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昭和後期の科学思想史

昭和後期の科学思想史

武谷三男、柴谷篤弘、下村寅太郎、廣重徹、坂本賢三ら、戦後のわが国の科学思想史を語る上で欠かせない重要人物の思想と論点を俯瞰。

著者、編者、訳者など 金森 修 編著
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-10252-5
出版年月 2016年6月
判型・ページ数 A5判・560ページ
定価 本体7,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

『昭和前期の科学思想史』に続き、1940年代後半80年代前半まで、わが国の科学思想史を語る上で欠かせない重要人物の思想と論点を跡付けるとともに、医療問題の大前提となるインフォームド・コンセント論の発生と成熟、戦後に成立した〈原爆文学〉の意味までを問う。我が国の科学思想史の過去や現状を俯瞰する上で基礎的な資料である。

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目次

第一部

第一章 武谷三男論──科学主義の淵源[金山浩司]
 はじめに
 第一節 生い立ちと自己形成
 第二節 物理学者武谷
 第三節 技術論者として
 第四節 技術論論争から見えてくること
 第五節 中間総括──媒介を捨てた武谷
 第六節 主体性論者?
 第七節 原爆を称揚し、原発に反対する?
 第八節 科学者にして人権擁護者
 第九節 現存社会主義諸国に対して
 おわりに

第二章 生物学者・柴谷篤弘の科学思想[斎藤光]
 はじめに
 第一節 『生物学の革命』(1960)の科学思想
 第二節 『反科学論』(1973)の科学思想
 おわりに

第三章 下村寅太郎という謎──「精神史」としての科学思想史と「自己否定の自覚」 [板橋勇仁]
 はじめに
 第一節 処女作『ライプニッツ』まで
 第二節 『科学史の哲学』──数学・科学・哲学の生成と「機械化」
 第三節 精神の制限の自覚と「機械の形而上学」の主体化
 第四節 二重の「自己否定の自覚」と主体性──「知性改善論」
 第五節 「眼と手をもってする思惟」における主体性──『レオナルド・ダ・ヴィンチ』
 第六節 宗教的な「自己否定の自覚」──『アッシシの聖フランシス』
 第七節 思惟の日本的性格と「無」──根拠無き主体性
 第八節 『ブルクハルトの世界』──世界史の連続性の「直観」
 おわりに

第二部

第四章 科学論の展開──武谷三男から廣重徹へ[岡本拓司]
 第一節 武谷三男──自然弁証法と三段階論
 第二節 廣重徹──科学と運動と歴史

第五章 生命としての科学/機械としての科学──科学の意味をめぐる問い[瀬戸口明久]
 はじめに──科学批判とは何だったのか
 第一節 高速化する生命──柴谷篤弘の科学批判
 第二節 機械に包み込まれる人間──坂本賢三の技術批判
 おわりに──機械に回収される生命/機械から生まれる生命

第六章 不完全な死体──脳死と臓器移植の淵源[美馬達哉]
 第一節 昭和後期という視点
 第二節 インフォームド・コンセントの不在
 第三節 本論考の目的
 第四節 世界初の心臓移植
 第五節 「和田心臓移植」以前
 第六節 「和田心臓移植」以後
 第七節 社会的合意としての「死」の誕生
 第八節 テクノロジーの要因:脳波と免疫抑制剤
 第九節 日本における「脳死の時代」
 第一〇節 脳死に抗する 筑波大膵腎同時移植の告発
 第一一節 合意の興亡
 第一二節 社会の外/不完全な合意

第七章 核文明と文学[金森修]
 第一節 原爆文学という鬼子
 第二節 長崎の場合
 第三節 原爆文学の同一性と変異
 第四節 原爆から核へ
 第五節 核文明下での人間性の保持のために

あとがき
文献表
人名索引
執筆者紹介

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