近代的育児観への転換
啓蒙家 三田谷啓と1920年代
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科学的知見をもつ専門家の指導と母性愛を不可欠とする育児法は、どのように形成され普及したか。三田谷啓(さんだやひらく)の啓蒙活動から示唆を得る。育児史上ひとつの転換点とされる1920年代には、児童研究の実用化と児童保護事業の推進により「心身ともに健康な子ども」の育成がめざされ、その新しい規範は一部の教育熱心な母親の関心を惹きつけた。人々に育児意識の改革を迫った社会背景と、言説上の戦略を大阪、阪神地域を中心に具体的に描写する。(2004年3月20日第1版第1刷発行)
はしがき
序章 新しい育児史研究に向けて
1 育児書と現代
2 米国の育児史研究の成果
3 スポックの革新性の内実
4 日本の育児史の再考
5 1920年代と三田谷啓への着眼
6 本書の構成
第1章 育児啓蒙活動家の登場
1 三田谷啓とは何者か
2 三田谷の育児改革理念とその背景
3 三田谷の最初の実践──大阪市立児童相談所の設立と挫折
第2章 近代的育児概念の形成──「科学」と「母性」
1 日本児童協会を拠点とする育児啓蒙活動の展開
2 『日本児童協会時報』第一巻の育児論──専門家主導による「科学的」育児法の導入
3 『育児雑誌』第五巻の育児論──「科学」と「愛」の二要素からなる育児概念の確立
4 『育児雑誌』第九巻の育児論──「母性愛」の重視と母性教化論への転換
第3章 郊外生活者層の新興──「健康」の希求と子どもへの関心
1 三田谷の啓蒙対象として注目すべき層
2 郊外生活者層の新興と「健康」の希求
3 郊外生活者における子どもへの関心
終章 子ども観の変容──大人─子ども関係における子どもの価値の相対的な上昇
注
引用・参照文献
あとがき
序章 新しい育児史研究に向けて
1 育児書と現代
2 米国の育児史研究の成果
3 スポックの革新性の内実
4 日本の育児史の再考
5 1920年代と三田谷啓への着眼
6 本書の構成
第1章 育児啓蒙活動家の登場
1 三田谷啓とは何者か
2 三田谷の育児改革理念とその背景
3 三田谷の最初の実践──大阪市立児童相談所の設立と挫折
第2章 近代的育児概念の形成──「科学」と「母性」
1 日本児童協会を拠点とする育児啓蒙活動の展開
2 『日本児童協会時報』第一巻の育児論──専門家主導による「科学的」育児法の導入
3 『育児雑誌』第五巻の育児論──「科学」と「愛」の二要素からなる育児概念の確立
4 『育児雑誌』第九巻の育児論──「母性愛」の重視と母性教化論への転換
第3章 郊外生活者層の新興──「健康」の希求と子どもへの関心
1 三田谷の啓蒙対象として注目すべき層
2 郊外生活者層の新興と「健康」の希求
3 郊外生活者における子どもへの関心
終章 子ども観の変容──大人─子ども関係における子どもの価値の相対的な上昇
注
引用・参照文献
あとがき
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定価 2,530円(税込)