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排外主義を問いなおす

フランスにおける排除・差別・参加

排外主義を問いなおす

紐帯・連帯・協働性を断ち切り喪失させるあらゆる試みを広く「排外主義」と捉え、フランスでの実態と克服のための取組みを検討する。

著者、編者、訳者など 中野 裕二 編著
森 千香子 編著
エレン・ルバイ 編著
浪岡 新太郎 編著
園山 大祐 編著
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-60277-3
出版年月 2015年5月
判型・ページ数 A5判・272ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

日本でも在日外国人を排除するデモやヘイトスピーチ、ネット右翼が社会問題化している。しかし過激な移民・外国人排斥運動だけでなく、外国人を単なる労働力としてみなす入国管理政策、ナショナル・アイデンティティの強調など、あらゆる場面に排外主義はみられる。その根源や構造、表出形態を理解し、排外主義を超える社会形成の道筋を探る。

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目次

はしがき

第Ⅰ部 排外主義の根源とその表出

第1章 「業績至上主義」が社会をバラバラにする[フロランス・ジャニ=カトリス 平野暁人訳]
 1.はじめに
 2.経済成長を「見果てぬ夢」に祭り上げる信仰の存在
 3.サービス経済の業績をどう測定するか
 4.業績至上主義と操作の余地
 5.国家の本質における変容:公共サービスの業績追及と社会の分解
 6.結論

第2章 共生の理念から排除の道具へ──「フランス的統合」の変化の意味するもの[中野裕二]
 1.多文化共生と移民の統合をめぐる論点
 2.統合高等審議会報告書にみる「フランス的統合」の変容
 3.「フランス的統合」の変化が意味するもの
 4.おわりに

第3章 フランスの福祉レジームと移民レジーム[田中拓道]
 1.フランス移民レジームの二重の帰結
 2.フランス福祉レジームの形成
 3.フランス福祉レジームの変容
 4.フランス移民レジームの持続性
 5.結論
 
 コラム1 国民戦線の勢力拡大と言説の変化[大嶋えり子]

第4章 「排除の空間」におけるソーシャル・ミックス政策の帰結──パリ郊外都市再生事業の事例から[森千香子]
 1.はじめに
 2.都市政策誕生の背景:「郊外問題」と「移民問題」
 3.都市政策の新展開と「ソーシャル・ミックス」の含意
 4.ローカルレベルでのインパクト:パリ郊外の事例から
 5.結びに代えて

第5章 「フランス共和国」におけるムスリムの社会教育と市民参加──リヨン大都市圏におけるムスリム青年連合のネットワーク[浪岡新太郎]
 1.はじめに
 2.共和国における「ムスリム問題」の構築
 3.ムスリム青年連合の主張する市民参加:共和国モデルにおけるムスリムアイデンティティの承認の要求(1987~1995年)
 4.リヨン大都市圏ムスリム団体ネットワークの主張する市民参加:イスラームの宗教儀式への限定に対する抵抗(1996~2003年)
 5.リヨン大都市圏ムスリム団体ネットワークの分裂と変容:強い公共圏による私的領域であるはずのムスリムアイデンティティの定義に対する服従と抵抗(2004~2010年)
 6.結び
 
 コラム2 歴史から排除される移民──知をめぐる抵抗と記憶の営み[田邊佳美]

第6章 フランス教育制度における周縁化の構造──早期離学者にみるエリート主義の伝統からの離脱・抵抗[園山大祐]
 1.はじめに
 2.ヨーロッパ連合の影響
 3.フランスにおける早期離学者の特徴
 4.早期学校離れへの対応
 5.おわりに
 
 コラム3 ムスリム移民家族と第2世代[村上一基]

補論 コンヴィヴィアリズム──高まる排外主義を乗り越えるために[マルク・アンベール 平野暁人訳]
 1.排外主義とは世界人権宣言に対する冒涜である
 2.世界から人間性が剥奪されつつある根底にはなにがあるのか
 3.コンヴィヴィアリズムとはどんな解決策なのか?

第Ⅱ部 排外主義との闘い──地域レベルで民主主義を取りもどす

第7章 参加と反排除──ブルターニュにおける取り組み[ミッシェル・ルノー 平野暁人訳]
 1.はじめに
 2.イル・エ・ヴィレンヌ県に居住する外国籍市民に関する諮問委員会:民主的な問いかけのための新しい場
 3.「言葉の力」
 4.「他人を気づかう=ケア」の政治とは?
 5.結論

第8章 異文化間共生および市民権に関するルーベ市委員会──進化を続ける参加型民主主義機関[マチルド・ドゥ・リル フロランス・ジャニ=カトリス 平野暁人訳]
 1.はじめに
 2.ルーベ市の移民系住民に関する参加型委員会の成り立ち
 3.CRICの設置と地域レベルでの積極的参加要請
 4.高齢に達した移民たち:ルーベ市にとくに顕著な課題
 5.結論

第9章 サン・パピエ支援とローカルな市民権──フランスのローカルネットワーク組織にみる実践の研究[アントワーヌ・ケレック 平野暁人訳]
 1.はじめに
 2.国境なき教育ネットワークが組織され構造化されるまで
 3.国境なき教育ネットワーク:社会活動の慣行と取り組みにおける新機軸
 4.地域の一員として運動する
 5.結論

第10章 「公衆衛生へのアクセス」から「政治参加」へ──パリにおける中国人セックスワーカー支援の変容[エレン・ルバイ 平野暁人訳]
 1.はじめに
 2.「民主主義的な公衆衛生」:売春を行う女性たちのためのハーム・リダクション
 3.グローバリゼーション,移民,売春についての法的な議論の再燃
 4.社会の隅に追いやられた女性たちの「共鳴箱」:発言を始めた中国人セックスワーカーたち
 5.結論:立法にかかる時間と生きのびるために必要な時間

あとがき
巻末資料
人名索引
事項索引

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