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貧困と脆弱性の経済分析 [開発経済学の挑戦]

貧困と脆弱性の経済分析

最新の研究動向を展望し、「開発のミクロ経済学」を途上国の貧困や脆弱性の分析に応用して、貧困削減政策について考察する。

著者、編者、訳者など 黒崎卓
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-54601-5
出版年月 2009年1月
判型・ページ数 A5判・320ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

現在の開発・援助政策の動向は、客観的根拠に基づいた貧困の実態分析と貧困削減政策の評価を一層重要なものにしており、これに応える膨大な数の研究が手法面・事例研究双方で急速に蓄積されつつある。本書は最新の研究動向を展望し、「開発のミクロ経済学」を途上国の貧困や脆弱性の分析に応用して、貧困削減政策について言及する。

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目次

はしがき

序章 途上国の貧困・脆弱性問題
 0.1 本書のねらい
 0.2 キーワード
 0.3 本書の構成

第1部 貧困の経済分析の基本

第1章 貧困の概念と計測
 1.1 多様な貧困概念
 1.2 所得貧困アプローチ:貧困の同定とそのミクロ経済学的背景
 1.3 貧困指標への集計
 1.4 パキスタン北西辺境州家計データでの貧困指標の計測
 1.5 結び:複眼的な貧困の計測にむけて
 Box 1.1 家計所得・消費計算における帰属計算の例

第2章 家計レベルの所得貧困の決定要因
 2.1 貧困プロフィール分析
 2.2 ミクロ「貧困回帰分析」の陥穽
 2.3 消費(所得)回帰分析による貧困のミクロ分析
 2.4 結  び

第3章 経済成長、不平等、貧困のトライアングル
 3.1 経済成長、不平等、貧困のトライアングル
 3.2 マクロ、セミマクロ集計データを用いた分析
 3.3 消費の分布全体の動学を考慮した実証分析
 3.4 「貧困に資する成長」研究の課題

第4章 貧困削減政策の評価
 4.1 貧困削減政策のターゲティング
 4.2 政策評価の基本的考え方
 4.3 客観的な政策評価のための諸手法
 4.4 政策評価研究の今後の課題
 Box 4.1 パキスタン農村部における住民参加型開発政策のインパクト

第2部 貧困・脆弱性の動学的ミクロ分析

第5章 経済階層移動と脆弱性の概念
 5.1 パネルデータで見た貧困の流動性
 5.2 構造的な経済階層移動と脆弱性
 5.3 厚生水準の絶対的低下リスクとしての脆弱性
 Box 5.1 パキスタンNWFP調査での思いがけない「抜け落ち」

第6章 不確実性下の動学家計モデルに基づく貧困・脆弱性分析
 6.1 不確実性下の動学家計モデル
 6.2 動学家計モデルに基づく脆弱性の理論的定義
 6.3 動学家計モデルに基づく貧困・脆弱性の実証分析
 6.4 貧困の多面的側面の計測としての脆弱性分析
 6.5 脆弱性に関するミクロ経済学的研究の今後の課題
 Box 6.1 南インドで出会った医療の問題と家計の脆弱性

第7章 脆弱性の諸指標
 7.1 既存研究における脆弱性の諸指標
 7.2 パキスタンへの応用
 7.3 脆弱性の指標に関する研究の今後の課題

第8章 貧困の一時的要因と慢性的要因への分解
 8.1 慢性的貧困と一時的貧困への要因分解
 8.2 一時的貧困指標が満たすべき特徴
 8.3 パキスタンNWFPデータへの応用
 8.4 一時的貧困と慢性的貧困の要因分解を用いる場合の留意点

第9章 所得ショックに対する消費の「過度の反応」
 9.1 完全なリスクシェアリングを基準とした脆弱性の分析
 9.2 厚生低下に焦点を当てた脆弱性分析
 9.3 パキスタンNWFPデータでの実証
 9.4 今後の研究課題:リスクシェアリング・モデルの拡張
 Box 9.1 フィールド調査で見る家計レベルの食糧確保

終章 途上国の貧困・脆弱性分析の今後
 10.1 途上国の貧困・脆弱性を考える経済学の視点
 10.2 途上国の貧困削減政策を考える経済学の視点

付録 パキスタン北西辺境州の2時点パネルデータ

参考文献
索  引

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