環境経済学のフロンティア

環境問題には、人間の経済活動が地球規模の環境に過度の負荷を与える「地球環境問題」と総称される多くの問題がある一方、多数の発展途上国こおいてはいまだに貧困が解決されず、環境劣化と貧困の悪循環が繰り返される傾向にある。問題解決には、人間の意思決定メカニズムを分析する経済学の立場からは、資源配分を制御し、持続可能な発展を実現することを目標とするのが自然であると思われる
　本書では細かいテーマや分析手法を限定せず、多岐にわたる環境経済の諸問題を総合的に捉え、有効な経済学的方策をさぐる。

第Ⅰ部　環境問題の基礎

第1章　環境問題と環境経済学：基礎
第2章　気候変動問題と持続可能な発展：効率性、衡平性、持続可能性
第3章　気候変動に関する統合評価モデルの展望
第4章　環境規制と排出許可証市場

第Ⅱ部　環境問題と企業行動

第5章　外部不経済下の環境規制と参入規制
第6章　直接投資による汚染除去技術の伝播と発展途上国の環境規制

第Ⅲ部　廃棄物とリサイクル

第7章　不法投棄、リサイクル、及びモニタリングの経済分析
第8章　外部性をもつ資源利用、及び、廃棄物処理の一般均衡分析

第Ⅳ部　環境問題のゲーム理論的分析

第9章　 国際環境協定と提携の安定性
第10章　民事訴訟導入による最適エンフォースメント政策の比較制度分析
第11章　環境ダメージと使用者責任

第Ⅴ部　持続可能な発展へのアプローチ

第12章　環境クズネッツ曲線の検証：国際データによるクロスカントリー分析
第13章　経済成長モデルにおける再生可能資源と環境汚染
第14章　グリーン国民純生産の再考察

索引