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金融システム改革と東南アジア [開発経済学の挑戦]

長期趨勢と企業金融の実証分析

金融システム改革と東南アジア

いわゆる「東アジア型の工業化過程」とは異なる固有の特徴を持つ東南アジアの経済発展と金融システムの構造を明らかにする。

著者、編者、訳者など 三重野 文晴
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-54605-3
出版年月 2015年2月
判型・ページ数 A5判・272ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

東南アジアでは東アジアと異なり金融と工業化との間の「かい離」が基盤的構造となった。その点から、東南アジアでは、金融システムの構造を決めているのは資金需要サイドであり、金融システムの構造変換は資金需要サイドを決める実物部門の構造変化に依存するところが多い。この点で本書は従来からの視点を転換する必要性を訴える。

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目次

はしがき
初出一覧

序章 東南アジアの経済と金融改革
 1. 本書の主題
 2. 本書の構成

第1章 東アジア金融システム改革:論点整理
 1. はじめに
 2. 東アジア金融システム改革の各論
 3. コーポレート・ガバナンスのロジック
 4. 「東アジア金融システム改革」と東南アジア:本書の論点
 5. おわりに

第2章 東南アジアの工業化と金融システム
 1. はじめに
 2. 工業化,金融システム,政府の役割:議論の整理
 3. 東南アジアにおける経済発展と政策転換
 4. 工業化と金融の乖離
 5. 東南アジアと金融システム
 6. おわりに

第2章補論 戦後タイ金融システム発展の数量把握
 1. 戦後の金融部門の形成
 2. 金融資産の蓄積過程,貨幣保有の進捗
 3. 商業銀行のバランスシートの長期趨勢と初期の銀行業
 4. 製造業の発展と商業銀行
 5. まとめ

第3章 東南アジアの企業金融の再検証:工業化と金融システムの観点から
 1. はじめに
 2. 実物・金融部門の関係と企業の資金調達:観察の視点
 3. 金融危機前後のタイ,マレーシア上場企業:実証分析1
 4. 金融危機前のタイ製造業主要企業:実証分析2
 5. おわりに

第4章 東南アジアにおける企業の分布と資金調達:外国所有と企業公開
 1. はじめに
 2. データ
 3. 主要企業の分布
 4. 主要企業の資本構成:記述統計
 5. 外資所有,上場・非上場と資本構成
 6. おわりに

第5章 企業の上場行動と証券市場の機能:1990年代前半期のタイを事例に
 1. はじめに
 2. タイの証券市場と金融危機
 3. 視点と手法
 4. データ
 5. 企業の上場誘因:プロビット・モデル
 6. 上場による企業行動の変化:イベント・スタディ
 7. おわりに

第6章アジア債券市場の現状と課題
 1. はじめに
 2. 金融システムと債券市場の位置づけ
 3. 東南アジア4ヵ国の債券市場成長の鳥瞰
 4. 債券市場の成長:タイの事例
 5. 債券市場の成長:マレーシア,インドネシア,フィリピン
 6. 社債ファイナンスの規定要因:実証的検討
 7. おわりに

第7章 金融システムは変容したか:2000 年代の環境変化
 1. はじめに
 2. 経済の回復過程と世界金融危機
 3. 国際資本フローの変化と世界金融危機
 4. 金融システムの変容
 5. おわりに

終章 金融システム改革と東南アジア
 1. 東南アジア金融システムの基底構造:本書の観察
 2. 東南アジアの経済発展と金融システムの今後
 3. 金融システムの発展論と改革論への含意

参考文献
索引

著者略歴
1969 年生まれ
一橋大学社会学部卒業,一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了
(博士・経済学).一橋大学経済研究所助手,法政大学経済学部専任
助・助教授,神戸大学大学院国際協力研究科准教授, 教授を経て現在,京都大学東南アジア研究所准教授.
この間,タマサート大学客員研究員,コロンビア大学客員研究員,大阪大学客員准教授などを務める.
専攻:経済発展論,金融システム論,東南アジア経済.
主要著書
『ミャンマー経済の新しい光』勁草書房,2012(共編著),『開発
金融論』日本評論社,2010(共著),Economic Transition in
Myanmar After 1988: Market Economy Versus State
Control, NUS Press & CSEAS of Kyoto University,
2009(共編著),『アジアの経済発展と金融:東南アジア編』東洋
経済新報社,2008(共編著).

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