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グリム童話と魔女

魔女裁判とジェンダーの視点から

グリム童話と魔女
著者、編者、訳者など 野口 芳子
ジャンル 文学・芸術・ノンフィクション
ISBN 978-4-326-85176-8
出版年月 2002年2月
判型・ページ数 272ページ
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

19世紀初のグリム兄弟編「子どもと家庭のためのメルヒェン集」では25話に魔女が登場。著者は「悪い魔女」とあっても、実はいつも未遂におわるむしろマヌケな、そのわりにはむごい最後をとげる老婆の姿を明らかにする。主に男性を動物や石に変える変身魔術が中心だ。魔女はキリスト教以前からある善悪両面をもつ女神の使者だが、グリムは善い方を賢女とし、善悪ニ元論に立つ。一方、ドイツを中心に16、17世紀に吹きあれた魔女狩りでは、被疑者の8割が女性で、害悪魔術(毒、病気、死、悪天候、性愛上のトラブルをまねく)の嫌疑がかかると、ウムをいわさず火あぶりにされた。その事実を最新のドイツの研究成果から明らかにする。グリムの魔女は近世の魔女像=「男性を性的誘惑に引きずりこむ美女」に基づくものではない。が現実には魔女裁判でも若い女性は少なく、大多数は社会的弱者である孤独な老婆が犠牲者で、その点が伝承文学であるグリム童話の魔女像と重なる。史実、伝承、創作の接点から探る試み。

様々な魔女説を一冊にまとめてくださってとても面白かったです。素晴らしい本をありがとうございます。(女性 15才)

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目次

第Ⅰ部 グリム童話の中の魔女

第1章 女の魔女(Hexe)が現れる話
 (1)各話の紹介と解釈
 (2)女の魔女の話のまとめ

第2章 男の魔女(Hexenmeister)が出現する話
 (1)各話の紹介と解釈
 (2)男の魔女の話のまとめ
 (3)魔女裁判での男の魔女被告

第3章 グリム童話の中で魔女以外で魔術を扱う人々
 (1)各話の紹介と解釈
 (2)魔女以外の魔術的存在についてのまとめ

第Ⅱ部 現実の歴史の中の魔女

第1章 古代の魔女信仰

第2章 近世の「新しい魔女」

第3章 魔女狩りの犠牲者
 (1)概況
 (2)現実の魔女被告人――マールブルクでの裁判例
 (3)魔女狩りの実態――ホルン市の場合

第4章 害悪魔術を使う魔女

第Ⅲ部 グリム童話の魔女と魔女狩りの魔女被告

 (1)牛乳魔女
 (2)病気や死を呼ぶ魔女
 (3)子どもを食べる魔女
 (4)性愛魔術
 (5)天候魔女
 (6)まとめ

おわりに


あとがき

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