人間機械論の哲学

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心身にまつわる難問を自然科学の成果と綿密な言語分析を通した新しい視角から解き、自由意志や倫理の課題にも一つの見通しを与え来るべき社会での人間のあり方を展望する。

第1版第1刷発行1980年10月

まえがき

序章　 人間と機械
　　　　　──科学的人間観の眺望──
序　　　　科学の発展と哲学の新しい道
第一節　人間におけるもっとも人間的なるもの
第二節　思考と言語
第三節　新しい人間機械論と心身問題
第四節　意志の自由と決定論
むすび　人間の本質

第一章　精神と物質の間
　　　　　　──心身問題　その1──

序　　　　心-身の哲学的相剋
第一節　精神現象の非空間性
第二節　精神現象と因果性
むすび　 言語問題としての心身問題

第二章　意識の二重構造と体験報告
　　　　　　──心身問題　その2──

第一節　意識の原因と対象
第二節　意図と陰影
第三節　意識の対象の身分と機能

第三章　人格の同定と因果的依存
　　　　　　──心身問題　その3──

第一節　「私の心」の同定
第二節　「私の身体」の同定と人格概念
第三節　概念的依存と因果的依存
第四節　心身の因果関係──知覚の因果説に対する一つの擁護──

第四章　内的経験のプライバシー
　　　　　　──心身問題　その4──

第一節　内的経験の直接性
第二節　内的経験の訂正不可能性
第三節　私性と因果性の相剋の鎮静──1つの暫定的結論──

第五章　心身同一性、因果性と原一元論
　　　　　　──心身問題　その5──

序　　　　原点を新しい相の下に
第一節　同時現象としての心身相関──心身同一説批判──
第二節　原一元論（ur-monism）による心身同一性
第三節　原事件と因果性
第四節　「科学の形而上学」批判

第六章　自由意志への挑戦

序　　　　人間行動と意志
第一節　人間における内部状態コントロールの機構
第二節　意志の自由
むすび　自由意志からの還俗

第七章　価値への技法

序
第一節　人間機械論と倫理
第二節　進化と価値
第三節　事実と当為の重ね合せ
第四節　倫理工学の設計──1つのマクロ的調整技術として──

補 章　新しい技術哲学への道

序
第一節　生産技術、科学技術から情報技術へ
第二節　技術の定義
第三節　ミクロの技術
第四節　マクロの技術

あとがき
索引