ドイツ成年後見ハンドブック
ドイツ世話法の概説
日本で、現行の禁治産・準禁治産制度に代えて高齢化社会に対応した財産保全・身上保護を目的とした新しい成年後見法がまもなく施行されようとしているが、ドイツでは、ドイツ版成年後見法ともいえる「世話法」がすでに施行されている。本書は、そのドイツにおいてバイエルン司法省が名誉職世話人の研修・教育用として作成したハンドブックのうち、世話法に関する第1部を翻訳したもので、専門的な法律知識を持たない者にも、法制度のあり方から書類の見本まで、豊富な実例にもとづいて極めて具体的・平易に解説する。これからの日本における後見実務に成年後見先進国であるドイツの経験を活かし、実りあるものとするための格好の手引書。
意思の尊重はいかになされるのか
目次
1 世話法の概要
2 行為能力、行為無能力および同意留保に関する効果(法律効果)
3 後見裁判所の許可
4 世話と財産管理
5 後見裁判所による支援と監督および世話人への助言
6 法律上の救済手段
7 個人世話人の責任とその保険による保護
8 費用償還、費用補償および報酬
9 世話の「費用」に対する被世話人の支払義務
10 予防的代理人と世話に関する指定―書式例
解題 ドイツ成年後見制度の現代的展開とわが国新制度運用上の課題
索引
世話制度独和対照用語集