アドルノ/ホルクハイマーの問題圏 オンデマンド版

同一性批判の哲学

アドルノ/ホルクハイマーの問題圏 オンデマンド版
著者 藤野 寛
ジャンル 哲学・思想・倫理
シリーズ オンデマンド書籍
出版年月 2016年8月
ISBN 978-4-326-98226-4
判型・ページ数 4-6・320ページ
定価 4,400円(税込)
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同じフランクフルトの伝統に属しながら、先輩たちと対決しつづける第三世代の論客たちの姿勢に学ぶ本書もまた同様に、アドルノ/ホルクハイマーの哲学に対し批判的な読解を試みる。彼らの哲学の魅力は、例えばアドルノのあの文体にある。読む人の知識や固定観念を激しく揺さぶる、磨きに磨かれた言葉の数々。これまでの多くのアドルノ論は、こうした彼の文体に陶酔し、その文言をなぞって自己満足してしまう傾向があった。本書はできるだけ平易にかみくだいた言葉で、理性や道徳、幸福や家族などのテーマに即しながら、彼らの哲学を語る。(2000年4月25日第1版第1刷発行)

まえがき

第I部 アドルノ/ホルクハイマーにいたるコンテクスト

第一章 「全体は非真である」テーゼについて
 1.1 「全体」について語ること
 1.2 部分と全体の「弁証法的」関係
 1.3 歴史の全体が誤っている
 1.4 メランコリー
 1.5 では、何ができるのか
 1.6 非真なる全体の中での喜び
 1.7 一九八九年ドイツ

第二章 主観的「理性」と客観的「理」性
 2.1 「理」という性
 2.2 客観的「理」性・存在理由・意味
 2.3 客観的「理」性の退場と主観的「理性」の独り立ち
 2.4 二正面作戦――観念論批判と実証主義批判
 2.5 「理」性的な社会

第三章 文化と幸福
 3.1 フロイトのアポリア
 3.2 歴史と自然、あるいはマルクスとフロイト
 3.3 欲動充足と欲動断念
 3.4 権威と自律
 3.5 「自我心理学」とそれへの批判
 3.6 「非真なる全体」としての社会における治療
 3.7 二つのフロイト批判
 3.8 自我と現実、その両義性

第四章 倫理学の批判的社会理論への解消
 4.1 唯物論と道徳
 4.2 理性と計画
 4.3 心理学の支援
 4.4 啓蒙と性道徳のゆくえ
 4.5 道徳の棚上げ
 4.6 苦しみを甘受することの拒絶としての批判

第五章 ユダヤ人問題との関連においてみられた「非同一的なもの」概念
 5.1 啓蒙の問題としての同化、啓蒙の問題としての反ユダヤ主義
 5.2 「非同一的なもの」概念の分析
 5.3 ユダヤ人問題との関連においてみられた「非同一的なもの」概念

インテルメッツォ ドイツの同化ユダヤ人問題
 1 ホルクハイマーの世代
 2 ドイツのユダヤ人の同化の実験
 3 片思い
 4 シオニズムへ

第II部 アドルノ/ホルクハイマーからはじまるコンテクスト

第六章 同一性批判から多(元)文化主義へ
 6.1 「同一性」批判
 6.2 多(元)文化主義

第七章 家族論の変容――ホルクハイマーからホネットへ
 7.1 マックス・ホルクハイマー:権威と家族
 7.2 アクセル・ホネット:公正と感情的結びつきの間で
 7.3 家族解体論について
 7.4 自立生活と介護活動

第八章 「埋め合わせ理論」とその批判――ヨアヒム・リッター学派とフランクフルト学派
 8.1 発案者:ヨアヒム・リッター
 8.2 布教者:オド・マルクヴァート
 8.3 批判者:ヘルベルト・シュネーデルバッハ――文化がはらむ革新の力

第九章 哲学することへの反省
 9.1 哲学の病いとしての「解釈病」
 9.2 哲学の姿勢と対象
 9.3 「主体の自己自身へのたずさわり」としての哲学
 9.4 「主体」性と「個人」性
 9.5 個人の生を規定する客観的な力
 9.6 日本人にとっての西洋哲学
 9.7 解釈学的反省
 9.8 最後に――アドルノ/ホルクハイマーのように哲学するために


あとがき
人名索引
事項索引
初出一覧

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