳細に実証。<夫に対してはよい妻であり、子に対しては賢い母であるべきだ>という女性の社会的役割についての伝統的な考え方を、これまで良妻賢母思想とみなしてきた。そしてこれは旧来からある束縛的な女性規範だと思われていた。しかし本書ではこの通念をうち破り、これが近代の産物であることを、3ヵ国の女性思想を追求しつつ明らかにする。

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目次

はしがき

序章 創造された伝統としての「良妻賢母」
 1 時間軸と空間軸から「伝統」を見なおす――本書のアプローチ
 2 「新女性」と「賢妻良母」――研究史と本書の課題
 3 本書の構成

Ⅰ 近代東アジアの女子教育思想と「良妻賢母」

第1章 東アジアの視座からみる「良妻賢母」の近代性
 1 近代的女性像としての「良妻賢母」
 2 日本の「良妻賢母」研究――近代天皇制国家を支えるイデオロギー
 3 韓国の「賢母良妻」研究――植民地支配と伝統的性差別からなる抑圧構造
 4 中国の「賢妻良母」研究――伝統的な性役割の近代的変容

第2章 近代東アジアの「良妻賢母」とその西欧的起源――明治啓蒙思想の女性観と中村正直
 1 中村正直の洋学観とイギリス留学
 2 中村正直の女子教育観
 3 女子教育の体制化と「良妻賢母」の変容
 4 明治啓蒙思想の女性論と近代中国――中村正直と梁啓超

第3章 日本の「良妻賢母」像の中国伝播――下田歌子と服部宇之吉
 1 下田歌子の「良妻賢母主義」
 2 近代中国女性史からみる服部宇之吉
 3 『礼記』に基づく服部宇之吉の中国女性観
 4 服部宇之吉と予教女学堂
 5 「良妻賢母」の中国伝播と変容

Ⅱ 五四新文化運動と「賢妻良母」の変容

第4章 五四新文化運動と女性論の旋回――商務印書館と『婦女雑誌』
 1 売られる商品としての『婦女雑誌』
 2 女性読者の形成と『婦女雑誌』の創刊
 3 商務印書館の対応
 4 知識界の再編と女性論
 5 中国女性論と『婦女雑誌』――時間的な連続性、空間的な非連続性

第5章 民国初期の新しい女性像「賢妻良母」――1915年~1919年
 1 新しい「賢妻良母」イメージの創出
 2 衛生観念と家庭経済の管理
 3 「賢妻良母」を支える名分――国家のために、民族のために

第6章 新女性イメージの創出――1920年~1925年
 1 ノラと新女性イメージの創出
 2 『婦女雑誌』と「脱性化」する中国女性論
 3 「賢妻良母」と旧女性イメージの創出

第7章 「賢妻良母」の伝統化――1925年~1931年
 1 新文化運動に対する牽制と反動
 2 近代消費文化と女性
 3 中国の伝統としての「賢妻良母」

終章 「賢妻良母」から編みなおす中国近代史
 1 「婦女回家」論争と「新賢妻良母」
 2 「賢妻良母」でつなぐ近代中国史の外延
 3 「賢妻良母」で組みなおす近代中国史の内縁
 4 中国における伝統化と儒教原理の変容

参考文献
あとがき
人名索引
事項索引

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