バイオサイエンス時代から考える人間の未来 (紙版)
脳科学、生殖技術、性別越境、全球シミュレーション……。21世紀における生命科学とテクノロジーの進展は、われわれの生を徹底的に唯物化し、操作可能なものにした。守られるべき規範を前提とする生命倫理だけでは、この新しい状況に対応できない。本書は、哲学、人類学、社会学の観点から、人間の未来、新たな身体の自然を思考する。
【電子書籍あり】
紀伊國屋書店
序文
第I部 テクノロジーと生の未来
第一章 脳の身体/テクネー論[檜垣立哉]
1 はじめに
2 脳の可塑性 マラブー
3 可塑性と社会――情動的ホメオスタシスと進化的爆発
4 社会的イデオロギー批判
5 間隙としての脳
6 技術をうみだす脳――脳の技術の対象となる脳
第二章 陸と海からなる機械――気候変動の時代におけるコスモロジーとテクノロジー[森田敦郎]
1 はじめに
2 気候学と全球という単位の成立
3 全球シミュレーションの時代
4 人類世(anthropocene)
5 複数化するコスモス
6 ナーガ
7 おわりに
第三章 宇宙時代の自然=社会哲学――社会生成の装置の過去・現在・未来[大村敬一]
1 はじめに
2 カナダ・イヌイトの生業システム――「分かち合い」による社会生成の装置
3 社会生成の装置の進化モデル――分かち合い、贈与交換、再分配、市場交換
4 社会生成の装置の未来――宇宙時代の分かち合い、贈与交換、再分配、市場交換
5 宇宙時代の自然=社会哲学――社会生成の装置の過去・現在・未来
第Ⅱ部 ネオリベラル/リスク社会とサイエンス
第四章 オナニスト達の憂鬱――リベラルな福祉国家におけるエロス[入谷秀一]
1 本論の課題と狙い
2 誰が満足を強いるのか――現代人と性の問題
3 楽しめという指令――ヘルベルト・マルクーゼと性革命の現在
4 マルクーゼの二〇世紀――戦争国家から福祉国家、そしてエロスの共同体へ
5 オナニスト達の憂鬱――いかにして快楽の放恣は労働の勤勉さと結びつくか
6 何も楽しまないよりはむしろ無を楽しめ!――いかにして限界なき快楽主義は完全なるメランコリーに帰着するか
第五章 不可視のリスクに起因する不安のコミュニケーションをどう捉えるべきか――静かなる時限爆弾〝アスベスト〟に蝕まれた人々の叫び[三好恵真子]
1 はじめに
2 不可視のリスクの渦中に取り残された人々
3 不安のコミュニケーションをどう捉えるべきか
4 おわりに――被影響者を絶えず可視化する眼差し
第Ⅲ部 文化に介入するバイオロジー
第六章 赤ちゃん工場、賃貸用の子宮――インドにおける代理出産をめぐって[常田夕美子]
1 はじめに――現代インドにおける商業的代理出産の増大
2 インドにおける身体観と関係性の構築
3 国境を超える代理出産をめぐる問題
4 代理出産による新たな関係性の構築と社会変化
5 むすびにかえて――新しい生命科学技術は人間をどう変えるのか
第七章 女形、異性装者、ゲイ――バイオサイエンスの時代におけるジェンダーとセクシュアリティを考える[福岡まどか]
1 はじめに
2 ジェンダーとセクシュアリティの主体認識
3 ジェンダー、セクシュアリティと身体
4 身体と宗教
5 バイオサイエンスの時代におけるジェンダー、身体、宗教
第八章 性別越境を支える身体イメージ――宝塚歌劇の男役を事例に[東園子]
1 性別とバイオサイエンス
2 宝塚における性別越境
3 タカラジェンヌの身体
4 流動的な性別
5 バイオサイエンス時代の性別観
6 性別の越境可能性がもたらす影響
あとがき
第I部 テクノロジーと生の未来
第一章 脳の身体/テクネー論[檜垣立哉]
1 はじめに
2 脳の可塑性 マラブー
3 可塑性と社会――情動的ホメオスタシスと進化的爆発
4 社会的イデオロギー批判
5 間隙としての脳
6 技術をうみだす脳――脳の技術の対象となる脳
第二章 陸と海からなる機械――気候変動の時代におけるコスモロジーとテクノロジー[森田敦郎]
1 はじめに
2 気候学と全球という単位の成立
3 全球シミュレーションの時代
4 人類世(anthropocene)
5 複数化するコスモス
6 ナーガ
7 おわりに
第三章 宇宙時代の自然=社会哲学――社会生成の装置の過去・現在・未来[大村敬一]
1 はじめに
2 カナダ・イヌイトの生業システム――「分かち合い」による社会生成の装置
3 社会生成の装置の進化モデル――分かち合い、贈与交換、再分配、市場交換
4 社会生成の装置の未来――宇宙時代の分かち合い、贈与交換、再分配、市場交換
5 宇宙時代の自然=社会哲学――社会生成の装置の過去・現在・未来
第Ⅱ部 ネオリベラル/リスク社会とサイエンス
第四章 オナニスト達の憂鬱――リベラルな福祉国家におけるエロス[入谷秀一]
1 本論の課題と狙い
2 誰が満足を強いるのか――現代人と性の問題
3 楽しめという指令――ヘルベルト・マルクーゼと性革命の現在
4 マルクーゼの二〇世紀――戦争国家から福祉国家、そしてエロスの共同体へ
5 オナニスト達の憂鬱――いかにして快楽の放恣は労働の勤勉さと結びつくか
6 何も楽しまないよりはむしろ無を楽しめ!――いかにして限界なき快楽主義は完全なるメランコリーに帰着するか
第五章 不可視のリスクに起因する不安のコミュニケーションをどう捉えるべきか――静かなる時限爆弾〝アスベスト〟に蝕まれた人々の叫び[三好恵真子]
1 はじめに
2 不可視のリスクの渦中に取り残された人々
3 不安のコミュニケーションをどう捉えるべきか
4 おわりに――被影響者を絶えず可視化する眼差し
第Ⅲ部 文化に介入するバイオロジー
第六章 赤ちゃん工場、賃貸用の子宮――インドにおける代理出産をめぐって[常田夕美子]
1 はじめに――現代インドにおける商業的代理出産の増大
2 インドにおける身体観と関係性の構築
3 国境を超える代理出産をめぐる問題
4 代理出産による新たな関係性の構築と社会変化
5 むすびにかえて――新しい生命科学技術は人間をどう変えるのか
第七章 女形、異性装者、ゲイ――バイオサイエンスの時代におけるジェンダーとセクシュアリティを考える[福岡まどか]
1 はじめに
2 ジェンダーとセクシュアリティの主体認識
3 ジェンダー、セクシュアリティと身体
4 身体と宗教
5 バイオサイエンスの時代におけるジェンダー、身体、宗教
第八章 性別越境を支える身体イメージ――宝塚歌劇の男役を事例に[東園子]
1 性別とバイオサイエンス
2 宝塚における性別越境
3 タカラジェンヌの身体
4 流動的な性別
5 バイオサイエンス時代の性別観
6 性別の越境可能性がもたらす影響
あとがき
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