議会の進化 (紙版)
立憲的民主統治の完成へ
- 形式・仕様:
- 紙版 電子版
国家の意思決定の基本構造である議会の形成過程を分析する本書は、全員一致の合意を求める「立憲的段階」を考察し、現実を捉え直す。
著者 | ロジャー・D・コングルトン 著 横山 彰 監訳 西川 雅史 監訳 |
---|---|
ジャンル | 経済 |
出版年月 | 2015年10月 |
ISBN | 978-4-326-50416-9 |
判型・ページ数 | A5・464ページ |
定価 | 7,920円(税込) |
在庫 | 在庫あり |
本書は、合理的な行動様式を持つ統治者と被統治者とがどのような議会を生み出し、それがどのように変化し、普通選挙にまでつながっていくのかについて理論的な仮説を描き出し、その妥当性を中世ヨーロッパの史料によって検証しようとするものである。ただし、本書は過去の経験からのパターンを導出するのではなく、立憲的設計や立憲的改革の理論を発展させ検証する。
【電子書籍あり】
紀伊國屋書店 Kindle
序文
日本語版の読者のための序文補遺
第1章 西洋民主主義の起源について
序:西洋民主主義の進化の特徴
革命によって自由民主主義の出現を説明することの脆弱さ
統治に関する「王―評議会」の枠組
平和的かつ合法的な立憲的改革の理論
本書の構成
謝辞:支援と影響を与えてくれた先達に
第Ⅰ部 統治権の移譲
第2章 協同生産, 組織, 統治
組織結成者, 協同生産, 組織の設立
組織結成者, 文化, 組織的機会
組織的保守主義を説明する文化的・経済的根拠
なぜ組織は統治機構を持つのか
組織の統治
組織結成者―支配者の情報の問題および制度的解決策
なぜ見聞の広い組織結成者パートナーシップでは最高経営責任者が採用されるのか
まとめ:組織結成者の利益と組織デザイン
第3章 長期的な組織の統治
長期的に統治する
意思決定費用, 慣習的政策, 組織の法による統治
立憲的な組織の統治:明文化された憲章と明文化されていない憲章
設立者の退去後の承継問題
王―評議会の統治システム下の継承
制度的に誘発される利益と継承者の制度的保守主義
組織憲章の改正
結論:永続的な組織のいくつかの共通する特徴
第4章 領地に関する統治の起源
強い人間による支配についての余談
退出可能なコミュニティの強制的ルールのモデル
退出コストと退出管理
強制的ルールの基盤としての領地内独占
包括的利益, レント抽出, そして法の支配
軍事的脅威, レント抽出, そして防衛
結論:領地政府の形態, 基盤, そしてその限界に関する説明
第5章 立憲的交換と分立した統治機構
組織の資源を増加させる方法としての主権の共有
紛争による損失を減少させる方法としての主権の共有
王―評議会の統治機構内における権限分立の形状
結論:王―評議会の枠組における権限の分割
第6章 財源に対する権限と立憲的改革
財源に対する中世議会の制限された権限の起源
税に関する拒否権と支出に関する議会の権限
不安定な状況における部分的および完全な拒否権の価値と犠牲
部分的な議題操作権と完全な議題操作権
権限の分割の下での公共政策の機会集合
政策決定権に対する需要と供給
第7章 民主的ではない参政権
制限選挙下の議会における選挙改革への消極性
課税付き代表制は参政権改革の動機になる
抵抗, 革命の脅威, 参政権改革
合理的選択と参政権の長期的安定性
第8章 イデオロギー, 利益集団, および成人参政権
規範および合理的選択についての余談
参政権に関する原理的な決定についての数理
参政権の規範と参政権の最適な資格認定
イデオロギー集団, 説得のキャンペーン, および参政権の拡大
政党の出現と参政権改革における党派的利益
専門化, 労働組合, および参政権改革
結論:憲法改正の帰結としての西洋の民主主義
第Ⅱ部 西洋の民主的移行に関する歴史的証拠
第9章 舞台設定:19世紀以前の哲学的, 経済的, 政治的な進展
革命を経ない専制から民主制への移行
第Ⅱ部の構成
中世の立憲的構造の概観
経済的要因による中世的均衡の混乱
思想的要因による中世的均衡の混乱
共和政体が実現可能であるという新しい証拠
復古:中世の統治システムに替わる安定的統治システム構築の失敗
1815年には自由主義的な立憲的改革の機は熟したが, さほどはっきりしない
第10章 変革の世紀における自由主義と改革
大転換
工業化の前提条件としての自由主義的改革
中世の財産権の終わり:エンクロージャーと自由貿易
市民の平等
19世紀における立憲的改革および選挙権の概観
20世紀初頭の自由主義的政治とイデオロギー
第11章 きめ細やかな立憲的取り決め
党派性と大衆政治
自由主義と議会内の権限の分配および基礎
議会改革, 党派的行動と君主の権限
選挙制度と参政権資格の選択
比例代表制における党派的利害
憲法改正手続きと違憲審査の強化
暫定的な結論:立憲的取り決めが西洋の民主主義を生み出した
第Ⅲ部 社会科学としての分析的歴史学
第12章[第19章] 漸進的改革の定量的論証
政治発展と経済発展の時相構造
19世紀の記述統計
統計的に有意な相関関係
政治経済の自由度に関する結合因果関係検定
立憲的交渉と改革モデルの実証的な立証
第13章[第20章] 思想, 利益, および立憲的改革
立憲的統治と立憲的改革の論理
経済改革と政治改革における安定性と傾向
改革のビッグバン理論との対比
その他の改革の進化論との対比
21世紀版ホイッグ史観?
補論 方法論的アプローチ, 限界, および拡張
予想される率直な批判:歴史的叙述の範囲
予想される率直な批判:合理的選択に基づく分析の限界
社会科学と歴史分析の予測可能性と論争
科学的発展と立憲的発展との類似性
自由主義, 改革, および科学的進歩
議会の進化は続く
参考文献
監訳者あとがき
索引
日本語版の読者のための序文補遺
第1章 西洋民主主義の起源について
序:西洋民主主義の進化の特徴
革命によって自由民主主義の出現を説明することの脆弱さ
統治に関する「王―評議会」の枠組
平和的かつ合法的な立憲的改革の理論
本書の構成
謝辞:支援と影響を与えてくれた先達に
第Ⅰ部 統治権の移譲
第2章 協同生産, 組織, 統治
組織結成者, 協同生産, 組織の設立
組織結成者, 文化, 組織的機会
組織的保守主義を説明する文化的・経済的根拠
なぜ組織は統治機構を持つのか
組織の統治
組織結成者―支配者の情報の問題および制度的解決策
なぜ見聞の広い組織結成者パートナーシップでは最高経営責任者が採用されるのか
まとめ:組織結成者の利益と組織デザイン
第3章 長期的な組織の統治
長期的に統治する
意思決定費用, 慣習的政策, 組織の法による統治
立憲的な組織の統治:明文化された憲章と明文化されていない憲章
設立者の退去後の承継問題
王―評議会の統治システム下の継承
制度的に誘発される利益と継承者の制度的保守主義
組織憲章の改正
結論:永続的な組織のいくつかの共通する特徴
第4章 領地に関する統治の起源
強い人間による支配についての余談
退出可能なコミュニティの強制的ルールのモデル
退出コストと退出管理
強制的ルールの基盤としての領地内独占
包括的利益, レント抽出, そして法の支配
軍事的脅威, レント抽出, そして防衛
結論:領地政府の形態, 基盤, そしてその限界に関する説明
第5章 立憲的交換と分立した統治機構
組織の資源を増加させる方法としての主権の共有
紛争による損失を減少させる方法としての主権の共有
王―評議会の統治機構内における権限分立の形状
結論:王―評議会の枠組における権限の分割
第6章 財源に対する権限と立憲的改革
財源に対する中世議会の制限された権限の起源
税に関する拒否権と支出に関する議会の権限
不安定な状況における部分的および完全な拒否権の価値と犠牲
部分的な議題操作権と完全な議題操作権
権限の分割の下での公共政策の機会集合
政策決定権に対する需要と供給
第7章 民主的ではない参政権
制限選挙下の議会における選挙改革への消極性
課税付き代表制は参政権改革の動機になる
抵抗, 革命の脅威, 参政権改革
合理的選択と参政権の長期的安定性
第8章 イデオロギー, 利益集団, および成人参政権
規範および合理的選択についての余談
参政権に関する原理的な決定についての数理
参政権の規範と参政権の最適な資格認定
イデオロギー集団, 説得のキャンペーン, および参政権の拡大
政党の出現と参政権改革における党派的利益
専門化, 労働組合, および参政権改革
結論:憲法改正の帰結としての西洋の民主主義
第Ⅱ部 西洋の民主的移行に関する歴史的証拠
第9章 舞台設定:19世紀以前の哲学的, 経済的, 政治的な進展
革命を経ない専制から民主制への移行
第Ⅱ部の構成
中世の立憲的構造の概観
経済的要因による中世的均衡の混乱
思想的要因による中世的均衡の混乱
共和政体が実現可能であるという新しい証拠
復古:中世の統治システムに替わる安定的統治システム構築の失敗
1815年には自由主義的な立憲的改革の機は熟したが, さほどはっきりしない
第10章 変革の世紀における自由主義と改革
大転換
工業化の前提条件としての自由主義的改革
中世の財産権の終わり:エンクロージャーと自由貿易
市民の平等
19世紀における立憲的改革および選挙権の概観
20世紀初頭の自由主義的政治とイデオロギー
第11章 きめ細やかな立憲的取り決め
党派性と大衆政治
自由主義と議会内の権限の分配および基礎
議会改革, 党派的行動と君主の権限
選挙制度と参政権資格の選択
比例代表制における党派的利害
憲法改正手続きと違憲審査の強化
暫定的な結論:立憲的取り決めが西洋の民主主義を生み出した
第Ⅲ部 社会科学としての分析的歴史学
第12章[第19章] 漸進的改革の定量的論証
政治発展と経済発展の時相構造
19世紀の記述統計
統計的に有意な相関関係
政治経済の自由度に関する結合因果関係検定
立憲的交渉と改革モデルの実証的な立証
第13章[第20章] 思想, 利益, および立憲的改革
立憲的統治と立憲的改革の論理
経済改革と政治改革における安定性と傾向
改革のビッグバン理論との対比
その他の改革の進化論との対比
21世紀版ホイッグ史観?
補論 方法論的アプローチ, 限界, および拡張
予想される率直な批判:歴史的叙述の範囲
予想される率直な批判:合理的選択に基づく分析の限界
社会科学と歴史分析の予測可能性と論争
科学的発展と立憲的発展との類似性
自由主義, 改革, および科学的進歩
議会の進化は続く
参考文献
監訳者あとがき
索引
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