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空間・人・移動 [中京大学文化科学叢書]

文学からの視線

空間・人・移動
著者、編者、訳者など 伊藤 進
郡 伸哉
栂 正行
ジャンル 文学・芸術・ノンフィクション
ISBN 978-4-326-84863-8
出版年月 2006年2月
判型・ページ数 A5判・192ページ
定価 本体3,300円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

文学は「空間の移動」をどのように描いてきたのか?登山、航海、農村や都市の彷徨、文化の越境、内部への沈潜など、多様な例から浮かび上がる人間の姿を捉える。

人間は古来、空間移動のやみがたい欲求に突き動かされてきた。こうした空間の移動はまた、記憶のなかを自在に往還する時間の移動とも深く結びついている。本書ではこうした「時空間の移動」を共通の視座として、フランス文学・ロシア文学・英文学を専門とする三人の筆者が、中世から現代にわたるさまざまな文学作品を読み解く。

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目次

第一章 「人生の旅人」──岐路に立つ詩人……伊藤 進
「人生の旅人」というトポス
「岐路に立つヘラクレス」と「ピュタゴラスのユプシロン」
「世界を遍歴する人」ペトラルカと岐路
寓意から読み解くヴァントゥー山登攀
ペトラルカにとってヴァントゥー山登山は何を意味するか
ヴァントゥー山頂での内面の危機──『わが秘密』から読む

第二章 旅と夢想──プロテスタントの場合……伊藤 進
ある難破物語
『真実譚』の作者ブリュノ・ド・リヴドゥー
岐路に立たされたフランス新教徒
なぜ『真実譚』はデュプレシ=モルネに献呈されたか
『真実譚』と「海洋悲劇物語」
『真実譚』構想の意図
ユートピア空間への憧憬

第三章 狩猟家の放浪と<故郷>の大地──トゥルゲーネフ『猟人日記』……郡 伸哉
ロシアの風景と『猟人日記』
移動の中での<故郷>の発見
<狩猟家>と<冥界くだり>
水平の視線、垂直の視線
語り手の視線
光と闇の交錯

第四章 死刑囚の歩みと<意志をこえた力>──ドストエフスキー『罪と罰』……郡 伸哉
岐路に立つラスコーリニコフ
ラスコーリニコフの「理論」の背景
死刑囚へのなぞらえ
空間と時間の特異性
殺人から自首までを導く力
都市の中の広い空間
都市の外の広い空間(1)──ロシアの故郷
都市の外の広い空間(2)──人類の故郷
内面の力と外部空間の磁場
<故郷>への視線と19世紀ロシア

第五章 小説、この放浪のジャンル──イギリス、トリニダード、インド……栂 正行
交わらぬ視線
西の誤解
視線の模倣
見取図の確認
東の誤解
『グルデヴァの冒険』
ナイポール父子に書けなかった世界
『パキスタン行き列車』
『水葬』
父に代わる存在

第六章 真空地帯で小説を書く──解き放たれる英語文学……栂 正行
早世の弟
ポール・セローのシヴァ・ナイポール
『潮干狩り』
『熱い国』
新しいナイポール、新しいインドの作家
ヴィクラム・セス
ヴィクトリア朝社会小説への回帰
『絶妙のバランス』
自己を知る二つのかたち
チャールズ・ディケンズとジョージ・エリオット
プレ/ポスト万博小説
シヴァは博物館を開かなかった

参考文献
おわりに
人名索引

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