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個人化するリスクと社会

ベック理論と現代日本

個人化するリスクと社会

「自由な選択」のゆくえとは? 「われわれの未来」を切り拓くために、近代にひそむ根源的なパラドクスに挑む。現代社会学の最前線。

著者、編者、訳者など 鈴木 宗徳 編著
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-65391-1
出版年月 2015年2月
判型・ページ数 四六判・336ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

90年代後半以降、日本社会は「第二の近代」へと突入したと言える。労働の柔軟化、未婚化・晩婚化の進行、社会的孤立、自己責任論の跋扈など、さまざまな領域において生じた一連の現象を、本書では個人化という統一的な観点から説明を試みる。現実・理論・政策を包括的に把握し、日本社会の進むべき方向を照らし出す。

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目次

はじめに

序章 ベック理論とゼロ年代の社会変動 鈴木宗徳
 1 ベック・テーゼを問いなおす
 2 個人化論が受容された背景
 3 負の個人化を越えるために
 4 ゼロ年代の社会変動と個人化
 5 本書の構成
 6 本書の問題提起

第Ⅰ部 個人化する日本社会の課題
第一章 社会学史における個人と社会 -社会学の課題の変容とそれへの理論的格闘 伊藤美登里
 1 問題の変容としての個人化
 2 第一の近代における個人化
 3 第二の近代における個人化
 4 社会学史における個人と社会

第二章 社会の構造変化と家族 -「家族の機能」再考 伊藤美登里
 1 社会のなかの家族
 2 第一の近代における家族
 3 第二の近代における家族
 4 機能の選択制へ

第三章 日本型企業社会とライフコース -その成り立ちと個人化による揺らぎ 鈴木宗徳
 1 階級意識と中流意識
 2 家族を抱え込む企業主義的統合
 3 ベック理論と集団主義
 4 年功型賃金と企業別組合
 5 企業によるアイデンティティ付与
 6 ライフコースの標準化
 7 学校から職業への移行
 8 雇用保障の崩壊
 9 二つの家計負担の改革を
 10 移動の自由を保障する社会へ

第四章 資本主義経済システムにおける人間関係の外部性 石田光規
 1 経済システムと人間関係
 2 資本主義経済システムと外部不経済
 3 人間関係と資本主義経済システム
 4 対処法の検討

第Ⅱ部 個人化という謎を解き明かす
第五章 後期近代における監視社会と個人化 -子どもの「見守り」技術の導入・受容に着目して 野尻洋平
 1 現代日本における監視社会と個人化
 2 「子どもの安全」をめぐる動向と「見守り」技術の導入
 3 監視社会の情報化
 4 「第二の監視社会」と個人化のメカニズム
 5 監視社会からの解放/監視社会への強制

第六章 個人化社会における孤立と孤立死 石田光規
 1 関係からの撤退の自由と希薄化の狭間で
 2 孤立死とその対策
 3 個人化社会における孤立死問題の焦点
 4 孤立死をめぐる自己決定問題
 5 介入に付随する諸問題
 6 孤立死問題への対応と善き社会に向けて

第七章 道徳による貧困層の分断統治 -一九世紀福祉史と個人化 鈴木宗徳
 1 個人化と自己責任論
 2 自己責任論がまとう道徳性
 3 一九世紀フランスにおける後見とパトロナージュ
 4 モラル・パニックとしての生活保護バッシング
 5 一九九六年クリントン改革の背景
 6 依存を否定するイデオロギー
 7 一九世紀イギリスの救貧政策における道徳化
 8 普遍的問題としての道徳化/パターナリズム
 9 二つの時代をつなぐ「依存の系譜学」
 10 ソーシャルワークにおける道徳性の除去

第八章 日本型市民社会と生活保障システムのセカンドモダニティ -二つの個人化と複数性の条件 仁平典宏
 1 ベック理論との「出会い損ね」について
 2 日本型生活保障システムの再編
 3 国家からの政治的自律と日本型市民社会
 4 複数性へと開かれるために -二つの個人化の相克を超えて

終章 個人化のパラドクスを超えるために 鈴木宗徳
 1 再家族化と闘う
 2 移動の自由と市民社会セクターの豊穣化
 3 関係性におけるオルタナティブの可能性
 4 個人化のパラドクスを超えて
 5 多様な依存のあり方をもとめて

あとがき
人名索引

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