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刻まれた旅程 [中京大学文化科学叢書]

英文学から英語圏文学へ

刻まれた旅程

「旅」は文人に何を与えたか、「旅」から文人は何を得たのか、彼らは作品にどう関わったのか。チョーサーからナイポールまで論じる。

著者、編者、訳者など 栂 正行
小田原 謠子
ジャンル 文学・芸術・ノンフィクション
ISBN 978-4-326-84870-6
出版年月 2015年3月
判型・ページ数 A5判・288ページ
定価 本体3,700円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

チョーサー、トマス・ワイアット、フィリップ・シドニー、スペンサー、マーロウ、シェイクスピア、ジェイン・オースティン、ディケンズ、エリオット、ナイポール、シヴァ・ナイポール……。人生という旅と創作行為という旅、このふたつをあわせて行うのが詩人であり作家だ。刻まれた旅程、実際の旅、旅の回想。それらの微妙なずれのうちに、発見という文学の本質が姿を現す。

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目次

はじめに

第一章 任務でイタリアへ行ったジェフリー・チョーサー[小田原謠子]
 ぶどう酒商の息子に生まれて宮廷へ
 王の任務でイタリアへ
 税官の役人時代
 ランカスター公爵家とのつながり
 一三八〇年代の作品と『トロイルスとクリセイデ』
 王の土木工事の監督時代と『カンタベリー物語』

第二章 ヘンリー八世の外交官 サー・トマス・ワイアット[小田原謠子]
 ヘンリー七世の官僚サー・ヘンリー・ワイアットの息子
 ヘンリー八世とキャサリン・オヴ・アラゴン
 外交の任務でフランスとイタリアへ
 アン・ブリン
 投獄
 神聖ローマ帝国への大使
 クロムウェルの失脚とワイアットの逮捕

第三章 グランド・ツアーの宮廷人作家 サー・フィリップ・シドニー[小田原謠子]
 グランド・ツァー
 ルドルフ二世への弔問の旅
 大陸からの帰郷
 エリザベス女王とアンジュー公の縁談
 『オールド・アーケイディア』と『アストロフェルとステラ』
 結婚
 ネーデルランドへ

第四章 出版するスペンサー、マーロウ、シェイクスピア[小田原謠子]
 アイルランドで執筆したエドマンド・スペンサー
 大学時代
 秘書、そしてアイルランドへ
 『妖精の女王』『コリン・クラウト故郷へ帰る』『アモレッティ』
 クリストファー・マーロウ
 キングズ・スクール時代
 大学時代
 ウィリアム・シェイクスピア
 シェイクスピアの生きた時代
 シェイクスピアが劇作家になるまで
 劇作家シェイクスピア

第五章 ジェイン・オースティンと幻想のデスティネーション[栂 正行]
 幻想のデスティネーション
 旅のもどかしさ
 時間制限のある旅
 男性読者、からめとられる
 オースティンを読む人々
 読者の事情
 「古い」ということ、「新しい」ということ
 古文書と請求書──『ノーザンガー・アビー』
 オースティンの時間、吉田健一の時間、今という時間
 時間管理のできる人、できぬ人──『分別と多感』
 未来という時間のある五人の娘──『高慢と偏見』
 記憶礼賛と文学的感性──『マンスフィールド・パーク』
 恋の病契機に時間当事者へ──『エマ』
 家から切り離された後の時間の再生──『説得』
 外見偏重
 俗物を描いてなお芸術
 近代、そして不均衡
 オースティンにない時間

第六章 ディケンズ、エリオット、そしてナイポールへ[栂 正行]
 旅先の勘違い、人生の行き先間違い
 ジョージ・エリオットと作中人物の目的地
 V・S・ナイポール
 「読むことと書くこと」
 「作家とインド」
 書く対象
 文学とは
 発見という観点から
 レッド・ハウスでの仕事

第七章 ナイポール、タブロー、到着[栂 正行]
 タブロー
 『ビスワス氏の家』の到着
 フィクション
 訪れられる者
 書くことによる到着
 父の到着地
 到着への考察
 フィクションのおさまり方
 ノンフィクションのわからなさ
 『インド──闇の領域』
 個人の過去と未来

第八章 ナイポール、父の祖母の大移動[栂 正行]
 切り替えの妙
 根無し草
 さまざまな引用
 『中心の発見』
 大きな到着、小さな到着

第九章 目的地に至らざるシヴァ・ナイポール[栂 正行]
 『終わらなかった旅』
 「なぜオーストラリアか?」
 「兄とわたし」再訪
 兄の記憶から書くことへ
 最初の一文
 「第三世界」
 「インディラ・ガンディーの死」
 シヴァの短編集

第十章 クシュワント・シンの旅の見取り図[栂 正行]
 『デリー』
 作家のデリー案内の順
 イギリスからの訪問者
 さまざまな職業
 アメリカからの訪問者
 ジャイータ・ラングレータ
 アウラングゼーブ
 ナディール・シャー
 一九五七年
 「建設者」とイギリス
 『デリー』の現代

第十一章 シンの中編、ラオの中編[栂 正行]
 『水葬』
 『きっと、うまくいく』
 『ライフ・オブ・パイ』
 『婿選び』と『絶妙のバランス』
 ラジャ・ラオ
 英文学と英語圏文学

参考文献
おわりに

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