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育児のジェンダー・ポリティクス [双書ジェンダー分析]

育児のジェンダー・ポリティクス

育児を通じて男女の不平等が生み出されるのはなぜか。日本、フランス、スウェーデンの調査から「夫婦で育児」の肉声を伝える。

著者、編者、訳者など 舩橋惠子
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-64872-6
出版年月 2006年5月
判型・ページ数 A5判・272ページ
定価 本体3,300円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

誰が育児をになっているのか。フランス、スウェーデン、日本の調査から育児をとおしてカップルが不平等な関係に陥るメカニズムや平等であろうとする可能性を探る。夫が稼ぎ手役割をおりて育児主体になるという選択から妻が育児に専念するというタイプまで、<夫婦で育児>の4パターンを抽出、3ヵ国のナマの声をとりあげて育児のあり方を見つめる。保育学校を中心とする多彩な制度をもつフランス。きめ細かな育休制度やパパ月のあるスウェーデン。日本はこれからどうすればよいのか。具体的に考える。

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目次

はしがき

序章 育児にひそむジェンダー・ポリティクス
 1 家族内在的なジェンダー秩序の探求
 2 育児に関わる社会制度の改革とジェンダー秩序
 3 マクロな社会政策とミクロな家族戦略のジェンダー・ポリティクス
 4 本書の構成

Ⅰ 調査研究の枠組

第1章 育児とジェンダーをめぐる理論的課題
 1 家族・労働市場・ジェンダーの基本的関係
 2 ジェンダー秩序の理論
 3 福祉レジーム論におけるジェンダーの視点の導入
 4 家事・育児分担に関する実証的研究
 5 本書の課題

第2章 比較社会学の視点と方法
 1 比較社会学という方法
 2 日本・フランス・スウェーデンを選んだ理由
 3 スウェーデンの育児環境
 4 フランスの育児環境
 5 日本の育児環境

第3章 フィールドワークからの発見
 1 調査のデザイン
 2 3ヵ国におけるインタビュー調査
 3 分析方法
 4 4つの通文化的類型の析出
 5 性役割配分の視点から見た4類型

Ⅱ 「夫婦で育児」の通文化的4類型

第4章 平等主義タイプ
 1 典型的な「平等主義」タイプのプロフィール
 2 <平等>はどのように捉えられているか
 3 <平等>を促すもの
 4 平等主義カップルにおける微妙なジェンダー秩序

第5章 役割逆転タイプ
 1 典型的な「役割逆転」タイプのプロフィール
 2 男性が稼ぎ手役割から降りて育児の主体になるという選択の意味
 3 「役割逆転」に孕まれている機制
 4 不徹底な逆転

第6章 女性の二重役割タイプ
 1 典型的な「女性の二重役割」タイプのプロフィール
 2 不平等な家事分担の正当化
 3 妻の断念と抱え込み
 4 外部サポートによる緊張緩和

第7章 男性の二重役割タイプ
 1 典型的な「男性の二重役割」タイプのプロフィール
 2 不平等な総労働時間の正当化
 3 夫の家事・育児参加の条件
 4 「男性の二重役割」タイプの限界
 5 第Ⅱ部のまとめ

Ⅲ ジェンダー・ポリティクス

第8章 平等主義タイプへの移行過程
 1 「平等主義」タイプへの典型的移行事例
 2 「男性の二重役割」タイプからの離脱条件
 3 「女性の二重役割」タイプから「平等主義」タイプへ
 4 移行過程の全体像

第9章 世代間の変動
 1 フランス農民家族の2世代の事例
 2 性役割の流動化
 3 父親役割の構造的変動と新しい父親役割についての考察
 4 世代間変動の仮説的モデル

第10章 社会政策とカップルの戦略
 1 マクロの社会政策とミクロの家族戦略
 2 スウェーデンにおける育児休業制度の発展とカップルの育児休業取得戦略
 3 フランスの保育・教育制度の発達とカップルの両立戦略
 4 日本社会への示唆

終章  ジェンダー変革の困難と希望
 1 通文化的4類型を貫くジェンダー秩序のベクトルと対抗ベクトル
 2 育児に関わる社会政策のジェンダー効果
 3 社会政策とカップルの戦略との相互規定関係
 4 比較社会学的変動論
 5 本書の意義と限界

参考文献
あとがき
索引

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