ジェンダー経済格差
なぜ格差が生まれるのか、克服の手がかりはどこにあるのか
男性と女性と企業の協カ・対立・駆け引き──雇用制度と性別分業とビジネス慣行、その相互依存構造。ワーク・ライフ・バランス社会は実現しうるか、根本から問う。
男性の平均賃金や就業率は女性より高い。男性と女性では労働/育児の時間配分が違う。程度の差はあるが、ほとんどすべての国で共通の経済活動指標における男女間格差、つまり「ジェンダー格差」は何によって生じるのか。ゲーム理論を用いてそのメカニズムを理解し、日本的雇用制度と性別分業の相互依存関係を理論・実証両面で解明する。
第51回 日経・経済図書文化賞受賞
男性の平均賃金や就業率は女性より高い。男性と女性では労働/育児の時間配分が違う。程度の差はあるが、ほとんどすべての国で共通の経済活動指標における男女間格差、つまり「ジェンダー格差」は何によって生じるのか。ゲーム理論を用いてそのメカニズムを理解し、日本的雇用制度と性別分業の相互依存関係を理論・実証両面で解明する。
第51回 日経・経済図書文化賞受賞
序章 ジェンダー経済格差とは何か:課題と分析方法
1.問題意識
2.国際比較
3.本書のアプローチ
4.本書の構成
第1章 ジェンダー経済格差は男女の適性の違いから生じるのか:
教育・就業選択の諸理論
1.課題と構成
2.生物学的性差仮説と社会環境仮説
3.経済合理的選択仮説
4.まとめ
第2章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅰ]:
非合理的差別の諸理論
1.課題と構成
2.差別の定義
3.嗜好による差別
4.非合理的差別の類型
5.まとめ
第3章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅱ]:
統計的差別の諸理論
1.課題と構成
2.能力格差に基づく賃金差別のモデル
3.離職確率格差に基づく採用差別のモデル
4.政策的インプリケーション
5.まとめ
第4章 現実は理論を支持しているのか:
差別の実証分析
1.課題と構成
2.先行研究
3.データ
4.非合理的差別の検証
5.統計的差別の実証分析
6.まとめ
補論 記述統計量
第5章 ジェンダー経済格差を生み出すメカニズムは何か
1.課題と構成
2.ジェンダー経済格差を生み出す構造
3.「企業における女性差別的雇用制度」と
「家庭における性別分業」の相互依存関係
4.「企業における女性差別的雇用制度」と
「WLBを無視したビジネス慣行」の相互依存関係
5.「家庭における性別分業」と
「WLBのためのインフラの不備」の相互依存関係
6.企業による採用ゲームと国民による投票ゲームの結合
7.まとめ
補論 第3節のモデルの均衡の導出
第6章 なぜ日本の雇用制度のもとでは女性が活躍しにくいのか
1.課題と構成
2.内部労働市場
3.日本的雇用制度と性別分業の相互依存関係
4.<企業における女性差別的雇用制度=家庭における
性別分業>均衡からの脱却
5.まとめ
第7章 結婚や出産によって賃金はどう変わるのか:
結婚・出産プレミアムの男女比較
1.課題と構成
2.結婚プレミアム/ペナルティと出産プレミアム/
ペナルティの定義
3.先行研究
4.デー夕
5.推定結果
6.まとめ
補論 記述統計量
第8章 男女が働きやすい職場とは:
均等化施策とワーク・ライフ・バランス施策が
賃金と就業継続意欲に及ぼす影響
1.課題と構成
2.予想される結果
3.分析方法
4.推定結果
5.まとめ
補論1「社員が知っている育児支援制度数(個人属性調整済)」
の導出方法
補論2「本人以外の社員か知っている育児支援制度数
(個人属性調整済)」の導出方法
6.まとめ
第9章 革新的企業では女性が活躍しているのか:
コーポレート・ガバナンス/経営改革と女性の活躍
1.課題と構成
2.データ
3.実証モデル
4.ステークホルダーと雇用制度/経営改革
5.推定結果
6.まとめ
終章 ワーク・ライフ・バランス社会実現をめざして
1.これまでの議論のまとめ
2.政府によるWLB政策
3.情報開示政策
参考文献
あとがき
索引
1.問題意識
2.国際比較
3.本書のアプローチ
4.本書の構成
第1章 ジェンダー経済格差は男女の適性の違いから生じるのか:
教育・就業選択の諸理論
1.課題と構成
2.生物学的性差仮説と社会環境仮説
3.経済合理的選択仮説
4.まとめ
第2章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅰ]:
非合理的差別の諸理論
1.課題と構成
2.差別の定義
3.嗜好による差別
4.非合理的差別の類型
5.まとめ
第3章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅱ]:
統計的差別の諸理論
1.課題と構成
2.能力格差に基づく賃金差別のモデル
3.離職確率格差に基づく採用差別のモデル
4.政策的インプリケーション
5.まとめ
第4章 現実は理論を支持しているのか:
差別の実証分析
1.課題と構成
2.先行研究
3.データ
4.非合理的差別の検証
5.統計的差別の実証分析
6.まとめ
補論 記述統計量
第5章 ジェンダー経済格差を生み出すメカニズムは何か
1.課題と構成
2.ジェンダー経済格差を生み出す構造
3.「企業における女性差別的雇用制度」と
「家庭における性別分業」の相互依存関係
4.「企業における女性差別的雇用制度」と
「WLBを無視したビジネス慣行」の相互依存関係
5.「家庭における性別分業」と
「WLBのためのインフラの不備」の相互依存関係
6.企業による採用ゲームと国民による投票ゲームの結合
7.まとめ
補論 第3節のモデルの均衡の導出
第6章 なぜ日本の雇用制度のもとでは女性が活躍しにくいのか
1.課題と構成
2.内部労働市場
3.日本的雇用制度と性別分業の相互依存関係
4.<企業における女性差別的雇用制度=家庭における
性別分業>均衡からの脱却
5.まとめ
第7章 結婚や出産によって賃金はどう変わるのか:
結婚・出産プレミアムの男女比較
1.課題と構成
2.結婚プレミアム/ペナルティと出産プレミアム/
ペナルティの定義
3.先行研究
4.デー夕
5.推定結果
6.まとめ
補論 記述統計量
第8章 男女が働きやすい職場とは:
均等化施策とワーク・ライフ・バランス施策が
賃金と就業継続意欲に及ぼす影響
1.課題と構成
2.予想される結果
3.分析方法
4.推定結果
5.まとめ
補論1「社員が知っている育児支援制度数(個人属性調整済)」
の導出方法
補論2「本人以外の社員か知っている育児支援制度数
(個人属性調整済)」の導出方法
6.まとめ
第9章 革新的企業では女性が活躍しているのか:
コーポレート・ガバナンス/経営改革と女性の活躍
1.課題と構成
2.データ
3.実証モデル
4.ステークホルダーと雇用制度/経営改革
5.推定結果
6.まとめ
終章 ワーク・ライフ・バランス社会実現をめざして
1.これまでの議論のまとめ
2.政府によるWLB政策
3.情報開示政策
参考文献
あとがき
索引