キルケゴール著作活動の研究 (前篇)

─青年時代を中心に行われた文学研究の実態─

キルケゴール著作活動の研究 (前篇)
著者 大谷 愛人
ジャンル 哲学・思想・倫理
シリーズ オンデマンド書籍
出版年月 2007年4月
ISBN 978-4-326-98051-2
判型・ページ数 A5・1256ページ
定価 20,900円(税込)
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本書は、キルケゴールの生涯をとおした著作活動の全般にわたり、その文学研究の構造のすべてを分析することにより彼の思想の生成過程を詳細に解明する。(1989年2月25日 第1版第1刷発行)

まえがき
凡例

序論──課題と方法
 A 本研究の課題
 B 研究の思考的条件
 C 本研究の方法
 D 資料の問題

論題

第一部 文学史的背景

 序説

 第一章 十九世紀前半デンマークの文学史的状況
  第一節 同時代デンマーク文学史の表通りの状況
  第二節 ヨーロッパ文学史の底流の状況
        ──ドン・ファン、ファウスト、アハスヴェルスの文学──

 第二章 アハスヴェルス文学史とキルケゴール
  第一節 文献目録について
  第二節 アハスヴェルス伝説の誕生過程
  第三節 宗教改革の時期と民衆本
  第四節 十八世紀の学術論文と芸術詩
  第五節 ゲーテとC・D・F・シューバート
  第六節 十九世紀前半アハスヴェルス文学の最盛期
  第七節 デンマークにおけるアハスヴェルス文学
  むすび

第一部の総括

第二部 初期の文学研究

 序説

 第一章 一八三四年九月から一八三五年夏休まで
  第一節 この時期の背景
  第二節 最初の文学研究
  第三節 この時期の結末

 第二章 一八三五年夏から一八三六年二月まで
  第一節 一八三五年夏休の意味
  第二節 一八三五年秋以降の生活と文学研究

 第三章 一八三六年二月下旬から四月下旬までの期間
  第一節 この時期の性格
  第二節 専門的な文学研究への移行
  第三節 文学的立場としての「アハスヴェルスの立場」の発見と採用
 
 第二部の総括

第三部 三つの文学的形象
     (ドン・ファン、ファウスト、
      アハスヴェルス〔永遠のユダヤ人〕)の研究
 
 序説

 第一章 ドン・ファンの研究
  第一節 研究の特徴
  第二節 研究の経過
  第三節 総括と展望

 第二章 ファウストの研究
  第一節 研究の特徴
  第二節 研究の経過
  第三節 総括と展望

 第三章 アハスヴェルスの研究
  第一節 研究の特徴
  第二節 研究の経過
  第三節 総括と展望

 第三部の総括

第四部 「美的なもの」の概念の研究
 
 序説

 第一章 ロマン主義文学の研究
  第一節 研究の特徴
  第二節 研究の経過

 第二章 「ローマン的なもの」という概念の探究
  第一節 「古代ギリシア・ローマ的なもの」と
        「ローマン的なもの」との相違
  第二節 三つのロマン主義思想の比較
  第三節 「ローマン的なもの」の領域

 第三章 「美的なもの」の段階の研究
       ──実存の段階理論の起源と形成──
  第一節 段階理論についての通説の形成
        ──表通りの研究者たちの学説
  第二節 隠れた四人の研究者の成果
        ──通説に乗らない裏通りの研究者たちの功績
  第三節 通説への批判と新しい展開
  第四節 段階理論についての本書の見解

 第四部の総括

第五部 詩の領域・方法・立場の研究

 序説

 第一章 詩の領域・方法・立場についての基本的研究
  第一節 神話・童話・音楽との関係
  第二節 詩の基本形式
       ──抒情詩・叙事詩・戯曲詩──の究明とそれらの各領域の設定
 
 第二章 処女作品における集約
  第一節 一八三八年四月──五月下旬の間の大転換
  第二節 『処女作品』における集約

 第三章 一八四一年夏以降における詩の概念の新たな展開
  第一節 ヘーゲルの『美学講義』ならびに アリストテレスの『詩学』からの刺激
  第二節 美学と他の諸学
        ──形而上学と倫理学──との境界設定
  第三節 『私の講義のための構想』
  第四節 「喜劇的なもの」の概念と「悲劇的なもの」の概念の定義

 第五部の総括

第六部 方法的原理としての弁証法の研究

 序説

 第一章 首尾一貫性の原理の研究
  第一節 首尾一貫性の概念
  第二節 方法形成の試み

 第二章 アイロニーの研究
  第一節 アイロニーの概念の研究過程
  第二節 ソクラテス研究の性格
  第三節 ソクラテスのアイロニー
  第四節 世界史におけるアイロニーの出現形態
  第五節 アイロニーの概念の構図
  第六節 アイロニーの概念の定義
  第七節 アイロニーの問題性

 第三章 ユーモアの研究
  第一節 ユーモアの概念の形成過程
  第二節 ヨハンネス・クリマクスのユーモアの性格
  第三節 ヨハンネス・クリマクスのユーモアの
        弁証法的自己撤収性
  第四節 ユーモアの概念と著作活動の方法

 第六部の総括

第七部 「著作家の立場」の実験と探究

 序説

 第一章 「アハスヴェルスの立場」から「武装せる中立の立場」へ
  第一節 一八三八年五月十九日の出来事
       ──「神からの呪い」の意識から「神の恵み」の体験へ
  第二節 この出来事の文学研究への影響
       ──「著作家の立場」としての「アハスヴェルスの立場」の自覚と
          「武装せる中立の立場」への移行──

 第二章 処女作品『いまなお生ける者の手記より』の刊行を通じての
      「武装せる中立の立場」の実験
  第一節 「いまなお生ける者の手記より」という著作名による
        二つの文学作品の計画と中断
  第二節 処女作品の刊行者の立場に現わされた「武装せる中立の立場」
  第三節 内容としての文学論
  総括

 第三章 「武装せる中立の立場」の諸実験
  第一節 戯曲の草稿
        『旧い石けん貯蔵庫と新しい石けん貯蔵庫との論争』 Pap.ⅡB1-21.
  第二節 戯曲の草稿
        『キリスト教と哲学との関係に関し明き盲から千里眼への電信』
  第三節 戯曲の草稿
        『より高次な狂気のカテゴリーに関する散漫なる推理と捉え難い諸契機』

 第四章 マギスター学位論文「アイロニーの概念について」の作成を通じての
      「ソクラテスの立場」の実験
  第一節 問題の意味
  第二節 キルケゴールのソクラテス解釈へのヘーゲルの影響という問題をめぐっての
        論争と諸見解
  第三節 ソクラテス像とアイロニーの正体
  第四節 この論文の偽名方式について

 第五章 未刊の草稿 『ヨハンネス・クリマクス、または、
      一切のことが疑われなければならない』の執筆を通じての
      「ヨハンネス・クリマクスの立場」の実験
  第一節 文学形式
  第二節 思想内容
  第三節 草稿の中断とその意味

 第六章 「著作家の立場」の形成過程全体への展望
       ──アハスヴェルスの立場から使途パウロの立場まで──

 第七部の総括

前篇の総括と展望

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